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「たまたま in Harunako」がはじまります


 8月11日から15日までのあいだ、こちらの企画で群馬県へ行きます。榛名湖でアーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)をします。



 滞在先は榛名湖ですが、前橋や高崎へも行きます。ゴールデンウィークに行ったばかりの群馬に、盆にまた行くことになるなんて思ってもみませんでした。楽しみです。



 以前(5月下旬)にはこの企画に参加してくださる方を募るためのワークショップ・オーディションも開催しました。そこではたくさんのすてきな出逢いがありました。

 ぜひ、ぺぺぺの会と一緒に演劇をつくっていただきたい!

 と心の底から思う方とたくさん出逢うことができて、とても幸運でした。この企画(「またまた」やって生まれる「たまたま」)ではご一緒することが叶わなかったとしても、近いうちに、また別の企画でお声掛けさせていただきたいと思っています。



 さて、8月11日から15日までのあいだにぺぺぺの会が群馬県でなにをするのかというと、インタビューをします。


インタビューの形式
・インタビューの形式は、25個の定型質問(例:最近、お腹がよれてしまうくらいに笑ったことはありますか? もしあったら、その出来事について教えてください)をインタビュイーに対して問い掛けるものです。

インタビューの担当/該当者
・インタビュアー(聞き手=質問者)は事業に参加する俳優が担当し、インタビュイー(話し手=回答者)は各地で募ることとします。
・その際、インタビュイーには、われわれ・ぺぺぺの会にとっての「他者」に当たる人物を選定することとします。具体的には、演劇(舞台芸術)に携わる人物でないことを「他者」と規定します。その理由は、本事業が「対話」を志すものであるからです。対話成立の要件として、「他者」とのダイアローグを必須とします。

インタビューの会場
・インタビュイーの自然な発語を導くために、インタビュイーがふだんの生活のなかで利用する場所を、インタビュー会場として選びます。
・インタビュイーの許可が下れば、インタビューの回答のなかで言及された場所を訪れたり、インタビュイーの仕事を見学・体験したりさせてもらいます。このようなインタビュー外の取り組みは、インタビュイーを相対的に——対話を通じて——外側から知ることとは別に、絶対的に内側から知るために重要です。対話を通じて得られた情報を、ただの「情報」として完結させるのではなく、血肉の通ったものにするためには、インタビュイーが体験していることを体験し、その心的状態を共有する必要があると考えるためです。

インタビューとその後の流れ
・インタビューは、その場でテクスト(文書、それはおおよそ戯曲や台本の形式)として文字起こしされます。
・インタビュアーとインタビュイーは文字起こしされたテクストをつかって、自分たちのインタビューを再現します。

またまた繰り返すインタビュー
・インタビューの再現は、最低でも2回はおこなうこととし、1度目の再現と2度目の再現のあいだにはインタビュイー、インタビュアー、第三者的存在(演出家)の3者でフィードバックをします。
・フィードバックでは、第三者的存在が、インタビュイーとインタビュアーに対して、主に以下のようなことを問い掛けます。

① 「インタビュー時にリアルタイムで応答するように喋ること」と「再現をする際に自身の発言をある種のスクリプトとして読むこと」のあいだにどのような違いを感じましたか?
② 「インタビュー時にリアルタイムで応答するように喋ること」と「再現をする際に自身の発言をある種のスクリプトとして読むこと」の2つの記録映像を見比べてみて、身振り手振りや表情はどのように変化していますか?
③ 「インタビュー時にリアルタイムで応答するように喋ること」と「再現をする際に自身の発言をある種のスクリプトとして読むこと」の実践を通して、自分や相手の発言(言葉)に対する意識や感じかたに変化はありましたか?

・これらのフィードバックを踏まえたうえで、第三者的存在は次のように方針を示します。「インタビューをしていた/されていた自分自身を演じるようにして再現するのではなく、自分とはまったく違う人がしていた/されていたインタビューを再現するつもりでやってみることにしましょう。つまり、あなたはあなたの言葉を喋るのではなくて、あなたは他人の言葉を代わりに言うのです。そのとき、あなたは他人になりきろうとしなくていい。あなたはあなたのままで、他人の言葉を(第三者的存在としての)私に語り伝えるつもりで発語してみてください」
・このような一連のアプローチ、つまりまたまた同じインタビューを繰り返すことから、この創作過程を「またまた」と名付けるに至りました。


 と、まあ、こちらは僕がこの企画のために書いたもの(企画書)の一部です。滞在先でなにをやろうとしているのかを端的に説明するにはこの資料を提示するのが一番わかりやすいかな、と思います。

 この企画書を書くにあたっては、できるだけわかりやすく、簡潔に書くことを心掛けましたが、演劇の営みのなかにはどうしても言語に変換しきれない事象というものがあります(逆に言えば、言語に変換しきれてしまう演劇の営みは真に演劇的であるとは言えない、と僕は思っている)。

 群馬県を皮切りに日本全国各地を旅しながら、またまた繰り返すインタビューをして、ぺぺぺの会がなにをやろうとしているのか、興味を持ってくださった方がいたら、来年1月に東京芸術劇場アトリエウエストへ、ぜひ来てみてください。

 生きている限り、すべてが過程プロセス。結果はあり得ません。ぺぺぺの会の過程とその先につながる未来(舞台芸術の未来/私たちの未来)について、ともに語らいましょう。


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宮澤大和
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。 これからもていねいに書きますので、 またあそびに来てくださいね。