思春期の子どもを持つ親は「インサイド・ヘッド2」を観るべし!
先日「インサイド・ヘッド2」を観てきました!
夫と子どもは先に観ていたので「今回は主人公のライリーが中学生になっている」とか「思春期の感情が出てくる」という話は聞いていました。
その程度しか事前情報を持っていない、英検3級ホルダーの私がアメリカの映画館(字幕なし)で観てきたので理解が不十分なところも多いかと思いますが、それでも良い映画だと感じた次第です。
ネタバレになってしまいますが、簡単に感想をまとめました。
https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2
思春期の頭の中で起きていることがわかる!
我が家の長男は中学生。ここ1年ほどで親が理解しがたい感情の波が大きくて、対処できないことが増えています。はっきり言うと、面倒くさい状態になることが多くなっています。
「宿題が終わらない!」と焦ってわめいたり、かっこつけて何でも知っている風の態度をとったり。親が口出ししても良くないだろうと思って黙って見守っていると「どうせ他人事だと思っているんだろ?」と怒りをぶつけてくることも。それならばと「大変だね」となだめると「うるさい!」と言われるし。
「インサイド・ヘッド2」を観て「なるほど!息子はシンパイに心を乱されているのか!」とわかるようになったのが1つの収穫でした。
感情の1つを自分と重ねて号泣する!
私は前作の「インサイド・ヘッド」を観たときに、やたらと明るくライリーを楽しませようとするヨロコビが苦手でした。でも、今作ではヨロコビに感情移入することになります。
ヨロコビは名前の通り、ライリーをハッピーにするために奮闘する感情の要素。幼い頃のライリーは感情や思い出のほとんどがハッピーで占められていました。しかし、思春期になると感情は単純ではなくなり、シンパイ・イイナー・ハズカシ・ダリィという大人の感情が登場します。
友達関係や進路のことなど、将来への不安が大きくなるなかで、大人の感情のほうが強くなっていくのです。
幼い頃からの感情、ヨロコビ・カナシミ・イカリ・ムカムカ・ビビリが大人の感情に追い出されて、次第にライリーは今まで築いてきた「いい子」を捨てて自分勝手な行動をとります。何もできないまま大好きなライリーが悪い子になっていく様子を見て、ヨロコビはめずらしく弱気になり、思わず泣き出します。
「私はもうライリーにとって必要な存在じゃない」と泣くヨロコビに、今の自分を見ているような気持ちになりました。私が息子に対して思う気持ちがヨロコビと同じだと思ったからです。
「我が子にはいつもハッピーでいてほしい」そう思って口や手を出したくなるけれど、思春期の息子は親から離れようとしています。「うちの子はいい子だ」と信頼しているけれど、時々かつての我が子ではしなかっただろう、ちょっと悪いこともすることがあるのも事実です。(スマホの使用時間を守らないとかそういう類いのことですが・・・・・・)
「ヨロコビー!気持ちはわかるよ!!」と気付くと私も一緒に涙を流していました。
成長には「いい子の壁」突破が必要なのかも!
「周囲から認められたい」という焦りから背伸びしたり、親友だった友人たちに冷たい態度をとってしまったりと、ライリーは「らしくない」言動をとっていきます。それと当時にライリーの頭の中にある感情の司令室では、今まで大切にしてきた心の柱「私はいい子で優しい」がついに崩壊してしまいます。
心配に支配されたライリーは自分でもどうしてよいのかわからなくなり、ふさぎ込んでしまいました。そんな様子を見ていた友人たちが「大丈夫?」と声をかけてくれたことで、ライリーは素直に自分が焦ってひどい態度をとったことを謝罪します。
ライリーが友人たちに心を開いて謝ったとき、頭の中の司令室では「私はいい子で優しい」だけではなく「私は自分勝手」「私は臆病」「私は悪い面も持っている」などさまざまな感情に変化する心の柱が生まれます。
親は我が子に「いい子で優しい」を求め続けてしまうけれど、たくましい大人になるにはもっと多様な自己意識が必要なのかもと感じました。人を羨んだり妬ましく思ったりするのも自分。でも、友人が困っていたら手を差し伸べられるのも自分。いろんな自分がその時々に現れることで、大人の庇護がない場所でも自分で考えて行動できるようになるのかもしれません。
成長するためにはいい子の壁を突破する必要があるのだろうと思いました。
つまり、思春期の子どもを持つ私ができることは、どっしり構えて見守ることだけなのかもと。きっと今まで築いた「いい子で優しい」はしっかりと根を張っているはずだと、信じるしかないのでしょう。
まとめ
アメリカでは徐々に上映している劇場が少なくなっている「インサイド・ヘッド2」ですが、日本ではまだまだ絶賛上映中のようです。思春期の子どもがいる方は我が子に対する「あの子、何考えているんだろう?」を紐解くきっかけになるかもしれません。
ちなみに、我が家の息子(絶賛思春期中)は父親と一緒に観にいって爆笑したそうです。感想は「まあね、そんなもんでしょ!」でしたが・・・・・・。
2015年に上映されアカデミー賞も受賞した「インサイド・ヘッド」では、ライリーは11歳でした。このときはライリーの転校がテーマになっているので、転勤族の我が家としては胸が痛いお話でした。
https://www.disney.co.jp/movie/head
前作を観ていない方は予告編だけでもチェックするとストーリーがわかりやすいと思います。