終わっても終わらなくても
甘い甘い夢のような時間をいつしか苦しく虚しい時間だと思うことが増えた。
今はもはや何も感じない領域にまで到達してしまって、自分という人間が怖い。
いずれ終わる短いスイートタイム、だと思ってしまえば前と比べて幾分か楽になった。
あなたとの甘いラストは見据えていないと言えば私が悪く映るかもしれないが、ひと夏の恋と言ってしまえばマシに聞こえるだろう。
結婚願望があるかないか。どういう人生設計を描いているのか。
こういった類の話は食い違えば食い違うほど後に後悔を産むと知っている。
その瞬間、今までの溝がより深く、石を落としても落下音すら聞こえない距離になってしまった。
あなたにとって私ではないことは明白であり、私にとってはあなたしかいないこともまた明白である。
これらが私を苦しめていたのかと思うと正直青いなと思わざるを得ない。
達観とはまた違うが、割り切ってしまえばこちらのものである。
パフォーマンスとして可愛く拗ねてみたりすることはあるが、あなたの言動で真に落胆することはなくなってしまった。
悲しいのか幸いなのか。それは結果が物語ってくれるのだろう。
あなたとの終わりは、あっけないものであると祈っている。
それまでに私は準備をし、できるだけ幸せ寄りな結末を迎えるために割り切るのだ。
人間。というより私。
は、なんて意地汚いのだろう。
終わっても終わらなくても、違っても違わなくても、私とあなたはもう本質的に交わることはない。