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【米国経済】経済指標と株指数の大統領選yearの値動き、季節性とテクニカル分析


✅指標関連

🔴インフレ指標

直近のCPIとPPIの結果から、インフレ抑制は概ね予定通り。
原油価格の下落も相まって、ディスインフレ確認する形となった。
5年BE(ブレイクイーブンインフレ率)も2%割り込んできて寧ろFED目標の2%に及ばない水準です。
唯一の懸念は、CPIで居住費の伸びが大きかったことで、コアCPIはやや高めの結果で出ました。今の環境で、市場が注目する指標はインフレから雇用に代わったことに間違いないです。

🔴雇用関連

9月1週目JOTLSや雇用統計を経て、米経済には悲観が広まり、9月FOMCで米金利は50bp利下げを織り込むかたちとなりました。
まずJOLTSは、先に結果が出るindeed求人件数から弱くないと思っていましたが、下振れでした。indeed求人数を見ながらですが、JOTLS求人件数の推移は観察したい(indeedの上向きに戻るのではとは思っている)

また雇用統計では、NFPは市場予想より悪化したが、失業率と賃金は改善する結果でした。雇用統計は結果がミックスされることがあるので、方向性を辿ることが難しいことがあります。フルタイム/パートタイムの推移は変わらず横這いでした。雇用指標の全体から見ると、労働市場は悪化していることは間違いないが、加速度的に進んでいるとは言えないといったところ。

失業率は、4.3%から4.2%でやや改善した。
失業率が上がりにくい背景として、2020年頃のパンデミック前の労働参加率に戻っておらず、2023年後半から横ばいで推移しています。異次元の給付金により米国では貯蓄や投資にお金を回して働く必要のない層が一定数いると考えられます。このことから、本来なら失業するはずだった人々が、そもそも失業もなにも仕事に付いていたい層がおり、失業率が上がりにくい可能性がが考えらます。ただ一時的にかもしれませんが、サームルールにタッチして景気後退が意識されていて、今後も失業率の注目度は高そうです。

🔴ISMや小売売上

ISM製造業・ISM非製造業の結果は前月から横ばいで、このまま景気後退に直ぐにでも向かうということは難しいように思える。引き続き、先行指標を見ながらISM指標はウオッチしていきたい。
9月に利下げがあるため、先んじて8月に借金して設備投資する企業は少ないという考えがあると思われる。つまり本格的に利下げ開始すると、「企業の設備投資が増加⇒経済活動が活発化⇒ISM製造業は底固い」といった流れになるのではないかとも考えています。

米国GDPの7割程度を占める小売売上高にも注目です。
9/17に発表を控えておりますが、先行指標であるレッドブックやシカゴ連銀小売り指数、クレジットカードLoanにも注目です。これら指標からは、8月の小売売上高は個人消費が増えていることから、前月よりも高い結果になりそう。

小売(前月比)
コア小売(前月比)

7月の小売結果が上振れた際、大きく米金利は上昇しました。
この時、上振れ予想でしたのでドル円を買っていました。

🔴米金利

9月14日時点、9月FOMCの利下げ織り込みが25bpと50bpで綺麗に半々になっています。この一週間で、CPIが上振れ(居住費)であったにも関わらず50bp利下げに偏っています。
個人的には、9月FOMCがどちらに転ぶか全く分かりません。

いつも通りWSJニックのポストでは、ブラックアウト期間に50bpの可能性を臭わす発言をしています。もし50bp幅であれば、素直に株指数は買われるんじゃないかと思います。

9月以降の2年10年30年米金利の推移

✅季節性・大統領選yearの値動き

最近割と長短金利差の解消(逆イールド解消)していることに注目が集まっています。過去の2-10が逆イールドから順イールドになった後のS&P 500のパフォーマンスは以下の通り。
9月は株指数は調整基調であるSeasonarityです。さらに、逆イールドが解消された後はリセッション入りで指数は下落基調です。
9月FOMCが利下げ25bpで株指数が売れられらば、季節性アノマリー通りになりそうな気がします。

SP500と長短金利差(2年・10年)
https://x.com/MacroMicroMe/status/1828712510608089447
SP500の季節性

今回は関係ないですが、歴史的に共和党の現職が勝利する選挙年はパフォーマンスが良くなり、逆に共和党の現職が敗北する年は、パフォーマンスが最も悪くなる傾向があるようです。共和党トランプVS民主党ハリスの結果は、今後の市場大きく影響を与えそうです。

大統領選year
大統領選の翌年

https://en.macromicro.me/charts/107676/us-2024president-odds-predictit

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN270MI0X20C24A6000000/

✅テクニカル

🔴SP500

ボラティリティ大き目で、上下にいきやすい。
最高値を更新しそうな水準ですが、そのまま高値更新を続けるイメージは湧かない。。。今週のFOMC次第ですが、ボラティリティが激しい間は最高値更新して一度戻ってくることがある気がします。
個人的には、9月後半にかけて調整して欲しいところ。時間をかけてアセトラなど形を作って欲しい。季節性からも9月後半は弱めです。

4時間足

🔴ナスダック100

ボラティリティ高めが続く。
季節性からも9月は弱めかと思います。
テクニカル的には、切り下げ・切り上げがあり保ち合いのように見えます。
大き目で調整してくれたら、拾いたい程度です。

🔴ダウ30

季節性からは、9月後半に下落し易い傾向がありますが、今は綺麗に逆H&Sネックラインにいます。正味FOMC次第かと思います。
逆三尊+最高値更新が重ねっているので、ネックライン超えたら上に走りそうな形ですが、長続きしない気がしています(そんなにパワーを感じない)。ブレイクで付いていくより、ローリバ確認で入った方がいいと思っています。逆に、ここのネックライン超えたけど盛大に否定してくれた方が個人的には好きな動きです。




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