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ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート52】

ライリーYeah, sure. (うん、わかった)

母親: What did we do to deserve you? Sweet dreams. (なんていい子なの?いい夢を)

ライリー: Good night. (おやすみ)

イカリ: Well, you can’t argue with Mom. Happy it is. (ママには負けたよ)

「インサイドヘッド」

What did we do to deserve you? 「なんていい子なの?」
直訳は「あなたに見合う( deserve ) ために私たちは何をしたの?」です。deserve … は「…に値する」です。

つまり、「あなた( の取った素晴らしい行動や言動など) に見合うために何を私たちはしたのか?」=「そんなことはなにもしてこなかった」とへりくだってお母さんは言っているのです。

ここでは母親の言うことを素直に聞くライリーに対して母親がかけた言葉です。

この表現は誰かの取った行動などの素晴らしさを褒め称える時に使います。ここでは、父親の仕事が大変な中、ずっといい子でいてくれるライリーのことを母親が褒めたのです。

とても英語らしくて大好きな表現の一つです。使う場面はそんなにないかもしれませんが覚えておきたいですね。


Sweet dreams.「いい夢を」
まずこれはそのまま覚えてしまいましょう。Good dreams. や Nice dreams. でもなく、Sweet を使うのです。

でももう一つ大切なことは、dreams と複数形を使うことです。これまで Sweet dreams! と複数形で言うのは知ってたのですが、なぜ単数形( dream ) ではないのかは考えたことがありませんでした。

そこで ChatGPT で調べると、

Sweet dream” (singular) is not typically used because we usually refer to multiple dreams when we sleep. Saying this would sound unnatural or incomplete.

ChatGPT

と「私たちはたいてい複数の夢を見る ( multiple dreams )から dreams が用いられる」との回答で納得しました。

また、”Good night.” と “Sweet dreams.” の違いも気になり、ChatGPT で調べました。

その回答は、

“Good night" - A neutral, polite way to say goodbye before bed, suitable for any situation.
“Sweet dreams." - A more affectionate, caring phrase, usually used with close friends, family, or romantic partners.

ChatGPT

で、「Good night は、寝る前に使う、誰にでも使える丁寧で中立的な言葉で、Sweet dreams. は、親しい友人や家族、恋人に使う、より愛情のこもった表現」とのことです。

ですから相手によっては、Sweet を使うと違和感を与えてしまうかもしれません。でも家族間で使うのが多いと思うので、Sweet dreams! でほとんどの場合、大丈夫ですね。

Good night は Have a good night. でもいいですし、簡潔に Sleep well. もよく使われます。

私は、Have a nice day. につられて、Have a good dream. という英語をホームステイ中によく使っていました。もちろん通じますし問題ないのですが、次もしホームステイする機会があれば Have sweet dreams. を使いたいですね。


③ Well, you can’t argue with Mom. Happy it is.「ママには負けたよ」
この表現いいですね!argue with…「…と議論する」で、直訳は「お母さんとは議論できないよ」です。

これを取り上げたのは、その字幕です。「お母さんとは議論できない」→「ママには負けたよ」。

「…には負けたよ」というのは日本語の口語表現で、気持ちもしっかりと伝わってくると思いませんか。

I can’t argue with him... 「あいつには負けたよ」

「あいつには敵(かな)わない」や「あいつには逆らえない」でもいいですね。

can’t argue with ... の表現、どどんどん使っていきたいですね。

私たちは、日本語の口語表現やスラングといったものは普段はあまり意識せずに使っていると思うのですが、英語の表現をじっくり考えると、自然と日本語の独特な言い回しもじっくりと考えてしまいます。

でも、字幕を見たら「なるほど!」と思ってしまう日本語が、訳を考えている時になかなか出てこないのはとてもフラストレーションが溜まります。

なぜなら「母国語なのにどうしてサッとでてこないのか」と考えてしまうからです。真剣に、日本語の勉強もしなければならないと思ってしまいます。

あと、英語の類義語やそれらのニュアンスの違いを理解するのも大切なのですが、日本語(特に口語表現)においても同じことが言えるのではと思います。

その違いを理解すれば、より適切な日本語を使って訳を考えることができるからです。

英語を学ぶことは母語についても見直すきっかけにもなります。特に洋画においてはその日本語字幕から学べることは数多くあります。素晴らしいの一言です。

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