【創作】 つみき
思い出すのは木製の感覚
口に入れると喉が渇く
こらこら、口に入れたらだめでしょ
小さなつみきでお城を作った
小さなつみきで希望を作った
小さなつみきで何を作った
私はOLをしている
毎日会社ではパソコンに向かって事務作業をし、
履きたくもないタイトスカートは私に女としての義務を押し付けているようだった
本当は、パンクゴシックスタイルがしたいのに
憧れのAKITO様のようなパンクゴシックスタイルをして出勤すれば、私は私でいれるはずなのに
ヘロヘロで家に帰り、
もう焦げ茶になってしまった小さな小さなつみきを齧る
涙と鼻水で床は濡れて、
心は粗かった
ハイヒールはまだ脱げていなかった
小さなつみきで何を作る
大きな私は過去に執着する
悲しいね、悲しいね、
隣で優しく足を舐めてくれたペットのチワワはもういないね
辛いね、辛いね、
つみきを齧ると喉が渇く
私は、私は、
テレビをつけると暗い絶望の部屋に灯りが灯り
好きな女優が辛いラーメンを食べて笑っていた
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?