こんなふうに芝生に寝そべってみたかった!『ルラルさんのにわ』――絵本を思い出すところ#22
絵本の中の風景へ想いを巡らすとき、それを手にした幼い頃の記憶もまた、絵本の思い出の一部になっていく――そんな「絵本を思い出すところ」を編集者とカメラマンが探していきます。
ふと、奥に目をやる。
ここは、誰の「にわ」だろう?
綺麗に手入れされた、緑の芝生。
まるで、大好きな絵本
「ルラルさんのにわ」みたい。
どこまでも続くような緑のじゅうたん。
自慢げなルラルさんの顔が目に浮かぶ。
じょうろで水を、じゃあじゃあ。
緑がきらきらと輝く。
こんなふうに、ルラルさんみたいに
芝生に寝そべってみたかった!
ちくちくの
ほんとうに、きもちのいいこと!
みんながやってくる、
あこがれの「ルラルさんのにわ」。
いつか行ってみたいな。
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『ルラルさんのにわ』 作/いとうひろし
ルラルさんは、毎日庭の芝生のお手入れを欠かしません。庭に誰か入ってこようものなら、得意のパチンコで追い払います。ある日、ワニが芝生の上で寝そべっていました。びっくりしたルラルさんに、ワニは手招きしてこう言いました。「ここに ねそべってみなよ。きもちいいぜ。」
いとうひろしさんの大人気シリーズ1作目。今ではすっかり優しいルラルさんですが、最初は少し気難しいところもあったのか、となんだか親近感も湧いてきます。のびのびした空気感が心地よく、読んでいるだけで幸せな気持ちになる作品です。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/2250004.html
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(文・編集/齋藤侑太 写真/白井晴幸)
ポプラ社 齋藤侑太
1985年、茨城県生まれ。2012年、ポプラ社入社。営業職、社内デザイナー、幼児向け書籍の編集を経て、2020年から絵本の編集を中心に担当。
白井晴幸
東京都生まれ。2010年、多摩美術大学卒。作家として活動する傍らカメラマンとして本の装丁や風景、建築などを撮影している。≪Website≫
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