鼻づまりの原因は鼻中隔湾曲症⑤術後
病室に戻り、横になって安静の状態へ。
麻酔がさめてきて意識がはっきりしてくる。自分の置かれている状況を確認する。
左手に点滴は繋がれたままで、酸素マスクが口と鼻を覆っている。
全身麻酔によるせん妄の症状や視覚の異常は見られない。
違和感は鼻に詰められているだろう綿がぎっしりと詰められているため、鼻が完全に塞がっていること。
そして、だんだんと喉への違和感も感じる。
手術中の大きな出血はなかったとの話だったが、鼻の中の傷口から出血が続いているようで、血が少しずつ鼻や喉に垂れているようだ。
喉に流れていく血を飲み込むと、喉が痛い。
鼻が完全に塞がっているため、口から血を吐き出そうにも、うまく力が伝わらず、耳が詰まる感覚だけで血を吐き出せない。
仕方なく血を飲み込むと、喉が切れたような痛みを感じる。
この状態が半日程度続いた。
次第に出血がおさまってきたからか、喉の痛みがなくなった。
しかし、鼻が完全に詰まった状態での口呼吸には慣れることがなく、息苦しさを感じていた。
モニターに出ている血液中の酸素濃度は変わらなく、正常の様子だが、口呼吸が辛かった。
特に、睡眠中は舌が喉元に下がり、舌根沈下と呼ばれる症状が見られ、軌道が塞がり息苦しさで何度も目を覚ました。いびきもよくかいた。
これは平時でも起こることでいびきの原因にもなるらしい。防ぐためには横向きで寝ること。
これによってか、たまたま偏頭痛が発症したのか、頭も痛くなっていた。鼻の中の綿を抜くまで2日ほど続いた。
気分としては、手術明けの1日が一番悪かった。
口呼吸の辛さ、頭痛の痛み、味のわからない食事、浅い睡眠の繰り返しで、入院生活で一番気分が落ち込んでいた時間帯だった。
傷口からの出血は36時間経っても止まらない様子だったので、鼻の中の綿を抜くことができなかった。
鼻づまりの解消に下鼻甲介骨の切除をしていた片方の鼻だけは綿を抜くことができた。
ようやく空気の流れに余裕が生まれた気がした。
鼻の中から出てきた止血するための綿を見て驚いた。
小指ほどの太さがある長さ8センチほどの綿が出てきた。
鏡で鼻の穴を覗き込んだ時はよく見えないくらいだったのに、鼻の奥に想像以上に長い綿が詰められていたのである。
片鼻が通ったことで、食事がしやすくなった。
空気や食べ物を飲み込むたびに、空気が耳へと抜けていったものが、鼻の方に抜けていき、だいぶ飲み込みやすくなった。
ただし、鼻水だったり鼻の腫れがあるようで、鼻通りは良いとは言えなかった。
その翌日に、反対側の鼻の綿も抜いてもらい、退院となった。
手術後は、鼻中隔湾曲による鼻閉がなくなったという感覚が確かにあり、鼻詰まりのひどかった夜間でも、鼻が通っているのが感じられた。
しかし、鼻水が出るようになった気がするため、時折鼻づまりを感じる。これは、元々のアレルギー性鼻炎のためかもしれない。
今後も術後の通院が必要となっているので、完全に治るまではまだしばらくかかりそうです。
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