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2024年上半期のお気に入り本5冊!(ライティング・メンタルヘルス・読書・妊娠出産・小説)


1.三宅 香帆『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない自分の言葉でつくるオタク文章術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

「好きなものを推すnoteを書きたい!でも何からどう書けばいいのかわからん!」と思い読んだ本。

全体的にすごく参考になることが多かったけど、いくつか挙げるならこの3点。

①言語化は細分化

「どうすれば言語化上手くなるのかな…」と思っていたけど、大事なのは細分化で、「感想のオリジナリティは細かさに宿る」んだそう。

たしかに、小説を読んでも自分に刺さるのは何気ない登場人物の言葉だったり、ビジネス書だったら教訓よりエピソードが記憶に残ったりする。

コンテンツに対して「いいな」と思う箇所を深掘りすると、それが自分らしさになり、クリシェ(ありきたり)を避けることにつながる。


②他人の感想を見ない!!

言語化のために大事なこと…それは他人の感想を、自分が感想を書く前に読まないこと。

これはもう本当に「確かに…」と思った。他人の感想を読んでいるうちに、私が良いと思った点もその人の言葉に無意識に釣られちゃうんだよね。
感想を読む前に感じていた、自分の素直な感情がわからなくなってしまう。

ちょっとしたことかもしれないけど、すごく大事だなと思った。この本を読んでから、何かのレビューを見る前にまずは自分の気持ちをメモするようになったよ。


③工夫をする志

手軽に見える本だけど、言っていることは結構ストイック。
「私には文才がないから、視点が浅いから、書けないんだ」と思ってたけど、やっぱり文章が上手い人は工夫している

読み直すのも好きじゃないけど、「修正の数がプロとアマチュアの違いを決める」らしい。

noteを書いたらちょこっとは読み直してから投稿するようになった。自分の伝えたいことを伝えるためには頑張りも必要なんだな、と改めて教えてもらったので。


2.辻村 深月『かがみの孤城』(ポプラ社)

大好きな辻村深月さんの本。代表作の一つなのに読んだことないんかい!って感じだけど、面白かった〜。

学校に行っていない子達のお話だから、最初は自分が経験しなかった不登校の苦しさみたいなものをカケラながら知って、読んでいて苦しかった。

読んでいくうちにどんどん物語としての面白さに引き込まれて最後は一気に読んでしまった。

辻村深月さんの本はバラエティに富んでいるから「こんな話もあるんだ!」って驚きもあるし、純粋に読んでいて楽しいし、毎度毎度すごいなぁって思う。

3.鈴木 裕介『がんばることをやめられない コントロールできない感情と「トラウマ」の関係』(KADOKAWA)

「トラウマ」について知らないことがいっぱいあった。

トラウマって、戦争とか、厳しい家庭環境とか、ドラマに出てくるような激しいもののことを言うのかと思っていたけど、誰にでもあるものなんだそう。

自分だけではどうしようもない子ども時代などに、自分にとって辛い状況があったとき、生存戦略としてその状況を引き受ける「わたし(=パーツ)」の存在が出来上がって、普段はその「わたし」は抑圧されている

だけどふとしたきっかけでその「わたし」が出てきた時に、自分がとった生存戦略に応じて、たとえば普段優しい人が急に怒ったり、どこまでも無理して頑張ってしまったりするんだそう。

私にもトラウマってあるんだろうなあ、と読みながらいろんなことに思いを巡らせた本だった。もっとトラウマとその治療について知りたいなと思った。

4.三宅 香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)

結構話題になっていた新書。(この記事で1冊目に紹介したのと同じ著者の方だった…!全然気づかなかった、、、)

この本を書いたきっかけが映画『花束みたいな恋をした』だそうで、ちゃんと映画を見てから読んだよ。

たしかに自分の状況によって読める本の数も内容も変化する。今の私は内容が重めの本は読む気にならなくて、本の中の世界に没頭できそうで、なんとなくハッピーエンドになりそうな本しか読む気にならない。多分読書で現実逃避したいと思ってるのかな。

とまあ、前半は導入部分に加えて、明治時代頃から日本人と読書がどんな関係だったかを教えてくれる。

私が一番心に刺さったのは最後の「では、どうすれば本を読めるようになるのか」という部分。

21世紀、実は私たちの敵は、自分の内側にいる。
新自由主義は決して外部から人間を強制しようとしない。むしろ競争心を煽ることで、あくまで「自分から」戦いに参加させようとする。
(略)
戦いを望み続けた自己はどうなるのだろう?
疲れるのだ。

いや、まじでそうなんよな…。

いつ誰に刷り込まれたのか、「稼いでる方が偉い」「生産性は高い方が良い」「隙間時間も余暇時間も生産的に過ごさなければならない」とか、そういうゴリゴリ資本主義な考えを無意識にしてしまう。

社会人になりたての頃はそれで自分を追い詰めてしまっていた。

もちろん、何かに全力投球しなきゃいけない時期もあると思う。それについてもこの本では言及があった。

もちろん何かに全身全霊を傾けた方がいいタイミングは、人生のある時期には存在する。しかしそれはあくまで一時期のことでいいはずだ。人生、ずっと全身全霊を傾けるなんて、そんなことを求められていては、疲労社会は止まらないだろう。

そう。頑張り続けることは、多分、人間できない。いやわからない、できる人もいるかもしれないけど、私にはできなかった。

周囲から頑張り続けているように見えている人は、本人は自覚なく楽しんでやっていることかもしれなくて。

頑張るって言葉には「困難にめげないで我慢してやり抜く」という意味があって、自然な状態ではないと思うのだよ。それを永遠と続けるのは、やっぱり難しいんじゃないかな。

「社会人人生はマラソンだから、そんな短距離走みたいに走ってたら息切れするよ」って親に何度も言われて、その時は「そうかもしれないけど頑張りたいんだもん!」と思っていたけど、言ってた通りだなーと今は感じる。

自分のキャパシティを知った今は、生産的じゃない時間も、頑張り続けられない自分も、家に帰ったらノロノロで何もできなくなる自分も、受け入れて、私だけはいつだって私の味方でいようと思っている。

著者の三宅さんは、働きながら本を読めるようになるために「半身で働く」ことを提唱している。

上述した通り、最近は「頑張ること」への考え方をシフトしようとしているけど、まだまだ仕事中はスイッチONでちゃんと働いてる私(笑)には、共感しつつも「半身で働く」方法が分からない。

ちょうど仕事とプライベートのバランスを模索していたところだったから、この本の内容は刺さって、頭の片隅に「半身で働く」という言葉をとどめておきたいと思うのだった。

5.川上 未映子『きみは赤ちゃん』(文藝春秋)

妊娠するって、出産するって、どんな感じなんだろうなーと思って読んでみた本。

心の動きがすごく丁寧に描写されているから、すごく感情移入もしやすくて読みやすかった。

あとあまり妊娠とか出産とかについて知らないから、「こんな風になるんだ」と初めて知ることもたくさんあった。

にしても産後クライシスの時のメンタル、つらそうで。。。
今でも既にホルモンの影響受けまくりで感情ジェットコースターな私は同じようになっちゃいそう…とちょっと怖くなった。やっぱり子どもができると夫婦の関係は変わるものなのかなあ。


おわりに

もう2024年が半分終わったなんて…転職してから「何か月経ったな」と数えていたけど、気づいたら3月に転職してもう5か月目に入っている。環境に慣れてきたのか、また月日が経つのを早く感じるようになったな。

最近は会社の近くに図書館があるのを見つけて、お昼時間にふらーっと図書館に行くなどして、本を読むペースがまたつかめてきてうれしい。
Kindle Unlimitedに入っていたけど、Kindleだと実用書とかお役立ち系が多くなっちゃうから、図書館に行くといっぱい小説が置いてあって、「どれ読もうかな」ってホクホクしちゃう。

また下半期も面白い本にたくさん出合えますように!

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