児童書を使って、大人が本気の自由研究をやってみた。
小さいころはビッグイベントだった長い夏休み、大人になると一瞬で終わってしまう、そんな感じがしませんか? 「大人だって気分だけでも夏休みを味わいたい!」「なら、児童書で自由研究してみない?」と編集部員3人が日々携わっている「児童書」で、ガチの自由研究をしてみました。
自由研究その(1)「とうもろこしを徹底解剖!」
ひとつめの自由研究は、絵本『とうもろこしぬぐぞう』を使ってリアルとうもろこしを徹底的に解剖してみます。
この絵本、ぬぐぞうさんが葉っぱの服をばりばりっと脱ぎ、ひげをぶちっと抜いていく、見ているだけで真似したくなる痛快にきもちいい絵本なんです。
そういえば、実家の母が言っていました。「とうもろこしは無駄なところがひとつもない。芯から出汁も取れるし、ひげまで全部使える」って。そして後輩も言っていました。「おばあちゃんがよく、葉っぱに梅干しを入れてチューチュー吸っていました」と。
ならば! と一念発起し、私もよく聞いていた「ひげと実の数が同じ?」という噂を検証しようと、葉っぱつきのとうもろこしを買いにスーパーへ走りました。
なかなか立派な服を着たぬぐぞうさんを購入!
出荷前に取られた葉っぱもあるかもしれませんが、葉は全部で8枚! 内側に行くにつれ、肌襦袢(はだじゅばん)のような薄さと明るさなり、まるで着物のよう。
実が出できましたよ。つややかな緑のひげは、お人形の髪の毛みたいです。天使の輪まであります。
はだかんぼうにしました。では、ひげを数えていきましょう!
10本単位でひたすらに数えます。すみません、ちょっと気が遠くなってきました。数えること数十分。ひげの数、全部で656本!
こんどは実の数です。以前茹でたものを数えようとしたらうまく取れず失敗したので、今回は生の状態で挑戦!
お、終わった。。。実の数、628個。あれ? ひげの本数より少ないですね。
もしかしたら、根が一つで枝分かれしているひげが多くあったので、途中で多めに数えてしまったのかもしれません。本来実とひげの数は同じで、実(み)は2つ一組で花を咲かせるらしく、必ず偶数あるそうです!
いい写真も撮れたし、すでに収穫有りなのですが、よく洗った実とひげをさらに活用するのが大人の自由研究!
芯と実と出汁粉末を入れて炊飯器で炊けば、とうもろこしご飯のできあがり!
できたー!
お次はひげの天ぷら。片栗粉をまぶして、さっと揚げて塩をパパっと振れば、パリシュワ~ 新食感! うまい!! あと必要なのは、ビール!!! お疲れ様でした!
自由研究まとめ
(文:小堺加奈子)
自由研究その(2)「まるで地球!? BIGサイズなバスボム作りに挑戦!」
次は、こちらの『てづくりバスボムキット』を使った自由研究にチャレンジします。小学生の頃、ブクブク泡が出てくるのが楽しくて大好きだったバスボム。お湯の中であっという間に消えていく様子を眺めながら、「もう終わっちゃった…」なんて思っていました。
ならば、今回は「大人の」自由研究ということで BIGサイズなバスボムを作ってみたい!それなら思う存分に泡を楽しめるはず。そして更にスケール大きく、青&緑のマーブル模様にして、地球みたいなバスボムにしちゃおう!!
ということで、夢の詰まった「地球バスボム」を手作りしていきます!
****
バスボム作りスタート! 地球誕生(?)に立ち会う前に、まずは練習として試作品づくりから。キットに入っている重曹・クエン酸・着色料に、水を加えて、バスボムの素を準備します。
▲ 材料を混ぜたら、型の中に入れます。
崩れてしまわないか、球が半分に割れてしまわないか、ドキドキしながらゆっくり型を外すと・・・
▲ できた!!いきなり大成功~!
無事に可愛いバスボムが誕生しました!制作時間は10分程度。思っていたよりも簡単!たくさん作りたくなっちゃいます。
流れが分かったところで、ここからが本番!
試作品で使ったキット付属の型では小さいので、自宅にあった別の器を使うことにしました。そして、半球型に固めたバスボムを2つ作成し、合体させて地球の形にする作戦をとります。材料を全部投入すれば、この試作品の倍くらい大きいバスボムが作れそう!!
調べてみると、地球全体の約3割が陸、7割が海とのこと。何となくそれに合わせて計量し、2色のバスボムの素を用意しました!
▲ 3:7ではないけど、青が多め!(雑)
緑と青が完全に混ざり合ってしまうとマーブル柄が消えてしまうので、絶妙な混ぜ加減をキープしながら、器にバスボムの素を流し込みます。
▲ 2色を交互に入れてマーブル柄に。
そしていよいよ、半分ずつ固めた地球を器から取り出し、一つに合体させたいと思います。地球誕生の瞬間、いけ~~~!!
▲ あ――っ!!崩れた―――!!!
なんと!まさかの合体失敗………(涙)器から出すときにモロモロと崩れ始めたバスボムは、合体させる前に粉々になってしまいました…
▲ 粉々のバスボム。ビッグバンっぽい…?
おそらく、通常より多めのバスボムの素を使ってマーブル柄を再現したことで、作業時間が長くなり、バスボムの素が乾燥してしまったのが崩壊の原因と思われます。
少し水を加えてみたものの、一度崩れたバスボムがうまく固まることはありませんでした。もうちょっとで地球だったのになあ。トホホ…
****
簡単に地球を誕生させようだなんて無茶な試みでした。試作品は上手く完成したのに…何事も初回で成功したからって甘く見てはいけませんね。
せめて後片付けはしっかりやろう!用具を台所のシンクへ運び水で洗うと、バスボムが反応して泡が出てきました。そして洗い終えると…シンクのステンレスが何だかピカピカに!(急にテンションUP)キッチン周りの汚れをバスボムの泡が落としてくれたようです!!ラッキ――!!
そんなこんなで、手作りバスボムの失敗作をご紹介してしまいましたが、これからバスボム作りに挑戦してみたい方、どうかご安心ください。試作品はちゃんと成功しましたので、この夏に是非トライしてみて下さいね!
手作りって、失敗しても成功しても楽しいな。
バスボム作り、またリベンジしたいと思います!
【自由研究のまとめ】
(文:長谷川舞)
自由研究その(3)「キラキラ万華鏡 in キッチン⁉」
最後は、自由研究にぴったりな「キラキラ万華鏡キット」を使って、テレワークの合間に、自宅のキッチンでオリジナル万華鏡づくりにチャレンジします。
まずはシンプルにオーソドックスな万華鏡を堪能しましょう。万華鏡をつくるなんて、何年ぶりかしら。と言うか、生まれて初めてだと思います、万華鏡づくり。英語だとカレイドスコープですね。
このキット、至れり尽くせりといった感じで、ビーズやスパンコール、ホログラムシートまで入ってますから、一箱で、さまざまな万華鏡を楽しめます。作り方が載った冊子を読みながら、さっそく作ってみましょう。レッツ万華GO!
自分で用意するのは、セロハンテープ、ハサミ、糊だけという親切設計。カップ焼きそばの湯切りすら失敗してしまう不器用な私でも、あっという間に組みたてられてしまいました。
やったー! 完成だ!
付属のビーズとスパンコールをプラスチック部分に適量入れて、穴を覗いてみるとそこには……。
きゃー! こんなに綺麗な光景が!
生まれて初めて万華鏡を作りましたが、こんなに上手く出来るものなんですね。くるくる回すたびに、模様がどんどん変わってきます。こりゃあ、いつまでも見ていられますね。昼から万華鏡を覗いて気づいたら夕方なんて話も……。
このキットが素晴らしいのは、ホログラムシートや「おもしろシート」というオプションがついているので、自分なりにアレンジを加えて、いろんな模様が作り出せるところなんです。
しかし、本当にすごいのは、実はここから……。先についているプラスチックの筒の蓋を外して、そこに身の回りにある物を入れれば、ほぼ無限に異なる万華鏡を生み出すことが出来るのだ! アツい!!
例えば、その辺に転がってた輪ゴム。ちょっと色気を出して、カラフルなものを選んでみました。これをセットして覗くと……。
美しい……! これが、適当にかき集めた輪ゴムとは! 「大切なのは何を見るかではなく、どう見るかだ」と言っていたのは誰でしたっけ? twitterのタイムラインに適当に流れてきたんだっけ?
さて、私は今、家のダイニングテーブルでテレワークをしています。この部屋のキッチンには万華鏡の可能性を広げる物が沢山あるに違いない。
まずは、乾燥わけぎです。これが、どう見えるかというと……。
うわー! 想像以上に綺麗! わけぎの緑色が、ブルーライトを浴びた目に沁みます。
次は、乾燥小エビ。私は主に、お好み焼きに入れたりして使いますね。
おおー! しっかり「小エビらしさ」も残しつつ、普段とは違った表情を見せてくれていますね。素晴らしい!
次は、八角。甘い独特な香りが、私は好きですね。ブタの角煮が食べたくなります。
さすが! 色合いはシックですが、独特の形状がしっかり主張しています。万華鏡の世界は色彩だけにあらず。
最後は、輪切り唐辛子。鮮やかな赤色に期待!
なるほどー! 思った程のインパクトはありませんが、くるくる回すたびに異なる模様を見せてくれます。輪切りのポテンシャルを感じますね。
以上、キッチンで楽しむ万華鏡づくりのレポートでした!
みなさんも是非やってみてくださいね!
(万華鏡に使用した薬味は、中華料理に使わせていただきました)
【自由研究のまとめ】
(文・齋藤侑太)