今日のASD 「区役所の真知子」
真知子は住民票を取りに区役所に行った。書類の順番が来て、電光掲示板に自分の番号が出た瞬間、立ち上がると受付に向かう。
受付には、その前に呼ばれた1人の人が会計中だった。『なぜ』と真知子は思う。『私が来たのに、なぜ受付が空いていないのか』と考える。それから、おもむろに会計が終わっていない人が立っている後から、書類の受け取りのカードを出す。
区役所の職員は「今、会計中なのでお待ちください」と言う。
『なぜ』と真知子は思う。
それからその人の会計が終わり、職員が真知子の書類の手続きを始める。町子が黙ってみているとなにも言わずに、無言でお金を入れるトレイを押し出してきた。『何だろうこれ』と真知子は驚く。
お財布を出したまま真知子は言う。「いくらなの?」職員が慌てた様子で書類の料金を言う。真知子は思う。『どうして値段を言わないのかしら。住民票が1通いくらかというの、私は覚えてなくちゃならないわけ』
それから真知子はさらに言う。
「番号が掲示板に出たから来たのです。前の人が終わらないうちに番号出さないでください」
職員は言葉に詰まった。
それが真知子
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