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【第97回】ディズニー映画「ベイマックス」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

作業員: T-minus 30 seconds to launch. -29... 28... 「出発まであと30秒」
作業員: Capsule's in position.「ポッド配置」
作業員: Sir, we've picked up a slight irregularity in the magnetic containment field.「磁場にわずかな乱れが見られます」

「ベイマックス」

T-minus 30 seconds to launch
T-minus は Time-minus の略で、「〇〇秒(分)…前」などと、カウントダウンなどで使う表現です。

T-minus one minute until the New Year!「新年まであと1分前!」

大晦日のテレビ番組で新年を迎えるときによく言っているやつです。

T-minus があるので T-plus もあり、意味は「〇〇秒(分)…が経過」です。

T-plus 10 minutes and still nothing has happened.「10分経過したが、まだ何も起こっていない。」

両方ともユニークな表現なのでまた使っていきたいですが、カウントダウンを表すのが元々の主旨なので、minutes や seconds (秒)を使うのが普通です。

② we've picked up a slight irregularity in the magnetic containment field.
pick up には「拾い上げる」や「車で迎えに行
く」などいろいろな意味がありますが、ここでは「 感知する 」というあまり馴染みのない意味で用いられています。

ですから直訳は「磁気フィールドにちょっとした異常 ( slight irregularity ) を感知した」です。

この「感知する」という意味で使われる pick up の類義語は detect です。同じ「感知する」でも detect は「意図的に何かを感知する」のに対して、pick up は「偶然感知する」という違いがありますが、類義語として両方使えます。

If the sensor picks up human movement, the alarm will go off.「センサーが人の動きを検知したら警報がなる」

この意味での pick up はあまりお目にかからないかもしれませんが、リスニングやリーディングでは必要になる場面もあるので頭に入れておきたい表現です。



男性: Mr. Krei, is there a problem?「何か問題が?」
クレイ: No. No problem. It's well within the parameters. Let's move forward.「設定値の範囲内です。進めよう」

「ベイマックス」

It's well within the parameters. で「設定の範囲内で」という意味になります。

これを取り上げたのは、「想定内」や「想定外」という言葉をテレビなどでよく聞くからです。

parameter というのは、数学の方程式などの数値を指す少し難しい言葉です。例えば、直線の方程式:  y = mx + b  では、m や b が parameter です。これらの値を変えると、直線の形が変わります。

この parameter は、一般的な場面でも「何かを制約したり、枠組みを決めたりする条件」という意味で使われます。

ですから within the parameter の言わんとしてることは、「方程式が成り立つ範囲内なので、想定内である」ということです。

ちなみに「想定外」は outside the parameters です。


作業員: Pod engaged.「ポッド離脱」

「ベイマックス」

pod は通常、ものを収納するための容器を指しますが、ここでは人間が乗れる小さめのカプセルの意味で使われています。

engaged は「作動する」「動き始める」です。
System engaged.”「システム稼働中」

ですから Pod engaged. は「ポッドの準備が整った」という意味で使われます。

確認のため Pod engaged. を ChatGPT で調べると、

This phrase is commonly found in sci-fi contexts or technical environments, where it indicates that the pod is now in use or prepared to be used.

ChatGPT

「このフレーズは、SFや技術を表す環境でよく見られ、ポッドが使用中または使用準備が整ったことを示している」とありました。



ヒロ: Baymax, get us out of here. Go for the transmitter. Behind his mask.「ここから脱出だ。制御装置を奪え」

「ベイマックス」

Go for the transmitter.
go for … は「…に向かって行く」から「…を狙う」という意味があります。

Go for the transmitter. は「制御装置を狙って奪い取れ」です。

運動会の種目に棒倒しがありますが、相手チームの棒の先にある旗を取れば勝ちのゲームです。それを表す英語は 相手チームの旗を指差して Go for that flag! です。

またオリンピック選手が「金メダルを目指します!」も I will go for the gold medal. ですね。

単に「頑張ってね!」は Go for it! です。”it” は相手がやろうとしてることなので、どんな状況でも使えます。

目指して獲得したいもの」は go for … でいけます!


ゴーゴー: Get the mask.「仮面の奪還」
ハニー: Right behind you.「援護する」

「ベイマックス」

( I’m ) right behind you. と I’m が省略されています。

直訳は「私はあなたの真後ろにいる」で、そこから「あなたを後ろから守る」と誰かを援護する表現です。

現実に誰かが戦うのを援護するという場面に遭遇することは稀なのですが、これは「あなたをサポートします」と比喩的にも使えます。(というよりこの意味で使うのがほとんどだと思います)

「あなたの真後ろにいる」から「サポートする」はイメージが湧きやすいのではないでしょうか。

あなたの味方だから心配しないで」というニュアンスがあります。

この「味方だ」の英語は I’m always on your side. をよく耳にします。洋楽の歌詞にもよく出てきます。

でも I’m right behind you. も同様に使っていきたいですね。

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