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ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート56】

イカリ: Uh-oh. She’s looking at us. Uh, what did she say?「おっとままだ。問題は?」
ビビリ: What? Oh! Sorry, sir. No one was listening.「すみません。試合に集中を」
イカリ: Is it garbage night? We left the toilet seat up? 「ゴミ出し?便座の件?」

「インサイドヘッド」

Is it garbage night? We left the toilet seat up?「ゴミ出し?便座の件?」

食事中にライリーの母親の表情が曇ったのをみて、イカリはその理由を推測している場面です。

このイカリのセリフは、英語の表現ではなく、ちょっとした異文化について考えることができると思ったので取り上げてみました。

まず「ゴミ出し」。これは、ゴミ出しを忘れたというのは日本でも夫婦間の揉め事の一つになり得ますよね。

次に「トイレ」。このイカリのセリフだと、アメリカは便座(toilet seat) をあげっぱなして出るとひんしゅくをかうみたいですね。

日本でも便座の閉め忘れによる夫婦間の揉め事はあるかもしれませんが、私はあまり聞いたことがありません。

日本は…「男性も座って用を足す ( sit down to pee )」ではないでしょうか。それを守らずにトイレを汚したら…夫婦の揉め事に発展する可能性が大いにあります。

あと使用後のトイレの電気の消し忘れもありそうですね。

個人的にこう言った日常に潜む異文化理解に興味があるので、またこの “toilet issue” について海外の方に聞いてみたいですね。

海外の方々と話す時には文化の違いについて話すのが、話が盛り上がる一つのやり方です。

ポイントは「文化の違いを心から楽しむこと」です。



ビビリ: Sir, she just rolled her eyes at us. 「反抗的です」
イカリ: What is her deal? 「何があった?」

「インサイドヘッド」

父親から学校のことを聞かれて、ますますライリーが不機嫌になる シーンです。

① Sir, she just rolled her eyes at us.「反抗的です」
roll” は「転がす」なので、直訳は「彼女は私たちに対して目を転がした」です。「目を転がす」とは「目をくるっと回した」です。

その目を回すという行為は、「呆れた」時に見せる行為です。

このシーンでもライリーは目をクルリと回すことで ( roll her eyes ) 、親に対して「もうウンザリ!」との意思表示をしたのです。

「百聞は一見にしかず」で一度このシーンを見ていただければ、イメージがすぐに掴めて、この roll one’e eyes が頭の中に定着していくと思います。

What is her deal? 「何があった?」
相手の態度や行動が不思議に思われるときに使われる表現。「彼女どうしちゃったの?」です。

deal は「取り引き」で、直訳は「彼女の取引は何?」ですが、「何この意味?」と思われるかもしれませんが、この直訳でも言いたいことを表しています。

「取り引き」というのは、相手との駆け引きの中で、いろいろと考えを巡らせるものですが、それと同じことを彼女にもやっているのです。「一体どうしたんだろう、何があったんだろう!?」とですね。

ですからこの表現は、ある人の理解しにくい言動の裏にある理由はなんだろうか、と推測しているのです。



ビビリ: The foot is down! The foot is down! 「いいぞ。父親の威厳を示した
イカリ: Good job, gentlemen.「ご苦労」

「インサイドヘッド」

父親に叱責されたライリーが食卓を飛び出すシーンです。

The foot is down.「決定は下された」
「足(foot) が下に(down)」ですが、これは、足を地面にしっかり置いてブレないことから、決定や立場が安定して変わらない、すなわち、「決定は下されたんだよ」と言う意味で、ここでは使われています。

He put his foot down. が一般的に使われることが多いです。

でも特筆すべきは字幕です。父親が娘のライリーの反抗的な態度に断固たる対応をしたのを「(断固たる)決定を下した」⇨「父親の威厳を示した」です。この字幕、凄すぎてなんて言っていいかわかりません。


ジョイ: Oh, Sadness, we don’t have time for this. We’ll just have to go around. Take the scenic route.「カナシミ、時間がないの。回り道して観光ルートといこう」

「インサイドヘッド」

司令室から外へ吸い出されてしまったヨロコビとカナシミは、司令室に戻ろうとしますが、カナシミが気を失って倒れるシーンです。

We’ll just have to go around.「迂回して」
「…の周りを回る」ですが、そこから「回り道をする」と言う意味が出てきます。

“I’ll go around because there are too many cars here.”「ここは車が多すぎるので、回り道をしよう」

「回り道をする」とは “take a detour” と言います。

語句が難しいのは take a detour の方ですが、ある意味 go around の方が難しいとも言えます。

なぜなら、go around は意味がいろいろあり、文脈に合わせて意味をとる必要があるのに対して、take a detour は「遠回りをする」一択だからです。

簡単な語で成り立っている言い回しほどその意味が難しいことが多々あるように思えます。

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