デザイン学校で勉強して、デザイナーにはならなかったけれど、学校に行ってから絵を描くようになった。
というわけで、デザイン学校は絵を教えてくれるところではないです。という前置きをしておく34です。
前回の、「トネリコの森」についてのnoteに、
たくさんスキと、多くの方にご覧いただき、ありがとうございました。
こうなると思っていなかったので、びっくりしました。嬉しいです。
ときに、みなさまは学生の時に「進路」をどのようにして決められましたでしょうか。
私は、世間体で進路を決めました。
その結果はタイトルの通りなのですが、ナナメ上の方向でよかったこともあったので、今回はその話についてまとめようと思います。
1.進路相談で泣いてばかりいた高校生時代
当時は学校の進路相談で「将来どうしたいのか?」を聞かれる度に
将来をどう生きたらよいのかわからず、毎回泣いていました。
勉強にも、大学に行くことにも興味がなく、バイトもミスばかり。
ただ、将来はみんなと同じように働かなければならない。
という脅迫観念だけはあったので、
アニメとか漫画とか好きだし、絵とか関連だったら勉強を頑張れるかも知れない。
絵を仕事にするデザイナーという仕事があるらしい。
それなら就職できるかもしれない。
と、考えて
世間体を立てるためにデザイン学校に進学しました。
が、デザイナーが何するのかは正直よく知らなかったです。
デザイン学校のクラスには「私みたいなタイプ」の子と
「デザイナーになりたくて勉強しにきたタイプ」の子
が半々ぐらいでいた気がします。
ちなみに、デザイン学校ではこういうよくわからないのばっかり作っていました。
1枚目より(あまりにも)ひどい作品もたくさん作りました笑
そんなこんなでデザイン学校で授業を受けた時と、
卒業後で色々考えることがあり、
今は、デザイナーになることを選ばず、生活のため、どちらかといえばできるに○をつけた感じの仕事に就きました。
けれど、デザイン学校にいったこと自体は、ソフトが使えるとか、技術を得るよりも私によい影響を与えてくれたと思っています。
2.人目を気にして暮らさなくてよい学校生活
ここからが、ナナメ上の方向でよかったこと
の内容になります。
デザイン学校に行くまでは、
中高と学校で浮いてしまっていたので、学校に行くことが嫌いでした。
私は何をやっても悪目立ちして、ひそひそ話を立ててしまっていたので、
どうしたらそうならずに済むのかと毎日頭を悩ませる日々でした。
そんな私が、デザイン学校に行ったら、
なにをやってもだいたい許されました。やったね!
これは、本当に進学してよかったことの大きな一つです。
それまでは、人がひそひそ話しているだけで悪口を言われているのではないかと気になってしまったり、
他人の目が怖くて仕方ありませんでした。
が、デザイン学校ではぜんぜん問題ナッシング!
でしたので、徐々に上に書いた症状もなくなり、人に気軽に話しかけられるようになりました。
※ほんとは結構人見知りです。
この学校生活がなかったら、のちにグループ展をやったり、色々な人と話したり、知り合おうなんて思わなかったと思いますし、
もっと暗い道を歩んでいたり、絵について誰からも影響やインスピレーションを受けたりしないつまらない人生になっていたと思います。
おかげで色々むちゃくちゃなことをやったかと思いますが、暖かい目で見守ってくれたクラスのみんな、先輩、サークルの面々には感謝しています。
ありがとうございました。
3.授業でドローイングを習ってからペン画を知った
デザイン学校は絵を教えてくれるところではないです。(2回目)
が、私が学生の時には「ドローイング」もカリキュラムに入っていました。
表現力を鍛える一環だったような。
この課題を出すために、わざわざミリペンを買いに行って、
やれやれとやってみたところ、
これがすっごくはまりました。
この授業をやるまでは、授業や課題以外で絵を描くことはほとんどなかったのですが、絵を描くようになりました。
一番最初の絵はもう残ってないのですが、唇の間に目玉がある怪物が何かを追いかける絵でした。
ペン画も最初はこんな感じで始めて
こうなり
最終的に在学中はこうなりました。
この先から今の絵になるまでは、まだ作品の遍歴が色々あるのですが
それはこれからまとめるつもりのnotoに書こうと思います。
4.デザインを置いて、絵を評価してもらえた思い出
学校は大好きだったのですが、
色々あって布団から起き上がれなくなった時期がありました。
その時は1年時の進級審査ということで、
学生には2週間の授業なしでの制作期間が与えられていましたが、
私はごはんを食べることも、水を飲みにいくこともほとんどままならない状態でしたので、とりあえず1週間休むことにしました。
毎日音楽を聞いてひたすら寝るだけしかできない生活で、自分が生きているしたいのでようで辛かったです。
残り1週間になってがんばって起きたのですが、どうしてもデザインを考えるだけの気力が湧きませんでした。
ので、唯一自分が今頑張れそうなこと、
絵を描いてなんとかすることにしました。
その他に優しい先輩にキャッチコピーと文章のフィードバックをもらいながら、などうにか上の広告を審査に出すことができました。
が、審査では、
「この広告にこの絵である意味がわからない」
的なことやデザインを酷評された記憶があります笑
とはいえ絵自体は褒めてもらい、その後帰ってきた点数表は、
なにか審査で賞をとっていた子と同じ高い点数でした。
と、いうことは、この点数はほぼ絵でとったのでは?
と私は思いました。
真実はわからないですが。
こんな感じで、学校では絵を褒めてくれる先生はありがたいことに
けっこういらっしゃいました。
今もコメントくださる先生もいらして、うれしいばかりです。
4.絵を描き始めたことが、ある種の救いになった
私は卒業後も今も困ったことに「やりたくないこと」が多すぎて、
進路相談をされたら泣いてしまうような日々を過ごしています。
周囲の人が望むような、「やりたいこと」というのがなくて、
日々何かしなくてはいけないのではないか。
素晴らしい人にならなくてはいけないのであろうか。
と周りと比べて辛い気持ちになったり、
追い詰められてしまうことがよくあります。
そんな中で、絵を描くというのは
ちょっとずつでも進めた先に作品ができあがる。
という成果があり、私はそれに救われています。
特に私の描く細密画はちまちまとしか進みませんから、
毎回すごく時間がかかるのですが、
進んでいった道のみちのりが線として見える形で積み重なっていくことで、その日が何かをちゃんと残すことができてよかったと思うのです
あともう一つは、
周りの目や意見を気にしないで、
自分の表現したいものを作ることができる。
というところも、
元々そうなりたいからドローイングを始めた部分があって
救いを感じています。
普段仕事とかでは、人に合わせて何かを作るように頑張る時間が多いので
身勝手かもしれませんが、
自分のための時間をちゃんと持てるのがなんというか、安心します。
5.まとめ
さて、そんなわけで今回の記事は終わります。
デザイナーになるのに学校にいくのが必要かどうか自体については、
人それぞれだと思います。最近は本も充実してますしね。
個人的には行くならちゃんとデザイナーになりたい!
という気持ちがある人が行った方がよいのかなとは思いますが、
やったら実はよかった。
ということもあるかもなので、そこはわからないです。
私思うのは、そこの環境が自分にとってプラスになるとか、
色々な人から意見を聞ける場が得られるとか、
よい友達や人間関係が得られる
ならよいのではないか。ということです。
というわけで、
ちょっとナナメ上のデザイン学校に行ってよかった話でした。