【PubMedで翻訳練習】Jの巻:juvenile arthritis(若年性関節炎/リウマチ)
*PubMedでアルファベット順(A-Z)にキーワード検索→論文を1つ選びアブストラクトを和訳。(キーワード・論文の選択は、独断と偏見、その日の気分です。)
●本日のアルファベット:j (juvenile arthritis) 若年性関節炎/リウマチ
●本日の論文:『若年性特発性関節炎の青年の将来の就労に関する経験・見方・期待:定性的研究』
van Gulik EC, Verkuil F, Barendregt AM, et al. "Experiences, perspectives and expectations of adolescents with juvenile idiopathic arthritis regarding future work participation; a qualitative study." Pediatr Rheumatol Online J. 2020;18(1):33. PMID: 32293467
●アブストラクト和訳
背景:若年性特発性関節炎(JIA)への罹患は、個人の生活に広範囲で影響を与える。患者は、しばしば活力喪失を伴うような痛みを特徴とする関節炎の再発に対処しなければならない。JIAはしばしば成人期まで持続し、患者は仕事においても困難に直面する可能性が高い。我々は、学校生活での経験が、JIAの影響を受ける患者が成人後の仕事生活で直面する障壁や機会に、匹敵する可能性があると考えた。よって、本研究の目的は、学校生活での経験およびJIAの青年の将来の就労に関する見方や期待を引き出すことである。
方法:本研究では、個別の半構造化インタビューを用い、規定のインタビューガイドに従った。患者の年齢は、14歳から18歳の間(22名)で、意図的に幅広い特徴を持つように選択された。オープン・コーディングを行い、その後アキシャル・コーディングおよびセレクティブ・コーディングを行った。
結果:青年が学校、余暇活動、仕事においてJIAに対処する上で受ける支援および理解には、大きな違いがみられた。どのように希望する職業に就くかについては、様々な方法が言及され、(疾患の)公表に対する見方は、様々であった。患者は、他の健康な青年と同じように接してもらうことを願っていおり、就労に対する期待は、前向きなものであった。
結論:本研究により、患者は、将来のキャリアを考える際には、しばしばJIAへの罹患を無視していることが示された。JIAに伴う制約の可能性について、教育者や雇用主とのオープンな議論を促進することにより、JIA患者が近い/遠い将来に対応することになる過度な負担を防ぎ、キャリアを開始するチャンスを増やすことができる可能性がある。
●PMID: 32293467
●検索日:2020年6月15日
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●感想・難しかった点
若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis)とは、16歳未満で発症し、少なくとも6週間以上持続する原因不明の慢性の関節炎のことだそうです。以前は、「若年性慢性関節炎:JCA」や「若年性関節リウマチ:JRA」などいろいろな呼び名があったのが、現在では「若年性特発性関節炎:JIA」と世界的に統一されているようです。
今回の論文を読んで思ったのは、病気の治療法や薬の研究はもちろん大切ですが、それと同じくらい患者の社会生活をサポートするための研究も大切だということです。特に小児や青年の疾患の場合、社会に出た後の負担を減らすためにも、大人の適切なガイドや周りの理解が必要だと感じました。
英語的には、open coding、axial coding、selective codingの意味は、正直全く分かっていませんが(;^_^、日本語でもそのままカタカナ(もしくは英語)で使用されているようです。