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【エッセイ】18.100日後に福祉でITやる犬
18.プレゼン本番
二チームは、それぞれプレゼンの準備をし始めた。
メンバー四人で編成された我のチーム(Aチーム)は、個々の力は充分に強いが、それはあくまでプレイヤーとしてだ。
現時点ではまだリーダーシップを取れる人物は居なかったように思う。
そして、メンバー三人で編成されたもう一つのチーム(Bチーム)も、ほぼ同じ部分が課題だった。個々の力は強いのだが、今回のプレゼンの体は「チーム内のメンバーで協力し、一チーム一案ずつにまとめて発表すること」だ。チーム内で役割分担を決め、メンバー三人の意見を一案にまとめなければならない。
プレゼン練習の結果、我を含めたAチームは、それぞれの意見をまとめて、クライアントの目を引くようなテーマを決めることと、具体的な案を出すことができなかった。
Bチームは、三人で一案という決まりに沿うことができず、三人がそれぞれプレゼンテーションした形になってしまった。
おじいわん支援員が下した結果は、全員不合格だった。
我々のプレッシャーも測り知れなかったが、我にとっては、今回はとてもいい経験になったと感じていた。
我は、今回のプレゼン練習こそが、おじいわん支援員が我々のことを、障害や持病に関わらず「一人の人」としての扱いをしてくれた経験だ、と感じていた。
我々の障害や持病は、我々がA型事業所に勤めている以上、「利用者の情報」として共有されていて、もちろんおじいわん支援員も知っていることだ。
ただ、我々のことを「障害や持病」のみの観点で見ていたなら、今回のプレゼン練習の話自体、無かったことだろう、と我は思うのだ。
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2025.2.26(水)
ponogarden