#01| 私がエッセイを書く理由
エッセイ塾に通い始めた。
講師は新聞社の元編集長。
お題「私の○○」か「漢字一文字」のどちらか一つを選択して、四百字詰めの原稿用紙二枚分を一週間程度で仕上げて提出する。
それを生徒達の前で朗読する。
書きあげた原稿は添削され、コメント付きの一筆箋三枚を添えられて返却される。
二年前の冬、人生の半分を引きこもりとして過ごしたある 四十代男性のエッセイ をたまたま見つけた。
十四歳のとき、統合失調症と診断され、家に引きこもるようになってしまった青年が大人になるまでの成長を描