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2024年大統領選へのマイケル・サンデル教授の分析:翻訳と要約
マイケル・サンデル…日本ではNHKで放映された『ハーバード白熱教室』で有名な同大学の教授にしてアメリカの政治学者、共同体主義(コミュニタリアニズム)の論客としても知られ、近著『実力も運のうち 能力主義は正義か?』ではメリトクラシー=能力主義批判を展開、「親ガチャ」の元ネタになった本を書いた人物でもあります。
リベラリストの中のリベラリストである彼は2024年の大統領選及びトランプの勝利をどう見たのでしょうか?
ニュースでしゃべったコメントをまとめました(自動翻訳で確認できます)
選挙の総括
1‐国民は自分たちの発言が重視されていないと感じている
2‐国家による帰属意識の解体とその喪失感
何十年間も続いている勝者と敗者の溝が政治を毒してきた。
トップの人間だけに膨大な報酬を支払う新自由主義的な市場にエリートに優しいグローバル化、格差、新しい環境に合わせろという抑圧、能力主義や自己責任による自尊心への加害、エリートはそれを修復するのではなく見下し、また民主党はエリート党だとレッテルを貼られたのが敗因
かつて民主党こそ学位を持たない人の党でありエリートや金持ちは共和党支持だった。2016年トランプの出現で反転した。そしてアメリカンドリームの崩壊、平等性の喪失、いくら働いても豊かになれない中、リベラルは「大学にいけ」と人々を侮蔑してきた
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リベラルはいまこのような不満にどう対処できるのかを根源的に問う必要がある。アナリストは社会問題をそれっぽく細分化して語ろうとするが経済や文化のすべては「社会的承認と尊敬の再配分」としてつながっているのだ
民主党が労働者から見放されたのは金融やグローバリゼーション支持だけでなく(ブルーカラーの)仕事の名誉や社会的評価に焦点を当てず「大学に行け」(恵まれたければキャリアを得よ)と見下し逆にトランプはその環境を利用したため
この数十年間、スタジアムの席ですら格差が設けられ金持ちと貧乏人の座る席、住む場所、通う学校などはますます分化している。共有スペースの喪失はコモンズとしての民主主義を蝕む。民主主義とは選挙日の投票だけでなく共通の生活の中にあるためだ
仕事の尊厳は、経済的豊かさと愛国心を含む共同体意識とを結びつける。リベラルはMAGAの愛国性に疑念を投げかけるのでなくそれが何を意味するのか考え、より進歩的なビジョンを提示する必要がある。公共スペースを広げるのは一つのアイディアだ
以下感想
何回も学歴ネタ繰り返すの草w「承認と尊敬の再配分」というワードは納得、突き刺さったぜ