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クリエーションにおける「反省」
7月15日、土曜日まで、私は歌舞伎『毛抜』を原案にした演劇作品を、北千住BUoYにて上演していました。このnoteをご覧になってくださっている方のなかにも、劇場へ足を運んでくださった方がいらっしゃるかもしれません。ありがとうございました。
もちろん、劇場へ来てくださることはとても嬉しいことです。しかし、私のnoteを読んで、演劇というものに対して一抹の興味を抱いてくださるだけでも、私は嬉しさを感じます。ふだんは、noteで短編小説やエッセーを投稿している私ですが、劇作家・演出家として、舞台芸術のクリエーションもおこなっています。
さて、本来なら、上演後のアフタートークでお話しするためにとっておいた話題だったのですが、トーク時間がひじょうに短かったために話しきれないことがたくさんありました。私がこの度参加した演劇祭(条件の演劇祭 vol. 1 - Kabuki)のオンライン・イベントでも使用していたツイッター・スペースでお喋りすることも一瞬よぎったのですが、私の真意がきちんと伝わりきるのはやはり文章の形式だろうと考え、今、このようにして記事に起こしている最中というわけです。
私がこの演劇祭に参加してよかったと思うことはいくつもあります。第一に多くの同業者、同志と出逢えたことです。演劇公演を実施すれば、多くの観客と出逢うことができますが、このように同業者、同志と出逢うためには「演劇祭」である必要性があると言えます。
他人や他団体の手法や雰囲気から学び取れることはたくさんあり、自分自身の手法や雰囲気における改善すべきところと、このまま突き抜けるべきところをこのタイミングで、確認することができたのはほんとうによかったです。
私はこのようにして、ひとつひとつの作品をつくるたびに反省を重ねて、次の作品に反映させていく、というプロセスでクリエーションをおこなっています。と、文字にして書き起こしてみると、どのクリエーターも同じプロセスを踏んで作品をより良いものにしていっているのだと言えてしまうかもしれませんが、私の場合は人一倍その感が強い、と思うのです。
私は論理的に物事を考える脳力が人よりも足らないため、何事も実践を通してしか考えることができません。実践によって導かれた解と、他者の声を照らしあわせ、自分の声を生成しているのです。しかもその「照らしあわせ」や、声の生成作業にも多大な時間を要することがあります。
この一連の作業が、私のクリエーションにおける「反省」です。反省の結果、過去に自分がしていたことが間違っていたと感じることもあるでしょう。というか、間違っていたと感じることがほとんどです。しかし、私は間違ってしまうことを過度におそれたくはないし、一緒に間違うことのできる仲間とこれからも創作をしていきたいと思っています。なにより確かなのは、不必要な「間違い」はこれまでにひとつもなかったということなのです。必要な「間違い」を経由してきたからこそ、現在の手法があるのだと私は思っています。
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