[22]「手の動かし方」に迷ったら
「手が動かなくなる」事があります。
情報をたくさん収集し、数字もいろいろ扱った後でも、それが生じ得るのはご承知のとおりです。
そんな時に、手を動かせ!と言われても、
だから、その「やり方」で迷ってるんだよ!
と返すのが本音でしょう。
前回触れた「マッピング」は、一般的な「手を動かす」方法として知られていますが【図表21】の様に財務分析で活用する際、押さえておくと良い点があります。
それは「グラフを混ぜる」事です。
より詳しくは、タグ(tag)化したグラフをマッピングに盛り込む、という表現になります。そのイメージが【図表22】です。
「数字で語る」事、その手段として「とにかくグラフにする」事の重要性は言われて久しい中、真のポイントは、それをマッピングに盛り込む事です。
これにより、積み重ねた各グラフの、全体における「立ち位置」が一目瞭然となります。
(作業中に出る、いわゆる「私は今、どこにいるのだろう」といった言葉を減らせる訳です)
財務分析のマッピングで同じ労力をかけるなら、ボックス内の「てにをは」でなく「グラフタグ」を充実させるのです。
分析がそもそも「真の終わり」を持たない以上、マッピングがグラフで十分満たされたなら、もう「手の動かし方」に迷う必要はありません。
「完成」として良いのです。
その過程で「このボックスは、本当にグラフで根拠づけられているのか」といった言葉が出る様なら、その人はもう「マッピングの使い手」でしょう。
グラフでマッピングを構築する。
本当の財務分析はそういう所に関係する気がします。
追 記
サン=テグジュペリ作『星の王子さま』にある「おとなというものは、数字がすきです。~、おとなの人は、かんじんかなめのことはききません(内藤濯氏訳)」のくだりにハッとさせられました。
読み返すほど、深さが増すのを感じます。