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【第122回】ディズニー映画「Mr. インクレディブル」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

今回からディズニー映画「Mr. インクレディブル」を取り上げます。

「怪力を持つ元ヒーローのMr.インクレディブルが家族と協力しながら悪を倒し、ヒーローとしての使命と家族の絆を取り戻す物語」です。

主な登場人物は次のとおりです。

1. Mr.インクレディブルボブ・パー)
主人公で、超人的な怪力を持つ元スーパーヒーロー。家族を守るために奮闘する。 本名はボブ。
2. イラスティガールヘレン・パー)
ボブの妻で、体をゴムのように伸ばせる能力を持つ。家族を支える賢く献身的な母親。本名はヘレン。
3. ヴァイオレット・パー
パー家の長女で、強力なバリアを作り出す能力を持つ内向的な少女。
4. ダッシュ・パー
パー家の長男で、超高速で走る能力を持つやんちゃな少年。
5. ジャック・ジャック・パー
パー家の末っ子で、複数のスーパーパワーを秘めた赤ちゃん。
6. エドナ・モード
スーパーヒーローの衣装デザイナー。ユニークな性格で機能的なスーツを作る天才。
7. フロゾンルシアス・ベスト)
ボブの親友で、氷を操る能力を持つ元スーパーヒーロー。
8. シンドロームバディ・パイン)
小さな頃、ボブの熱狂的なファンだった。悪役で、自作のテクノロジーを使って世界を支配しようとする。最初は “バディ“という名で登場し、途中から”シンドローム“に変わる。

出だしの、ボブ(Mr インクレディブル)がインタビューを受けるシーンからスタートです。

Mr. Incredible: Is this on? < マイクを触って > 「入ってる?」
Interviewer: That’s fine. 
Mr. Incredible: I can break through walls, I just can’t… 「こういうのは苦手で… 」
Interviewer: That’s fine.
So, Mr. Incredible, do you have a secret identity? 「世を偲ぶ仮の姿ってあるの?」
Mr. Incredible: Every superhero has a secret identity. I don’t know a single one who doesn’t. Who wants the pressure of being super all the time? 「スーパーヒーローなら誰だって持ってるよ。24時間ヒーローだと疲れるからね」

「Mr. インクレディブル」

Is this on?
スイッチが入ってる状態を”on”、入っていない状態を”off” というので、これが「マイク入ってるの?」という意味になるのはわかりやすいと思います。

これを取り上げたのは、ボブ(Mr インクレディブル)がマイクを触りながら Is this on? と言っていたからです。動作と共に英語を頭にインプットするとびっくりするくらいに定着が深まります。動画で英語を学習する大きなメリットですね。

② So, Mr. Incredible, do you have a secret identity? 「“世を偲ぶ仮の姿”ってあるの?」
identity は訳しづらい語ですが、「正体」や「身元」で通じると思います。ですから secret identity は「秘密の正体」で、その人が持っている普段は見せない隠された身分や役割のことを指します。

この secret identity は、スーパーヒーローやスパイのように、他の人には知られていない全く別の正体を持っている場合に使います。

もう一つ、face を使って He has another face. という言い方もありますが、これは「彼はもう一つ別の顔を持っている」と直訳しても意味が通じます。

でも、 secret identity が“明確な異なった正体”を持っている“のと違って、another face は、“性格的に二面性を持っている”場合に使います。

ですから、another face は「裏の顔を持つ」というのがピッタリですね。このシーンでは、ボブはスーパーヒーローなので、「別の正体」という意味でsecret identity が使われているのです。

③ Who wants the pressure of being super all the time?
「誰がずっと“スーパー”であるという重圧を欲しがるのか?」が直訳ですが、そこから「誰もそんな重圧は欲しがらない」という否定的な意味を表します。

覚えるべき箇所は “Who wants the pressure of …ing? です。…ing の部分を変えることによって「誰も〇〇な重圧なんて望まないよ」と色々な表現が可能になります。

Who wants the pressure of running such a risky company? 「そんなリスクの高い会社を経営する重圧なんて誰も望まないよ



イラスティガール: Settle down? Are you kidding? I’m at the top of my game! I’m right up there with the big dogs! Girls, come on. Leave the saving of the world to the men? I don’t think so. I don’t think so. 「家庭に入れ?私は一流のスーパーヒーローなのよ。男だけに地球をまかせるの?そんなの嫌よ。まっぴら…」

「Mr. インクレディブル」

イラスティガール も Mr. Incredible 同様、スーパーヒーローで、世の中を救うのを男だけに任せたくないという信念を持っています。

Settle down?
settle down は「気持ちが落ち着く」「定住する」という意味ですが、ここでは「家庭に入って身を落ち着かせる」という意味で使われています。

言われてみれば、確かにそんな意味も考えられるのですが、パッとは閃かないのではないでしょうか?

「昨今、結婚して“家庭に入る”のを好まない女性が多い」は次のように表すことができます。

Many women these days don’t like to settle down after marriage.

② I’m at the top of my game!
直訳は「私は、私の試合の頂上にいる」ですが、イマイチわかりません。

言わんとしてるのは、「自分の試合においてトップだ」 = 「一番調子がいい」= 「私は今絶好調だ!」、「今が一番のピークだ!」という意味になります。

この表現はスポーツに限ったことではなく、仕事などでも使えます。「絶好調」って日本語の口語表現でいい表現ですよね。

He hit a home run in five games in a row. He’s at the top of his game.
「彼は5試合連続でホームランを打った。本当に絶好調だ。」

③ I’m right up there with the big dogs!
big dogs はスラングで「大物」「強者」という意味がありますが、それ以外はとても簡単な語句ばかりのセリフです。

でもすぐに意味が頭に入ってきにくい表現ではないでしょうか。

一つずつ使われている語句を見ていきましょう。まず right には「ちょうど」(= exactly) という意味があります。up は「上に」で「高い位置に」です。there は「そこに」ですが、「そこに」というのはbig dogs (大物たち、トップレベルの人たち)のレベル」と言い換えることができます。

それらをまとめると、「私はちょうど、トップレベルの人たちと同じ高いレベルにいる」です。言い換えると、「私はちょうど、トップレベルの人たちと肩を並べている」になります。

When it comes to cooking, he’s right up there with professional chefs. 「料理に関しては、彼はプロのシェフと肩を並べる」

be right up with … で「…と肩を並べる」がピッタリです。簡単な単語ばかりなのに難しいですね…

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