戸塚の壁の頂上に朝日が登っていきます|箱根駅伝2024

あけましておめでとうございます。
お正月の楽しみは箱根駅伝です。幼い頃から箱根駅伝を観るのが当たり前だったし、ここ7.8年は録画を見返してみたり、選手のSNSを見て振り返りに触れたりしています。

今年は社会人になって最初の年末年始。箱根駅伝を座ってじっくりみていました。いやほんっとにたのしかった。
前評判が駒澤だと言われるなかで、駒澤は他大学が手をつけられないようなオーダーを組んできて。オーダーを見てこれは駒澤独走だ、、、首位争いでヒヤヒヤするのは期待できないと思いました。
そういうのを覆してくるのが青山学院でした。というのはいくらでも語れてしまうのですが、、、

今回書きたいのはそこではないのです。実況のこと、ことばの持つ力を書きたいのです。
実況はあくまで脇役で、箱根駅伝に彩りを添えるような存在だとわたしは思っています。主役は選手。
ただ、選手をより輝かせ、かっこよく見せるのも、見せないのも、実況の力がかなり大きいと思います。

今回印象に残ったのはタイトルにも認めた、「戸塚の壁の頂上に朝日が登っていきます」でした。
これは青山学院大学2年生の黒田朝日選手が、2区の最後の坂を登っているシーンです。朝日が昇るって、なんだか希望の象徴という感じがしませんか?
ラストスパートで、先頭を目指してひた走る選手に対し、「朝日が昇る」と「朝日が登る」をかけた実況が本当にかっこよくて。
この実況のおかげで視聴者の一部は「おっ!」とこの選手の走りを見てみたり、この選手は朝日という名前なんだな、と知って興味をもったりしたんじゃないかなあ。

また、大学駅伝は選手が入れ替わるからこそ楽しいです。
今年は兄弟での給水に涙が出そうになりました。そういったところでも実況アナは、「兄が弟にエールを送っている」とか、「襷をつなぐことはできませんでしたが、いま箱根路を共に走っています(すみませんニュアンスでしか覚えてない、、)」というようなことばを残しています。この実況を機に、あ、弟の選手を応援しようかな、と思う人だっているかもしれません。また、家族の思い出にもなりますよね。
今年は中央大学の吉居兄弟、駒澤大学の安原兄弟が取り上げられていたかな?と思います。

箱根は結局青学か〜とか言う方もたくさんいらっしゃるとは思うのですが、どんどん選手は入れ替わるので、ぜひ中の選手にもちょっと目を向けてみてもらえたらもっと箱根を楽しめることをお伝えしたいです。
そしてそれを伝えるのは少なからず実況の役目って大きいと思うのです。あの実況がなければ、知られずに終わっていた選手だってたくさんいるかもしれない。そこに光を与えたり、輝かせたりするのが実況のすごさで、ことばや伝え方のおもしろさでもあるよなあと感じます。
わたしは言語学やことばに詳しいわけでもなんでもないので、学問的なことや詳しいことは語れませんが、こういうところにもことばの力があるなと感じます。

わたしも誰かの人生に少しでも輝きを添えられるような人になってみたいかも、あわよくばことばを使ってそれができたらいいな、と思った2024年noteはじめ。

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