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【第108回】ディズニー映画「カールじいさんの空飛ぶ家」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

警官: Sorry, Mr. Fredricksen. You don't seem like a public menace to me. Take this. The guys from "Shady Oaks" will be by to pick you up in the morning, ok?「気の毒にね。乱暴な人には見えないのにね…。行き先です。明朝そこから迎えが来ます」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

You don't seem like a public menace to me.
作業員の頭を郵便受けで殴ってしまったカールが、警官から言われた言葉です。

menace は「脅威」なので public menace で「公共の脅威」です。

ここでは人に使われているので、「公共の敵」、「社会の厄介者」、「迷惑な存在」などいろいろな訳が考えられます。

ともかく、人々に犯罪などの脅威となることをする人が public menace な人です。

You don't seem like a public menace to me. で「私には、あなたは社会の敵のようには見えない」ですが、この言葉ってニュースなどでよく聞かないでしょうか。

犯罪を犯した人が住む近所の人が「あんなことするような人には見えなかった」という言葉です。

まさに、
He (She) doesn’t seem like a public menace to me. です。


カール: I'll meet you in the van in just a minute. I... wanna say one last goodbye to the old place.「車で待っててくれ。長年住んだ我が家に最後のお礼をしたい」
従業員1: Sure. Take all the time you need, sir.「ごゆっくりどうぞ」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

Take all the time you need.「ごゆっくりどうぞ」
老人ホームに入ることになったカールに対して、迎えにきた人がカードに言った言葉です。

直訳は「あなたが必要な ( you need ) 全ての時間 ( all the time ) をとって下さい」です。

この表現を見た時、Take your time「ごゆっくり」と同じ表現であるのはわかりましたが、このTake all the time you need. は使ったことがありませんでした。

Take your time. 一択でしたね。ですから、もう一つ選択肢ができて得をした気分です。

英語って新たな出会いや発見がよくあるので、学習していて飽きないですし、常に新たな気持ちにもさせてくれるのでやりがいのある学問だなあといつも思います。

ちなみに Take your time. ですが、初めてアメリカに行った時に、レストランの中でウェイターから言われたのを今でもよく覚えています。何故か頭にこびりついて忘れられないです…。

随分昔の話ですが、それ以降も英語に関しては毎日が感動と驚きの連続でしたね。”Good old days.” ですね…。



従業員2: That's typical. He's probably going to the bathroom for the 80th time.「どうせ今朝80回目のトイレに行くんだろ」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

上の作業員1に続いて、作業員2がカールにかけた言葉です。

That's typical

typical は「典型的な」で、「それは典型的だ」が直訳です。「典型的」と言うのは、その人の特徴をよく表していることです。

ですから、
A: He came late again. 「彼また遅刻したわ」
B: That’s typical.「彼らしいなあ

です。「相変わらずだね」や「いつものことだよ」でもいいですね。

このシーンでは、カールが作業員を自宅前で待たせる行為について、「いつもあの人(カール)は人を待たせる」と呆れてしまったので、それが That’s typical. という言葉として出たのです。

“人を待たせることが、カールがいつもやってること” ( = typical ) なんでしょう。



従業員1: You'd think he'd take better care of his house.「こんなに散らかして」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

この文の中で注目すべき表現は、You’d think … です。「普通は…だと思うよね」という意味になります。

You’d = You would で、仮定法なので「…だと思うよね。でも実際は違うけど」といったニュアンスです。

ですからこの You'd think he'd take better care of his house. も直訳は「彼(カール) は家のことをもっと世話すると(普通は)思うよね。(でも実際は家の世話はしていない )」です。

普通ならもっと家の中を綺麗にするので、「もっと片付けたらいいと思わない?」という意味として使われています。

You’d think he’d call back by now.「もう彼から電話があってもいいのにね(何故ないのかなあ)」

この You’d think … は「思うだろう」ぐらいの意味で案外スルーしてしまってるかもしれません。

でも「普通は〜でしょ」という日本語もよく使うので、You’d think … も使える表現の一つとしてインプットしておきたいですね。



カール: So long, boys! I'll send you a postcard from Paradise Falls! We are on our way, Ellie.「お別れだ。パラダイスの滝から便りを出すよ。夢を叶えるからね」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

We are on our way, Ellie.「夢を叶えるからね」
沢山の風船によって家が釣り上がり、カールが“パラダイスの滝”を目指して旅に出ますが、その出発の時に“今は亡き妻” エリーへ贈った言葉です。

これは英語を深掘りするというよりも、言葉に込められたカールの思いが溢れ出ていて、胸に響く言葉だと思い取り上げました。

be on one’s way で「…にいく途中だ」なので「エリー、今向かってるところだよ」という意味になります。向かう先はエリーが幼い時に夢見た南アメリカにある“パラダイスの滝”です。

幼いエリーは、幼いカールに次のように言ったのです。

エリー: I'm gonna move my club house there! And park it right next to the falls. Who knows what lives up there! And once I get there... I'm gonna save all these pages for all the adventures I'm gonna have. Only... I just don't know how I'm gonna get to Paradise Falls.
「あのクラブハウスを滝のそばに持ってくの。何が棲んでるのかな。夢がかなったら…白紙のページに冒険を記録するんだ。ただパラダイスの滝までどうやって行けばいいか…」
< カールその場で立ち上がる >
エリー: That's it! You can take us there in a blimp! Swear you'll take us there! Cross your heart!  Cross it! Cross your heart!   「そうだ!あんたが連れてって。飛行機で。そう誓って。十字を切って。約束だ
< カール十字を切る>
エリー: Good, you promised. No backing out! 「嘘つく?」
< カールビックリして大きく首を横に振る >
エリー: Well, see you tomorrow, kid. Bye! Adventure is out there! 「じゃまた明日。冒険に出よう!」


「カールじいさんの空飛ぶ家」

そして十字を切って約束したエリーの言葉ををカールは忘れていなかったのです。
We’re on our way. の We はカール自身とエリーの2人なのです。カールの心の中では、亡き妻と一緒に旅に出ているのです。いつも2人一緒なのですね素晴らしい夫婦愛ですね…。

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