幸村がプログラマーだったなら
「目指すは家康の首、ただ一つ」
幸村はそう言いながら、赤いMacBookをタイプしている。
#! python
# Make an AI-weapon to defeat "Tokugawa"
import torch
import torch.nn as nn
import torch.optim as optim
こう、書き始めた幸村は、出来上がったばかりの徳川家体制に不満を持つ大名家の離反を促すフェイクをTwitterで流す事を画策している。
幸村によって構築されたAIは様々なフェイクを流した。
焼け落ちる江戸城。
徳川が某大名家を取り潰そうとしている事。
家康のスキャンダル。
しかし、彼のAIはどの大名の心も動かさなかった。
幸村は、その現象を目の当たりにして、
世の中がすっかり変わってしまった事を再確認する。
今や大阪には有効な堀や櫓は無い。
焼け落ちる城の中で、
赤いMacBookを抱いた幸村は死んだ。
おしまい。
ここ数年で、『制智権』という言葉ができたそうだ。
意味するところは、AIを背景とした軍事的優位性。
今や、GitHubに公開された数々のコトバは
そのままサイバー空間での攻撃に
転用できるようになったらしいけど、
幸いにも(?)、詩のコトバでは攻撃も防御もできない。
詩は、事実にも論理にも責任を負わない
コトバだからだ。
ただ、アートには世の中のヒトたちの感情を
扇動する力だけはあるのかもしれない。
たぶん、シンギュラリティの到来で
AIの方が得意になるとは思うけれど。
今日も、emotionalな1日を❣️
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