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【第71回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

今回からディズニー映画の「ベイマックス」を英語教材として取り上げていきます。

ただこれまでと違って、解説する英語以外のスクリプト(セリフ)はあまり含めずに解説する部分の英語に焦点を当てていきたいと思います。

その分、取り上げる英語表現をこれまでよりも増やしていければなあと考えています

ただ、そのセリフが話された状況なしでは理解が困難だと思われる時には、簡潔にその場面の説明をしていきます。

映画のあらすじは次のとおりです。
天才的な少年ヒロは、最愛の兄を亡くし、心を閉ざしていた。そんな時、兄が開発した癒し系ロボット、ベイマックスと出会う。ベイマックスと共に兄の死の真相を追るうちに、ヒロは様々な仲間と出会い、再び生きる喜びを見つけていく。ベイマックスの温かさに触れ、ヒロは成長し、心の傷を癒していく。架空の未来都市“サンフランソウキョウ” を舞台に繰り広げられる“友情と感動”の物語。

また登場人物を簡潔に説明しておきます。

ヒロ・ハマダ: 天才発明家。兄の死をきっかけにベイマックスと出会い、共に謎を解いていく。
ベイマックス: ヒロの兄が作ったケアロボット。温かい心と癒やしの力でヒロを支える。
タダシ・ハマダ: ヒロの兄。優しい性格で、ヒロの才能を認めている。
ゴー・ゴー・トマゴ: スピードを愛するクールな女の子。
ワサビ: 完璧主義で冷静な性格の男の子。
ハニーレモン: 天才的な化学者で、陽気な女の子。
フレッド: スーパーヒーローオタクで、お調子者。
ロバート・キャラハン: 大学の教授ロボット工学の第一人者。タダシの担当教授。
アリステア・クレイ: 技術会社クレイテックのCEO。冷酷な男。
キャスおばさん:ヒロとタダシの母親代わりの叔母。
ヤマ: ヒロとロボット対決で戦った裏社会のボス。


初回は裏社会のボスであるヤマが言った次のセリフです。

ヤマ: Who's next?! Who has the guts to step into the ring with Little Yama?!「俺に挑戦するガッツのあるやつは?」

「ベイマックス」

have (has) the guts to...「…する度胸(勇気)がある」です。「あいつはガッツがある」と日本語でもいうので分かりやすいと思います。

“Who has the guts to climb that mountain in a storm?”「嵐の中であの山に登る度胸があるのは誰だ?」

また、京都の太秦映画村に超怖いと評判のお化け屋敷があるので、

“I don’t have the guts to enter that haunted house.”「私はそのお化け屋敷に入る勇気はない」

はどうでしょう。

「勇気」はcourage もありますが、guts は大胆にも困難に立ち向かう根性や胆力で、courage は困難に立ち向かうという意味では guts と同じですが、道徳的な選択や正しいことをするための勇気を指すことが多いです。

I didn’t have the guts to dive into the sea.「私には海に飛び込む勇気はなかった」

She had the courage to speak against the injustice.「彼女は不正に対して声を上げる勇気があった」


次は、「逃げろ!」のとても強い英語表現です。

司会者: Beat it, kid! House rules: You gotta pay to play. (うせな。掛け金がいるんだよ)
ヒロ: Oh. Uh... is this enough? (これで足りる?)

「ベイマックス」

Beat it, kid!”「うせな」で、相手にここから去るように促す言葉です。でもこの表現は攻撃的な意味合いがあるので使用には注意が必要です。

Beat it” といえばマイケルジャクソンの大ヒット曲ですね。これも「うせろ」という意味で次の歌詞からも、暴力などの危険なことからは逃げる(うせる)” ことの大切さを歌った歌なのです。

“You better run, you better do what you can”「早く逃げろ、自分にできることをやるんだ。」
“Don’t wanna see no blood, don’t be a macho man”「血を見たくないだろ?無理に強がるなよ。」
“You wanna be tough, better do what you can, so beat it”強くなりたいなら、できることをやれ。だからさっさと逃げろ。」
“Just beat it, beat it, beat it, beat it”「逃げろ、逃げろ、さっさと逃げろ。」

「Beat It」

“Go away!”や “Leave there!”なども「逃げろ」ですが、危険な暴力などからは “Beat it.” という攻撃的な表現の方を使ってでも、そこから逃げるように促したい、とのマイケルジャクソンの思いが伝わってきます。


最後に「負け惜しみを言う人」の英語表現です。

ヒロ: That was my first fight. I-I– Ca-Can I try again? (もう一度やらせて)
ヤマ: No one likes a sore loser, little boy. Go home. (往生際が悪いぞ)

「ベイマックス」

No one likes a sore loser.「往生際が悪いぞ」

sore は「痛い」の他にも He’s sore at her.「彼は彼女に腹を立てている」のように angry や upset と同じ意味があります。

ですから a sore loser は「(負けを認めず)腹を立てている敗北者」で、そこから「負け惜しみを言う人」と言う意味になります。

ただ私は「負け惜しみをいう人」は poor loserbad loser の方が馴染みがありました。そこでどの表現が一番強い(キツイ)表現なのかを、対話型AI で調べてみました。

Poor loser: Less harsh, generally someone who is upset or disappointed by losing but not aggressively so.
Bad loser: More noticeable bad behavior, including complaining, blaming, or acting immaturely.
Sore loser: The most intense term, implying anger, hostility, or resentment toward losing.

「ChatGPT」


Sore loser が最もタチが悪く、poor loser はそんなに態度が悪くない loser(敗北者)で、bad loser はその中間であるということがわかります。

また別のAI リートンでは、

In summary, the order from strongest to least strong is: sore loser > bad loser > poor loser.

「リートン」

と、ChatGPT と同じ結果になりました。

何かに負けた時に good loser でいれるか、 sore loser ( bad loser ) になるのかで、その人の人間性が表れると思います。

good loser というのは、「勝者である相手をたたえる」ことができる人ではないでしょうか。頭ではわかっていても実際負けると、言い訳が先に出てしまうのも人の常だと思います。

でも常に good loser になれるように日頃から心がけたいですね。

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