映画「リメンバーミー」の中でおばあさんが連発して言った“命令形” の英語が面白い!
ミゲルが広場でギターを弾こうとしたのをミゲルの祖母が見つけて激怒する場面です。ミゲルに靴磨きをしてもらっていた客にも祖母の怒りが爆発します。
* ( )内は字幕です。また、スペイン語が入ってる箇所は飛ばしています。
祖母: What are you doing here? ( 何してるんだい?)
ミゲル: Um...uh...
祖母: ( 客に向かって) You leave my grandson alone! (孫に手を出すな)
客: Doña, please -- I was just getting a shine. (僕はただ靴磨きを... )
祖母: (ミゲルに向かって) What did he say to you? ( 何された?)
ミゲル: He was just showing me his guitar... (ギターを見せてくれた)
祖母: Shame on you! He wants no part of your music, mariachi! You keep away from him! (恥知らず!用はない。孫に近づくな)
( 客逃げていく)
祖母: ( 落胆して) You know better than to be here in this place! You will come home. Now. (こんな所に来ちゃダメだ。さっさと帰るんだよ)
おばあさんの怒り、恐ろしい... ミゲルには絶対に音楽の道には進ませないという決意の表れでもあるのです。
今回触れたいのは、上のセリフの太字の箇所です。
全て祖母のセリフですが、字幕を見て分かるように「命令形」になっています。
命令形は動詞の原形で始めるというのが英語のルールですが、セリフ内では全て You の主語で始まっています。
これはご存知の方も多いと思いますが、You を強調して命令文になるのです。誰でもない「あなた」が帰ってくるんですよ、という強調が見て取れます。
ですから最初の二つの You leave my grandson alone! と You keep away from him! はまさにYou で始まる典型的な命令形です。
でも祖母の最後のセリフの中の You will come home. はどうでしょうか。You で始まっているので同じなのですが、意思を表すwill が入っています。文脈で「家に帰りなさい」というのは分かると思うのですが、
You will ...
という文が命令形になることがあるというのは知っていたでしょうか?案外知らない人もいるのではないかと思い、今回この表現をピックアップしました。
これは、将来の行動を確実にする意志を表すので、「あなたは帰ってくることになる!」となり、必ず帰ってくることを強く求めている感じが出ます。命令というよりは、予言や約束に近いニュアンスも含まれます。
ですから You will come home! と言われたミゲルは帰る以外に選択肢は無くなってしまいます。祖母はそれほど強い意志でミゲルに音楽とは関わってはいけないと思っていたのです。
もう一つ、最後に祖母が言った “You know better than to ...” の構文についてです。参考書で目にした方もおられると思いますが、意味は「~するほどばかでない」(直訳は「あなたは〜することよりよりよく知っている」)ですが、これも命令口調です。
参考書などで見られる例文は固いものが多いですが、映画で使われている口語調の言い回しを勉強すると定着率も上がるのではないでしょうか。
Thanks for your interest in my article!