頸椎ヘルニアになっちゃった #04
このまま手術をしたら。
稀代の名医の腕を存分に発揮してもらって、あの地獄の刺客みたいな激痛再発の恐怖からは逃れられるだろう。
しかも、もしかしたら、長年の肩凝りだと思ってたほとんどは頸椎ヘルニアの仕業で、ノー肩凝り生活が待ってるかもしれない。なんとパラダイス!
でも、これは、どう考えてもメリットを探そうと思って見つけ出した、エビデンス(科学的根拠)のない、「希望的観測」でしかない。
このまま手術をしたら。
「これで良かったのかな。」「きっと良かったんだよ。」「でも、痛みは和らいでたんだよね、手術前も。」
こんな、後悔とも取れるような想いをずっと抱えて生活することにもなる。
これに気づくと、ネット検索をしてても、「頸椎ヘルニア 軽快」「頸椎ヘルニア 自然消退」「頸椎ヘルニア 保存的治療」「頸椎ヘルニア 手術 リハビリ 1年後 比較」こんなことを調べだす。
そして、ついには「軽快するならば手術は第一選択肢ではない」という記述を沢山見つ出して…
ネット検索というのは、本当に宜しくない。
なぜなら、自分に都合の良い考え方の記事、論文、口コミ…それらを自分で検索ヒットさせてしまうから。
砂場の中へおもちゃを隠して、ほら、ここにやっぱりおもちゃがあるでしょう?と自分で見つけ出し、自分を納得させるような行為に等しい。
そんなこと、不妊治療の検索をしていたときに嫌というほど分かっていたはずじゃないか。
(だからこそ。冷静に学術論文のpdfを冷静に何度も見る。しかしこれとて、皆に検索されているからこその私のヒットなのよね。)
看護師さんから手渡された「入院案内」の封筒の中身をもう一度見てみる。
「あなたの痛みや痺れはは、あなたが想定する痛みのうち、0から10うち、どのくらいでしょうか?◯をつけてみましょう。」左に0、右に10のメジャーが描かれている書類が出てくる。
私は「これは、一番痛かったときのですか?それとも今の状態ですか?」と看護師さんに質問した。
「これは、どっちでもいいですよ。手術後に、どれだけ痛みが取れているかな?って評価しやすいために書いてもらってるんです。」
これだ。これこそが、やっぱりネックなのだ。私が手術に疑問符を付けてしまう理由。
先程は頭の中に「手術後に…」とフワフワした疑問、不安しか沸いていなかったが、この書類が全てを物語っている!
私の今の痛みは1だ!
それが全てだ!
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