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姫になれなかった私

 私は姫になれなかった。
それどころか、家の中での厄介者であり、汚れだ。

私は儚いお姫様になりたかったのに。
いつからこんな風になってしまったの。


閉鎖病棟から退院して約2ヶ月が経ち、
あれからというもの死なずに生きている。

体重さえ増えなければ、メンタルは安定している。あとは、家族と揉めることがなければ、、。

相変わらず過食嘔吐は続いている。
誰かがコンタクトレンズを入れて生活するのが当たり前のように、私も食べたら胃にチューブを入れて吐くことは当たり前なのだ。たとえクッキー1枚だとしても、それを吸収することが怖い。

4月は、同級生が大学へ行き、浪人した私だけが取り残されていくような気持ちになり、最低体重まで落ちた。
でもそれが嬉しいのは、きっと病気だから。

5月になり、仕事を始めて体重増加。
吸収しないと動けない。
悔しいけど、食べた。

でもやっぱり太った自分を鏡で見ることが地獄だった。

アパレル店員は、歩くマネキンだと。
本社の偉い人は細い子が好きだと。

私に追い討ちをかける言葉がのしかかった。

増加した分減らしてメンタルが安定した今、
やっぱりこの病気の先には死ぬことしかないのかと
少し絶望している。

治したいんじゃない。
拒食に戻りたい。
そして姫になりたいの。