漢気 go to hell
職業柄、漢気という言葉を信条にしている節がある。私は女ではあるが、女だからと言って舐められるわけにはいかない。
周りのムキムキとした野郎どもに負けないために、わざと口調を荒くしてみたり試行錯誤したものだ。
笑う時は豪快に笑い、声は大きく、文句なんて言われた日には睨み返してやるぐらいの漢気。自称漢気。
それが間違った頑張り方だと知ったのはつい最近だが、そのことに気づかせてくれた彼は何も知らないような顔をしている。
舐められないために漢の真似事をしていたら、それと同じかそれ以下にしかなれない。効率的でない。女の武器はそこじゃない。
女の武器で漢の最大限を突破することができる、と二十余年生きてきた今、痛感している。過去の痛々しい自分を省みての痛覚だ。
本質としては、可愛く、あざとく、ではなくギャップである。普通の女の子がこんなことをするのか、というギャップ。威厳的なGAP。
例えば、普段は追っかけをしているアイドルの話をするようなTHE・女の子が、上司と堂々言い合いをしたり。はたまた、持ち物が全て女性らしい色合いで構成されているような女の子が、男性からの飲みのお誘いにはっきりと断ったり。
普段から強そうな男性に勝てるそれらの武器は、男性の最大限に勝るとも劣らず。いや勝る。
こいつには適わねえな、を引き出す効率的な手段である。
漢気なんて捨てろ。
漢気GoToHell。
All I Need Is 女性のGAP。
death。