One step forward
成果が出たのは秋頃だった。予備校のクラスの中で模試ランク1位を取ったのだ。志望校の志望者順位を見ても、1桁位を取るほどの成長が見られた。たまたま書いた某MARCH某学部では1位だった(正直どうでもいい)。
この喜びをまずは親に伝えたかった。僕は課題を済ませた後、急いで帰宅した。しかし、悲しいことに自分以外の家族はみんなで外食に行っていたのだ。とんでもない悲しみを僕はずっと忘れない。
とは言っても、僕の親は受験には関心がなかったから、何を言っても「頑張れ」としか言わないし、勉強していると「勉強はもういいから休め」と言ってくる。今思えば優しさなのかもしれないが、焦りを隠せない受験生は憤怒してしまう、そんな親だ。そんな親でもやはり嬉しいニュースは知らせたい、少しでも安心をさせたいという気持ちがあったのかもしれない。
人生を早送り
結論、僕はラッキーだったのかもしれない。
受かったのだ。新学期の手前、間一髪で勝ち取った合格は嬉しかった。現役の頃、親に出願を勧められてスパッと断った大学、そんなことはもうどうでもよかった。
父との熱い抱擁、まさにドラマの主人公だった。