洋画のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート1】
洋画は使える英語表現の宝庫です。これまでも洋画のいろいろなシーンを通して英語を深掘りしてきましたが、これからも英語の奥深さを英語のセリフを通して少しでもお分かり頂ければ嬉しいです。
そのためにも、単に英語表現の意味を並べて書いていくのではなく、「なぜそんな意味になるのか」やその表現が持つニュアンスなどについてわかる範囲で書いていこうと思っています。
今回は、アニメ「美女と野獣」から、ベルが野獣を擁護しようとした時に、ガストンが野獣の恐ろしさを人々に植え付けようとするシーンです。
① have feelings for...「…に好意を抱く」
feeling は「感情」なので、直訳は「…に対して感情を抱く」ですが、この feelings は特別な感情、すなわち「…が好き」「…に好意を抱く」というポジティブな意味になります。
なぜ feelings が「好意を抱く」というポジティブな意味になるかと言うと、それは次に for があるからです。for... は「…に向かっている」という意味があり、その向かっているというイメージが「好意を持っている」という意味になるのです。
I have feelings for Tom.「私はトムのことが好きだ」
ただ、feelings が a feeling になると「感覚、予感」という意味になり、I have a feeling that he will win the game.「彼はその試合に勝つのではという予感を私は抱いている」となり、feelings の「好き」という意味がなくなります。
こんな feelings と a feeling の違いも英語の面白いところですね。
ちなみに、have a thing for ... も「…が好き」という表現で、have feelings for... とともに覚えておくと会話で使えると思います。
② The Beast will make off with your children.「野獣は子供達をさらっていくぞ」
make off with ...「...を盗む、奪い去る」と言った意味を持つ熟語です。
make, off, with の3つとも超基本単語ですが、これらが組み合わされるとパッと意味がイメージしにくいですよね。
「どうして盗むという意味になるの???」となりませんか?
それを理解するには make off + with に分けて考える必要があります。そして make off も make + off と別々にその意味を考えていきます。
まず 「作る」の make ですが、I made it to the airport. や He made it on time. のような使われ方を見たことがあるのではないでしょうか。
この make は「着く、行く」を表すので、「私は空港に着いた」、「彼は時間通りに着いた」という意味になります。
ただ、arrive at ...「到着する」と違って、make it to ... には「努力」が感じられるので、「何とか空港に着いた、時間通りに着いた」というニュアンスが含まれます
make off の off は「分離」を表すので、make off で「サッと( =分離 )どこかにいく(そして着く)」=「サッと逃げる」という意味が出てきます。
そこに「一緒」の with が加わり、make off with...「…と一緒にサッと逃げる」という意味になり、そこから「…を盗む」「…を奪い去る」という意味が出てきます。
make が含まれているので、そこには苦労や努力を感じ取ることができると思います。すなわち、苦労して奪ったり、盗んだりするのでしょう。
洋画のセリフ “The Beast will make off with your children.”もまず直訳「野獣はみんなの子供たちと共に逃げていくぞ」と考えると、字幕のー「野獣は子供達をさらっていくぞ」がピンとくるようになると思います。
③ He’ll come after them in the night.「夜になるとやってくる」
come after ...「…の後ろにやってくる」ですが、そこから「…を追いかける」という意味になるのはそんなに難しくないと思います。
でも大切なのはどんな状況でこの come after が使われるかです。そこで ChatGPT に聞いてみると、
まとめると、”He’ll come after you.” ー 復讐しに(get back at) 来る。そして、たいてい脅し(threat) や警告(warn) のように聞こえる。
単に「誰かを追いかける」だけでなく、そこには脅しや捕まえて復讐するというニュアンスが含まれているのが面白いですね。
今回取り上げた表現は、そのニュアンスを掴むことの大切さがよくわかるのではないでしょうか。
ニュアンスの違いってネイティブの頭の中を探る作業と同じなので、最高にやりがいがあって面白い作業ですね!
I hope my article inspires you to learm more about English.