“get to …” は「…に到着する」だけでなく、実は応用自在の“使える”熟語なのです。
皆さんはネットサーフィンはされるでしょうか。私はネットサーフィンではなく“Quora サーフィン” を時間がある時によくします。
Quora は世界最大級の質問サイトで、見つけられない回答はないといっていいくらい内容も充実していますし、その回答の正確性も高いものがあります。その分野のプロの方の回答もたくさんあり、ふざけた内容はほぼ皆無です。
日本語版 Quora もありますので、興味がある方は一度サイトを訪れてみて下さい。
なぜこの Quora の話しをしたかといいますと、先日 Quora サーフィンをしていた時、 “get to me” の意味を問う質問を見つけました。
“get to ...” は「...に到着する」という熟語で、次のような文をよく見たことがあるのではないでしょうか。
When I got to the station, the train had already left.
( 私が駅に着いた時、列車はすでに出発していた )
では、“get to” を使った次の文の意味を考えて見ましょう。
The heat is getting to me.
「熱(暑さ)が私に到着している??」ー これでは意味が全く通じません。
と言いたいところですが、その訳でいいのです。ただ付け加える言葉があるのです。それは「心に」です。
ここで、私が Quoraサーフィンで見つけた “get to me” には、次のような意味が書かれていました。
( “Get to me” は、"私 "の中に、通常は怒りや悲しみといった感情を呼び起こすことを意味する。)
「これは面白い!」ですね。get to ...は「到着する」ですが、「心に到着する」のです。しかもネガティブな感情が・・・
get to ... を場所という物理的なものを表す表現としかとらえていないと、get to + (人)という発想はまず出てきません。
こう考えると英語って頭を柔らかくしておく必要があると思いませんか?パズルみたいです。
「心に到達する」なんて本当にユニークですよね。英語の面白さを肌で感じてしまいます。
The heat is getting to me. の意味は、
「暑さが応える」や「暑さに参っている」
というネガティブな意味になるのです。
暑さだけでなく、騒音、ストレス、批判などが人の感情に負の影響を及ぼすとき、それらは “get to me” と表現されるのです。
ですから、世の中にあるイライラさせるものは get to で表せるいうふうに考えると、get to って「到着する」を大きく飛び越えて、応用自在の表現だと思いませんか?
次の例文は get to me / you を使った文ですが、湧き上がる負の感情を感じ取って下さい。
The crowd is getting to me.
( 人混みにイライラしてきた )
He gets to me.
( 彼は癪(しゃく)に障る人だ )
The wine is getting to me.
( ワイン(の酔い)が回ってきた )
Don’t let it get to you.
( あまり深く考えるなよ )
⇨ 直訳は「それであなたをイライラさせないで」で、嫌なことがあった時に相手を励ます時に使います。
“get to” は irritate (イライラさせる)に置き換えて、He irritates me. や The crowd is irritating me. などということも可能ですが、irritate のようなある意味 big word を使わなくても get to で十分なので、どんどん使っていきたいですね。
Thanks for your interest in my article.