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【PubMedで翻訳練習:人名=病名編】Cの巻:Charcot-Marie-Tooth disease(シャルコー・マリー・トゥース病)

*PubMedで「人名を冠した病名」をアルファベット順(A-Z)に検索→論文を1つ選びアブストラクトを和訳。(なぜ人名=病名をキーワードにしたかは、この記事の最後をご覧ください。)

●本日の人名=病名:C (Charcot-Marie-Tooth disease) シャルコー・マリー・トゥース病

●本日の論文:『シャルコー・マリー・トゥース病における次世代シーケンシング:機会および課題』
Pipis M, Rossor AM, Laura M, Reilly MM. "Next-generation sequencing in Charcot-Marie-Tooth disease: opportunities and challenges." Nat Rev Neurol. 2019;15(11):644-656. PMID: 31582811

●病名の由来:1867年、フランスの神経科医シャルコーと、その弟子であるマリーおよびトゥースによって報告された。

●アブストラクト和訳

シャルコー・マリー・トゥース病および関連疾患の遺伝性運動性ニューロパシー、遺伝性感覚性ニューロパシーは、CMTと総称され、最も頻度の高い遺伝性神経筋疾患グループであり、幅広い表現型および遺伝的多様性を呈する。CMTは、しばしば足の変形、筋力低下、感覚喪失を伴う、遠位筋の萎縮を特徴とする。この10年で、次世代シーケンシング(NGS)技術によりゲノム医療に大変革が起こり、その技術が臨床診療に応用されるにつれて、CMTに対する診断アプローチを変化させている。本総説では、CMTの診断に対する、疾患特異的遺伝子パネル、全エクソームシーケンシング、全ゲノムシーケンシング(WGS)、ミトコンドリアシーケンシング、ハイスループット・トランスクリプトームシーケンシングを含む、NGS技術の応用について考察する。重要性が高まっているバリアント解析について検討し、臨床表現型をどのように遺伝的、生物情報学的、機能的知見と組み合わせて、CMT患者における遺伝子バリアントの病原性を評価するかを考える。WGSは、本論文で検討する他の技術に対し、複数の利点を持つ。その利点には、核ゲノム、ミトコンドリアゲノム双方におけるコーディング、ノンコーディング、遺伝子間領域の対象範囲が比類なく広いこと、構造多型を同定できること、ゲノム規模の高密度ホモ接合マッピングを実施可能であること、などが挙げられる。我々は、WGSをCMTの診断経路に組み入れるための、アルゴリズムを提案する。

●PMID: 31582811

●検索日:2020年6月20日

*できるだけ新しい論文(Display optionsをMost recentに設定)、また病態がざっと分かるように各論ではなく総説(Publication typeをReviewに設定)を選ぶようにしています。

●感想・難しかった点

今回の病名は、3人の名前を合体させてできたようです。そんな命名の仕方もあるんですね。シャルコーさんが栄誉を独り占めしなかったことから、公平ないい師匠だったのかなーと勝手に想像したりしました。しかし、病名を覚えるにはちと面倒ですね(;^_^。

英語的には、「unparalleled coverage of...」の部分が一番悩みました。カバーする範囲が他と比べてとても広い、という意味だと思いますが、文章にどう入れ込むかで、手こずりました。「対象範囲が比類なく広いこと」と訳してみましたが、いかがでしょうか。

※どうして、人名=病名をキーワードに?

「PubMedで翻訳練習」の別シリーズとして、人名が病名になっている疾患をキーワードにしています。アルツハイマー病や、パーキンソン病など人名が病名になっている疾患はたくさんありますが、その疾患を最初に発見した医師や研究者などの名前=病名になっているために、病名を見ただけではいったいどんな病気なのか見当がつきません。先に挙げたアルツハイマー病やパーキンソン病であれば、広く知られているため病態を知っている方も多いと思いますが、マイナーな病気であれば、お手上げです。ということで、勉強もかねて、人名=病名をキーワードにしました。できるだけ、一般に浸透していない病名を選ぶつもりです。

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