もっともっと、この絵本の魅力に気づいてほしい! 「アニマルバス」シリーズをプレゼンします
2017年に1巻目が刊行され、1年に1冊ずつ、5巻目まで刊行された絵本「アニマルバス」シリーズ。
動物でもあり乗りものでもあるふしぎな生きもの、「アニマルバス」の仲間たちが、一人前のバスになるため奮闘する、愉快で心あたたまるお話です。
新刊を出すたび、何100通ものおたよりが子どもたちから届きますし、この8月発売の5巻目『アニマルバスとくものうえ』をもって、なんとシリーズ累計12万部を突破!!! かなり人気のシリーズなのです。
で・す・が!!
この絵本のポテンシャルは、そんなもんじゃないだろうと、担当編集者としては思うわけです。
もちろん、100万部突破したい!みたいな数の話をしているわけではなく(もちろんもちろん、ミリオンセラーは編集者としては憧れますが)、「アニマルバス」シリーズは本当にかわいくて、面白くて、魅力がたーーーっぷり詰まった絵本だと思うからこそ、まだこの絵本を知らない人たちにも、この魅力に気づいてほしい! この絵本を手にとって、楽しんでほしい! と思うのです。
ということで、「アニマルバス」シリーズのプレゼンに、3分ください!!(もう30秒くらい使っちゃった…!?)
【「アニマルバス」シリーズとは】「しずくちゃん」や「おじぱん」を生み出した株式会社クーリアによって制作され、ショートアニメにもなったキャラクター「ゆかいなアニマルバス」の絵本シリーズ。絵は、キャラクターの生みの親である、こてらしほさん。2作目からは、あさのますみさんが文章担当として加わり、お話の世界を広げてくださっています。
ぶん あさのますみ
1977年、秋田県生まれ。「おひさま」(小学館)主催第13回おひさま大賞の童話部門最優秀賞を受賞。作品に、『ちいさなボタン、プッチ』『はるってどんなもの?』(小学館)、『トイレこちゃん』(ポプラ社)などがある。また、浅野真澄の名前で声優としても活躍、多数の出演作をもつ。
え こてらしほ
1991 年、富山県生まれ。2013 年に株式会社クーリアに入社し、ステーショナリーやファンシーグッズ等のデザインを手がける。2014 年、スケッチブックの隅に描いた「パンダバス」のらくがきが原案となり「ゆかいなアニマルバス」を生み出す。
1.キャラクターがキュートすぎる!
一番にお伝えしたいのは、なんといっても、このなんとも言えない"ゆるかわ”なキャラクターの魅力。フォルムのかわいさについては一目瞭然だと思うので割愛しますが、性格や口癖もそれぞれ違って、思わず推しキャラをつくって応援したくなってしまいます。
あと、この場を借りてぜひご説明したいのが、皆さん気になっていらっしゃるだろう”運転士さん”について。
社内外問わず、初見の方には「どうなってるの?」「主体はどっちなの!?」とツッコまれるのですが……。主体はバス本体の方で、決してアニマルバスは運転士さんに操縦されて動いているわけではありません。それははっきりしております。
彼らはバス本体とは別個の存在として働く「お世話係」のようなもの。体を洗ったり、燃料を補給(食事)したりという、バスたちがひとりではできないことのお手伝いをしています。
バスとは同じガレージに住んでいて、絵本に登場するバスのお部屋には、必ず運転士さんのスペースもあるんです!!
最初はハテナ?と思う運転士さんですが、見れば見るほどクセになります。それはもう、運転士さんがいないと、アニマルバスじゃない!と思うほど。
実際、アニマルバスのイラストを描いて送ってくれる子どもたちは、必ず「運転士さんあり」で描いてくれます。100%です。
運転士さんに注目すると、絵本ももっともっと楽しくなるかもしれません!
2.描き込みが楽しすぎる!
キャラクター以外の絵も楽しすぎるというのも、「アニマルバス」シリーズの大きな魅力です。
なんと言っても、細部がすごい!! 絵のこてらしほさんが、細部まで本当にこだわりを持って描き込んでくださっていて、見れば見るほど新たな発見があるのです。
あと、本当に食べ物が美味しそうで、アイデアも豊富。この『アニマルバスとパンやさん』の見返しの絵をいただいたときに、『パンやさん』のヒットを確信したと言っても過言ではありません。
私などは、こてらさんから絵をいただくたびに「こんなところまで!」「可愛すぎる!」「天才すぎる!!」と大騒ぎし、何度も校正を経た校了間際になって、今まで気がついていなかったさらなる”絵の小ネタ”を発見して脱帽する……ということを繰り返しています。
校了間際に一番「うわああぁぁぁ!!」となったのは、4巻『アニマルバスとたんじょうび』の中の雑貨屋さんに、4巻発売時に開催していたプレゼントキャンペーンで当たるおえかき帳が並んでいたこと! サービス精神がすごい!!
はぐれもののバス、「タヌー」を探すのも、ファンの間ではお決まりです。
大人が絵本を読むと、どうしてもお話(文字)を読んでから→絵を眺めて……となりがちですが、読み聞かせをしてもらう子どもたちは、お話は耳で聞きながら、絵を本当にじっくりと見ているもの。
そういう絵本らしい楽しまれ方に、この本は本当にぴったりなのです。
3.ぐっとくるお話に、共感の声続々!
ここまで、「アニマルバス」シリーズのキャラクターや絵の魅力についてプレゼンしてきましたが、ただかわいいキャラクターは世に溢れかえっているこのご時世。やはりキャラクターの魅力だけでは、なかなか読者の子どもたちの心を掴むことはできません。
1巻目の『アニマルバスとわすれもの』を刊行したあとに、どうやってお話を続けていこう…と頭を悩ませた私たちに手を差し伸べてくれたのが、あさのますみさんでした。
「パンやさん」「よるのもり」「たんじょうび」「くものうえ」、2巻目以降のラインナップは、テーマから全て、あさのさんのご提案。「その手があったか!」「それは絶対に面白い&かわいい!」と思わず膝を打つご提案をたくさんいただき、アニマルバスたちが輝ける舞台を、どんどん広げていただきました。
シリーズの巻を重ねるごとに、また全然違うシーン、違う舞台が待っているというのは、とってもわくわくすることですよね。今後もどんどん違うシチュエーション、ロケーションが登場する予定です!
また、読者の子どもたちからのおたよりで多いのが、バスたちの頑張りを応援する声です。
「暗いところが苦手」「くねくね道が走れない」「得意なことがない」など何かしらの弱点を、アニマルバスたちが克服していく過程をお話の中に入れる、というのは毎回意識していただいている点。
それを克服する過程で、バスたちが力を合わせて、村の人たちの役に立とうと奮闘するけなげな姿は、子どもはもちろん、大人の胸も打ちます。
「がんばったね」「えらかったね」とつたない文字で書かれたおたよりを受け取るのは、絵本のお話が子どもたちに届いていることを実感できる、とても嬉しい瞬間です!
ついつい熱が入って長~くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
「アニマルバス」シリーズの魅力がちょっとでも伝わっていたら。そして少しでも「読んでみたいな!」と思っていただけていたら、幸いです。
読めばあなたも、アニマルバスたちを応援したくなること、間違いなし!!
(文・ポプラ社 編集担当 富川いず美)
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