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“byのコア”からいろいろな “by” を使った表現の意味を掘り下げてみました。

ディズニー映画のセリフの深掘りはいったん休憩して、今回は前置詞の “by” についてそのコアも含めて深掘りしていきたいと思います。これまで学習してきたこと、外国の方に聞いたこと、対話型AI、そして私見も多く含まれています。

この“私見”というのを私は大切にしています。なぜなら自分の頭で考え、導き出した考え方というのには「納得感」があるからです。ですから正誤はあまり考えずに推測していくこともよくあります。

それが、推論を導き出す時に私がよく行うことです。それでは、早速 “by” を含む例文を見ていきましょう。

I was scolded by the teacher.「私は先生に(よって)叱られた」

この受け身で使われる “by” は一番よく知られているのではないでしょうか。“by” の意味を聞かれたら上の例文のようにまず「〜によって」という意味が思い浮かぶ人も多いと思います。

また “by” には「〜のそばに」という意味もあります。

オラフ: No, no, no, no, no. You need to stay by the fire and keep warm.「火のそばにいなければならない」

「アナと雪の女王」

また I came home by 8:00.「8時までに帰宅した」のように「〜までに」という意味もあります。

そして、慣用句で By the way, is your mother fine?「ところで、お母さんは元気?」という “by” の使い方もあります。

このように色々な意味がある “by”ですが、「〜によって」という意味を基本に覚えている人も多いのではないでしょうか。受動態でよくでてくる “by”です。

でも「〜によって」を中心に覚えると、上にあげたそれ以外の “by” の意味との関連性を見つけるのが難しく、完全に「暗記」の世界になってしまいがちです。

ではどの意味が “by” の中心(本来)の意味になるのでしょうか?それは

〜のそばに

の “by”です。

中心の意味とは“コア”のことで、この“コア” を把握することによって“脱暗記”への道が開かれていくのです。

「〜のそばに」という意味から他の意味も派生していると考えることができるのですが、次にその理由を一つ一つひとつ見ていきます。

① I was scolded by the teacher.「私は先生に(よって)叱られた」
「〜によって」と「〜のそばに」って関係なさそうに見えますが、”by”以下の人(ここでは先生) が「そばに」いてこそ主語( I ) に影響を与えられるのです。距離的にだけでなく、近くにいなくても(なくても)、心理的にも影響を与える人やものは、近くにいるように感じられるのです。

② I came home by 8:00.「8時までに帰宅した」
これはどうでしょう。この言葉を聞いた時、“何時ごろに私が帰宅した”と推測しますか?夕方の5時と答えると少し早すぎますよね。多分夜の8時前ぐらいではないでしょうか。この by 8:00 も8時に”近い“ので、「〜のそばに」という意味と関連があるととらえることができます。

By the way, is your mother fine?「ところで、お母さんは元気?」
By the way はよく知られている熟語なのでそんなに深く考えることはしないと思いますが、「ところで」というのは、これまで話していた直線上にある内容が“上(下)にずれる” ととらえることができます。

なぜなら、「ところで」と言ったあと、話に内容が変わるからです。そこから、これまでの話の内容から少しズレた内容に移ることが「そば」をイメージさせるために by the way ( way は会話の道)となるのです。

もう一つ。次のようなセリフを「アナと雪の女王」で見つけました。

デューク: It's getting colder by the minute. If we don't do something soon we'll all freeze to death.「急激に冷えてきた。手を打たねば全員凍死だ」

「アナと雪の女王」

字幕では「急激に」と by the minute が訳されていますが、直訳は「分ごとに」です。この “by” は「単位」を表します。例えば、

You have to pay for the apartment by the month.「アパート代は月毎に支払わなければならない」

などです。

ここで個人的に悩んだことがあります。それは、by the minute「1分ごとに」は、1分、2分、3分と間隔は短いので「(すぐ)そばに」がコアの “by”がピッタリなのですが、by the year「1年ごとに」となると1年という間隔は「そばに」とは言えないのではないかいうことです。

ですから、「〜ごとに」は “by”のコアでは説明できないのではと一瞬考えてしまいました。

でもよく考えると、この「単位」というのは1分ごとであろうが、1年ごとであろうが、“1”という最小単位で全て成り立っているということです。全て「1つずつ」なのです。分、月、年といった単位を取り除くと「そばに(近くに)」という “by” の概念が当てはまります。

このようにいろいろな意味を持つ “by” もそのコアを考えることによって、私自身、頭の中に “byを定着させるのに大いに役立ちました。

「なぜ〇〇という意味なのか?」という問いは常に持っておきたいと思う毎日です。考え方をアップデートすることもよくありますが、それは“目から鱗が落ちる”瞬間でもあります。そこに英語の奥深さや面白さがあります。

Thanks for reading my article!

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