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【第125回】ディズニー映画「Mr. インクレディブル」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

Elastigirl: Well, we could share, you know. 「一緒に組まない?」
Bob (Mr. Incredible): I work alone.
Elastigirl: Well, I think you need to be more…flexible. 「頭の固い人ね。もっと…柔軟に」
Bob (Mr. Incredible): Are you doing anything later? 「この後の予定は?」

「Mr.インクレディブル」

we could share, you know.
これは日本語字幕が素晴らしいと思ったので取り上げました。直訳は「僕たちは共有できるだろうね」ですが、共有できるというのは「一緒に何かができる」と捉えることができるので「一緒に組まない?」と字幕では訳されています。

文脈がしっかりしてたら「一緒にやろうよ」という意味でいろいろな場面で使えそうです。

② I think you need to be more…flexible.
これも①同様、日本語字幕が素晴らしかったので取り上げました。flexible は「(頭が) 柔軟な」という意味なので、「あなたはもっと頭が柔軟になる必要がある」です。

もちろんこの訳でもいいですが、「柔軟になりなさい」をその反対の「頭が固い人」と字幕では訳されています。(直後に「柔軟に…」というのもありますが…) 「”頭が硬い“って英語で??」となりがちですが、You need to be flexible. で訳せるなんて素晴らしいと思います。発想の転換ですね!

Are you doing anything later?
後の予定を聞く時の表現で、難しい語句はないのですが、あまり馴染みのない英語ではないでしょうか?

一般的には Do you have any plans today? や What are you going to do today? などが使われる思います。「予定」「計画」 = plan とだけ覚えていると Are you doing anything later? はなかなか口から出てこないかもしれません。

相手に今日の予定を聞く機会ってそこそこあると思うので、そのまま覚えてどんどん使っていきたいですね。



Incrediboy: Hey, hey! Aren’t you curious about how I get around so fast? See? I have these rocket boots-- 「早かっただろ。ロケットブーツのおかげだ」

「Mr.インクレディブル」

Aren’t you curious about how I get around so fast?
日本語訳は「私がどうやってあんなに速く移動しているのか気にならない? 」です。

ポイントは curious という単語です。「好奇心が旺盛な」という意味ですが、好奇心が旺盛な人というのは常に何かのことを“気にかけている”人です。

そこから Aren’t you curious about …? で、「…のこと気にならないの?」と、どうして無関心でいられるのかを不思議に思っている時に使う表現です。

このシーンでも、インクレディボーイが素早くボブの前に現れたのに、ボブは全くそのことに触れなかったので Aren’t you curious about …? とインクレディボーイは尋ねたのです。

Aren’t you curious about why he did that? 「彼がなぜそんなことしたのか、あなた気にならないの?」 ー イライラ感が伝わってきますよね。



Incrediboy: Can we talk? You always say be true to yourself, but you never say which part of yourself to be true to. Well, I’ve finally figured out who I am. I am your ward…lncrediBoy! 「あんたがいつも言ってただろ。「自分らしく生きろ」って。僕は相棒になる運命だ。インクレディボーイさ!」
Bob (Mr. Incredible): And now, you have officially carried it too far, Buddy. 「勝手に解釈するな、バディ」

「Mr.インクレディブル」

And now, you have officially carried it too far, Buddy.
ボブの熱狂的ファンのインクレディボーイが、自分がボブの相棒になる運命だと勝手に決めつけたことに対してボブが言った言葉です。

ポイントは “carry it too far” です。直訳は「あまりにも遠くにそれを運ぶ」で、限度を超えた行動を指し、「やりすぎだ」や「調子に乗りすぎている」という意味になります。こんなイディオムもユニークで大好きです。

また officially はここでは「はっきり言って」と文を強調する役目をしています。本来「公式に」ですが、“公式に言う“ と言うのは、曖昧ではなく“はっきり言う”ということなので、わかりやすいのではないでしょうか。

ですから、you have officially carried it too farは、「君ははっきり言って調子に乗りすぎている」と、インクレディボーイに勝手に自分の相棒になるなんて言うなと、ボブは警告したのです。

調子に乗るんじゃないよ」という日本語でもいいと思います。

Hey, who do you think you are?  You’ve carried it too far.  「おい、自分を誰だと思ってるんだ?調子に乗りすぎなんだよ」



Bob (Mr. Incredible): Take this one home. And make sure his mom knows what he’s been doing. 「母親にたっぷり説教させるんだ」

「Mr.インクレディブル」

ボブが”問題児”のインクレディボーイを警察に突きだす場面です。

Take this one home.
この this one はインクレディボーイのことですが、普通 this one は「これ」と“物”を指します。“”を指す場合はかなり見下しているような言い方です。

ここでも、厄介な少年に堪忍袋の尾が切れたボブが、インクレディボーイを this one と呼んだのでしょう。ですから Take this one home. は「こいつを家に連れて行って」です。

② And make sure his mom knows what he’s been doing.
字幕は「母親にたっぷり説教させるんだ」とかなり意訳ですが、直訳は「こいつがしてたことを母親が知っているということを確かめておけ」( make sure ... 「…を確かめる」)と、ぎこちない日本語になります。

これは make sure が訳しづらいフレーズだからです。「…を確かめる」と言う意味なのですが、そのまま訳してもわかりにくい場合が多いと思います。

ですから「必ず…する」「ちゃんと…する」と解釈すればわかりやすくなります。

「必ずお母さんがこいつがやってたことを知ってるようにしろ」⇨「必ずお母さんにこいつがやってたことを伝えろ」ですね。「ちゃんと…を伝えて欲しい」でもいいです。

I’ll make sure … だと「必ず…するからね」という意味になります。
I’ll make sure it’s done.
「ちゃんと終わらせておくから。(心配しないで)」

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