見出し画像

コンプレックスの後始末

マシュマロ質問箱を久しぶりに覗いたところ、下記のようなメッセージが届いていた。

マシュマロ質問箱

筆者のツイートした内容を受けての質問であるため、元ツイも紹介する。

ポンデベッキオTwitter

コンプレックス”を持たない大人はいないだろう。数や重さに個人差はあれど、誰しもが人生を歩んでいくなかでコンプレックスを抱えることになる。勉強ができない、スポーツが苦手、モテない、稼ぎが少ない、身長が低くて人権がない、自分の顔が好きになれない、友達が少ない、恋人と続かない、両親と仲が悪い、子供の頃から憧れて目指して来た仕事につけなかった……様々なコンプレックスを抱えて人は生きている。

そんな自分の人生のコンプレックスを一発逆転する人生最大級のイベントがある。それが子供の誕生である。子供は生まれた瞬間から、それまで人が積み上げて来たものの上にドカッと座る存在である。そして子供が産まれて以降は”自分が何が出来るか”から”子供に何をしてあげられるのか”に人生の目的がシフトしていく。自分がコンプレックスまみれでダメでも子供が幸せになってくれればいい、という考えを持つことが出来るようになっていくのだ。この考え方によって多くの人は自分の小さなコンプレックスから解放されることができる。『俺/私の人生は100点満点といかなかったけど、子供も出来て元気に育ってくれているのでまぁ悪くなかったよな。』と。結婚と子供誕生を機に、多くの人が『自分が第一』だった人生の第一章を終えて『子供や家族が第一』の人生第二章をスタートしていく。

筆者は以前から若いうちから相手のもいて結婚ができる環境にいるのであれば、さっさと結婚して子供を早めに作ったほうが人生をトータルで見た場合にお得であると発信してきた。若いうちに子育てしたほうが体力的に楽だったり、住宅購入や働き方などのライフプランを広い選択肢の中から選びやすくなる。家庭を持ってからの第二章は第一章よりもイベントも多いしその難易度も比べ物にならない。早いうちから第二章を始め、ガンガンレベルを上げておいた方が様々な未来も描きやすいのだ。若いうちに結婚して子供を授かることは一見不自由なように見えて、実は人生の選択肢を増やしてくれる。

ただ気をつけなければいけないのが、子供が産まれて以降もコンプレックスにサヨナラが出来なかった場合である。この場合、すでに人生の第二章がスタートしているのに第一章の幕が下りないので、人生どっちつかずになってしまう。自分のための人生はまだ終わってない、やり残したことがあるのに育児や家庭のイベントが忙しすぎて自分の時間がない。そんな時につい人は『自分のコンプレックスを自分の代わりに子供に解消して貰おう』という方向に流れて行ってしまう。それが良い方向に転べばよいが、もし自分のやりたかったが出来なかったことが、子供の素質とかみ合わなかった場合、家庭と言う小さな箱庭の中で大きな悲劇が発生する。

もちろん大きなコンプレックスを抱えていても、それを子供に背負わせない親もいるだろう。しかしそれは実はかなり難しい。なぜならコンプレックスを子供に背負わせてしまうメカニズムは、決して自己満足ではなく”可愛い子供たちのために”という善意の皮を被ってやってくるからである。『自分と違い未来のあるこの子たちに自分と同じようなコンプレックスは持って欲しくない』という風にだ。これを抑え込むには、かなり自分を客観視出来ているか、もしくは配偶者がそれを見抜いてストップをかけてくれるかのどちらかしかない。

例えば自分が幼少期に勉強が出来ずに苦しんだので、子供には立派な学歴を手に入れて欲しい、と願い幼少期から子供を塾に通わせる親がいるとして、もし子供が自分の幼少期と同じように勉強が苦手だった場合はどうなるだろうか。親は自分が幼少期に抱いていたコンプレックスを子供を通じて追体験することになる。人はコンプレックスを刺激されれば情緒が不安定になる生き物だ。結果として子供に苛烈な勉強指導を行ってしまい、親子の関係が歪なものになってしまう。このようなケースはお受験経験者の多いSNSであるツイッターで沢山観測することが出来る。中には受験戦争に勝ち抜き良い仕事を手に入れた人たちですら、親のコンプレックスを背負わされたことに嫌悪し、親との関係があまり良くない人が多い。

強いコンプレックスを背負ったまま育児タームに突入するのが良くないとすれば、どうやってそれを解消すればよいのであろうか?まだ若く独身の人間と、質問者のようにもうすでに結婚して育児が始まっている人、それぞれで解決策は変わってくるが、コンプレックス相手に出来ることは3つしかない。

ここから先は

1,849字

¥ 250

この記事が参加している募集

サポート頂けるとnote更新の励みになります!いつもサポートしてくださっている皆様には大変感謝しています。頑張っていきますので、どうかよろしくお願いいたします!