組織における社会貢献の意味〜イオンに学ぶ社会貢献の価値〜
#SDGsへの向き合い方
日本の大手スーパーであるイオンは、独自のブランドだけではなく、モールを形成する戦略により売上を伸ばしている。また、特定の年齢層には根強い人気を持ち、休日には一日過ごすことができるようなイベントをする店舗もある。主に郊外に作られる大型モールの出現によって地域社会の小さな商店は大打撃を受けています。
そのため、一定のユーザーを獲得する一方、地域社会における小規模店舗や商店街をイオンが出店することにより、地域の店を破壊すると反対する自営業者たちは少なくないのです。
こうした状況の中、イオンはphilanthropyに力を入れ、日本では植樹活動や福祉施設に社会貢献をし、海外にまで手を差し伸べているのです。そこには、イオンの経営理念、「小売業は平和産業であり、人間産業であり、地域産業である以上、イオン店舗がある地域のお客様から、ここにイオンが開店して良かったと思われるように地域貢献をすること」(Tomomura, 2009, p.49)の精神を見て取ることができます。
つまり、日本国内であろうと、あるいは世界の訪れたことのないような場所であろうとも、イオンが社会的な活動を通して、「ここにイオンが開店して良かった」と思われることを願っているのです。
Rhode (2006)は、「フィランソロピストは、組織の計画を推進することの利益、コスト、リスクを考慮しなければならない。」(p.233)と述べている。
イオンの倫理的活動は、出店先の顧客に向けて行われてものである。しかし、それと同時に、地域社会や福祉施設、また、世界の学校を必要としている子どもたちが学ぶことができるように、社会貢献している事実は、必要としている人々への助けとなっていることも事実であることを見逃すことはできない。
また、組織で働く人たちや仕事上における取引関係先においても、良いイメージや企業に勤める誇りや信頼感を与える効果を社会貢献活動は与えることができると言える。
References
Tomomura, M. (2010). Aeon’s Social Contribution Activities -Report on "Support for School Construction in Laos. Research Institute of Global Industry and Culture.
Rhode, D. L. (2006). Moral leadership. Jossey-Bass.