【特別企画】本でちょっとブレイク。雨の日がちょっとだけ好きになる編集者おすすめの1冊
今年も雨の季節がやってきましたね。関東も梅雨入りです。年中雨が降る日はあるのに、梅雨となると何だか気持ちもジメっとしがちじゃありませんか?そんな雨の日は、本を読んでお気に入りの飲み物と一緒にホッと一息つくのもおすすめです。雨の日が好きなるような1冊をご紹介します!
***小堺加奈子のおすすめする1冊***
雨の日 傘の気持ちになってみる絵本!
『ぼくはかさ』(せなけいこ/作・絵)
ぼくは かさ。
たろうちゃんのおきにいりのかさだよ。
だけど、このごろたろうちゃんは、おばけにばかりむちゅう。
そうだ、ぼくも「かさばけ」になろう!
という哀愁漂うはじまり方のこの絵本。
たろうちゃんの関心がおばけにうつってしまったため、
自分も傘化けになろうと、おばけの世界に行くお話なのです。
好きな相手を振り向かせるため、そこまでして!?
と思いますが、
面白いのは、たろうちゃんが傘に顔を描いたり、
おばけたちが傘化け風に目のふちや手をつけたりする場面。
みんな、傘にやさしいんです。
私は胸が痛みました。
そう、我が家にもある、汚れてしまったビニール傘。
わわ、、、うらめしそうな雰囲気を漂わせています。
なら、生まれ変わってもらいましょう!
ばあ!
なんか嬉しそう!
大人の私でも勇気さえ持てば、
ちょっとそこまでのお買い物に、ありかも! なしかも!?
ものは大切にしなくちゃいけませんね。
傘の気持ちになって迎える雨の日が、
ちょっと楽しみになりました。
***長谷川舞のおすすめする一冊***
カエルたちの大合唱、その迫力を感じてみよう!
『あまがえる先生 まよなかのびっくりコンサート』
(まつおか たつひで/作・絵)
どんよりとした気持ちになりがちの雨の季節も、カエルたちは元気いっぱい!ここで一冊、カエルが登場する楽しい絵本を紹介します。この本ではなんと、カエルたちが繰り広げる“コンサート”へ、あまがえる先生があなたをご招待!
あまがえる先生が住んでいるのは、池の中の研究所。魚、虫、植物など、いろんな生き物と一緒に暮らしています。時には、ホタルをペロリと飲み込んで、こんな風にお腹を光らせちゃうことも…!笑
そして夜になると…研究所の周りに、カエルがぞくぞくと集まってきました!ページ一面に、かえるがこーんなにいっぱい!!一体何匹いるんでしょう!?(※カエルが苦手な方、若干注意です…!)
そしてカエルたちは、大きな声で歌い始めます。いよいよ、コンサートの始まりです!これは、モリアオガエルという種類のカエル。大きなカエルも小さなカエルも、みんなで元気に大合唱~!
生き物の暮らしに目を向ければ、いつもの雨も違って見えるはず。雨の日はこの本を開いて自然に触れながら、あまがえる先生と一緒にカエルのコンサートを嗜んでみませんか?
***杉本文香のおすすめする1冊***
あらしの夜に巻き起こる、かわいくてドキドキのミステリー!
『動物探偵ミア あらしの夜のミステリー』
(ダイアナ・キンプトン・作/花珠・絵/武富博子・訳)
なんだか気分もじっとり落ち込む雨の日には、こんなかわいい読みものはいかがでしょうか?
ミアは魔法のペンダントで動物とお話ができる女の子。大叔母さんの飼っている、オウムのプラトン、テリア犬のヒルトンと、島に住む4匹の猫たちと動物探偵団として、島で起こる事件を解決しています。
▲動物探偵団のメンバーがどの子も個性的でとってもかわいいんです!
今回のお話はものすごい嵐のシーンから始まります。
うひゃ~~すごい嵐です!ヒルトンの顔を見てください!
ものすごい強風を顔面で受けてますね……。みんな飛ばされちゃいそうなくらいの嵐で、冒頭からドキドキが止まりません!
そんな嵐の中、倒れた木の下で出会ったのは1匹の見知らぬ猫。オレンジ色の猫は言います。「頭の上にドシーンって、木がたおれてきて……、なんにも思い出せなくなっちゃったんだ。---自分の名前もわからないんだよ!」
なんとこの猫、記憶喪失になったうえに、迷子になってしまったんです!!なんだかかわいそう・・・・・・。と、同情したのもつかの間。
この猫がなかなかのいたずらっこ!!なめる、こぼす、あばれる、ぬすむ、のぞく・・・・・・興味のおもむくまま、やりたい放題の猫に振り回されるミアたち。
……!!ピザをとろうとしてる猫。悪い顔、してますね~~~(笑)
でも、なんだか憎めないこの猫。いったい、どこの誰なのか?そして動物探偵団はこの子の飼い主を見つけられるのでしょうか??
雨の日にドキドキしながら読める、猫や動物好きの方にも、ぜひおすすめの1冊です!
***小櫻浩子のおすすめする1冊***
雨の日はかえるのうたに耳をすまして
『せかいかえるかいぎ』
(近藤薫美子/作・絵)
しとしと雨降り、ケロケロ、ゲロゲロ、クワックワッ
雨のうたに重なってきこえてくるのは、かえるたちのうた。
さて、かえるたちが歌っているのはどんな歌?
ということで、かえるの季節にぴったりなおすすめ絵本はこれ。
近藤薫美子さんの『せかいかえるかいぎ』!
どうやらかえるたちの歌は「せかいかえるかいぎがあるんだって」というおしゃべりのようです。
「せかいかえるかいぎって、どんなかいぎ?」
「いってみよう! いってみよう!」
と、絵本の中で何百匹ものかえるがぎっしり集まって、ケロケロ、ケケケケ、めちゃくちゃにぎやかに(うるさいくらいに!)おしゃべりをはじめます。
登場するのは、実際に世界に生息する(生息していた)かえるたち。
思わず笑えるお話といっしょに、「このかえる、知ってる!」と絵から見つける楽しさも味わえます。
さて、かえるたちのかいぎはどんなかいぎだったのかって? それは、ぜひ読んでたしかめていただけたら!(カバーの裏にもとっておきのしかけあり!)
ここでちょっとまじめな話。
かえるたちの生息は、その水辺の生物多様性を評価する指標にもなります。もし田んぼや池からかえるたちの鳴き声が聞こえなくなったら……?
たくさんの方がかえるに興味を持って(好きにならなくても)、そして豊かな自然とともにあるひとの暮らしを考える。そんな社会になったらいいな、と、わたしも自分の毎日をふりかえって思うのです。雨の日は身近な環境のことを考える日にしようかな。
***高林淳一のおすすめする1冊***
『トムと3時の小人』
(たかどのほうこ・作/平澤朋子・絵)
雨の日の過ごし方にもいろいろありますが、やっぱり家の中で大好きな飲みものとスイーツを用意して、雨音をBGMに読書を楽しむというのは、格別な時間です。
そんな雨の日の読書にぴったりな作品を紹介させていただきます。
まず、この表紙。このお話は、主人公の「つとむ」くんと、つとむくんの持っている本との出会いからはじまります。その本のタイトルこそ、「トムと3時の小人(下)」、そう、この作品のタイトルといっしょなのです。
この話は、主人公の「つとむ」くんの世界と、作中の本「トムと3時の小人」の少年「トム」の世界からなる、「出会い」と「ファンタジー」をテーマにした作品です。主人公と本との出会いから、3時の小人の秘密、そして「トムと3時の小人(下)」の下巻に隠された意味とは……、読み進めるうちにつぎつぎと引き込まれる読書の楽しみがいっぱい詰まった一冊です。
そして、読み終えたときには、きっとこの作品の作者に想いを馳せることになるでしょう。
自分が子どもだったら、絶対に読みたいと思える作品です。そして、きっといつ読み返しても、本を読む楽しさを想いださせてくれるマイルストーンのような作品だと思います。
この作品は、「GO!GO!ブックス」シリーズの一冊で、全ページ平澤朋子さんのカラーイラストで楽しめます。これからひとり読みを始めようという読者にもピッタリな1冊です。是非、雨の日のお供に読んでみてはいかがでしょうか。
▲3時に読んでみたら、もしかしたら現れるかも……。
***上野萌のおすすめする1冊***
雨の日が楽しみになる工作を!
『1ねんきせつの こうさくあそび』
(まるばやしさわこ/著)
雨の日、雨にまつわるお話を読むのも素敵ですが、ちょっと趣向を変えて雨を楽しんじゃう工作をするなんて、どうですか?
おすすめするのは、春・夏・秋・冬、それぞれの季節ごとに楽しめる工作を紹介した、その名も『1ねんきせつの こうさくあそび』!
この本の推しポイントは、とにかく、できあがりがおしゃれ!!! なんです。どれもとっても簡単に作れるのに、できあがりの完成度が高くてかわいい! なので部屋の中に飾ったり、写真に収めたくなります!
たとえば、雨の日の工作はこんな感じです。
傘や長靴に自分で絵を描いて、楽しんじゃおう! というアイディア。傘に自分で絵を描くって、子どものころ憧れませんでしたか?
シールを貼ってもOK! 絵を描くのは得意じゃない…という方でも、真似のしやすい簡単なお手本なのもポイント。
そしてそして、雨は関係ないけど紹介したい、私のイチオシはこちら!
このスイーツのようなもの、実はせっけんでできているんです!
材料はせっけんと、お水と、絵の具だけ。泡だて器でまぜまぜ♪
いろんな色でトッピングをすれば、おいしそうなスイーツのできあがり。
とってもかんたんなのでおすすめです!
これからの夏にぴったりのアイディアも入っていますよ。
読書の合間の工作あそびに、ぜひ~!
~番外編~
***齋藤侑太のおすすめする1冊***
雨の日のお家で、じっくり遊べるアイテムです!
『ブロックでまなべる! はじめてのプログラミング プレプロ』
(監修/株式会社アーテック)
雨の日は、外で遊べなくて残念だけど、気持ちを切り替えてお家遊びを楽しみましょう!☔
番外編ということで、お話の本ではないけれど、編集者イチオシのお家遊びアイテムをご紹介させてください。
2020年から小学校で必修化となり、ますます注目を集めている「プログラミング教育」を、パズルやゲームで遊びながら体験することができちゃうのが、『ブロックでまなべる! はじめてのプログラミング プレプロ』です。
全国でプログラミング教室を展開している、株式会社アーテックさんとがっつり共同開発させていただいたこのキット、なんと言っても一番の特徴は、パソコンやスマホを使わずに「プログラミング」が学べてしまうということ。
え、どういうこと? プログラミングって、なんだか難しそうだし、パソコンが無いとダメなんじゃないの?
いえいえ、実は小学校で必修化になったプログラミング教育も、実は「物事を論理的に、トライ&エラーしながら、効率的に進めるにはどうすれば良いのか? を考える力」、つまり「プログラミング的思考」を子供の時から身につけて欲しい!という意図から行われているものなんです。
だから、難しいコンピュータの知識をおぼえたり、キーボードをカチャカチャ! マウスをポチポチ!みたいなことをする前に、まず最初に触れてほしいものが、このキットには詰まっているのです。
さて、その内容はと言うと……。
★アーテックさんが誇る「アーテックブロック」たっぷり46個
★ブロックを使って解く「ブロックワークブック」
★アンプラグド・コンピュータサイエンス・ゲーム💻(って、何? 簡単に言うと、コンピュータを使わずにコンピュータの基本的な仕組みを学ぶことが出来るゲームのことです)が2種類。「だいぼうけん!おたからアイランドすごろく」🎲「ロボットたんけんたいゲーム」🤖
「ブロックワーク」は、小さいこどもでも楽しめちゃいます。
でも、頭カチカチの大人には、意外と難しかったりして……。
親子で一緒にチャレンジがおすすめ。
「おたからアイランドすごろく」は、なんと途中でコースが変化する、
これまで体験したことの無いすごろくです。
「ちょっとおつかいしてきて」や「ほしいものがかわりました」など、
王様の面白い命令が激ツボ……。
「ロボットたんけんたいゲーム」は、プレイヤーで協力しながら、
ロボットを操作して秘宝を手に入れるゲーム。
勝ち負けに捕らわれない、新しい時代の遊び方だ!
みんなで操作するロボットの「ベン」。なんか可愛い。
雨が降ってることも忘れるくらい夢中になれる『プレプロ』。
楽しく遊んで、気づいたら「プログラミング的思考」が身についてるとくれば、これは本気で本気でおすすめです!