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概念の分解《平時と有事の話③》

こんばんは😊
《平時と有事の話》は、自分の他SNSからコピペしておりますので、少し簡略化されていますが、ご容赦ください。

それでは、今回のテーマのラストてなります。
よろしくお願いいたします。


DMVは、列車にも車にもなる乗り物です。

線路と道路、それぞれの専用車輪が付いており、線路の終着駅である高知県甲浦駅から、乗り降りをする事なく、路線バスに早変わりします。

今までは、列車で甲浦駅に着いたあと、列車から降りバスに乗り換えて、次の目的地に向かうのですが、その乗り降りが必要なくなった訳です。

このDMVの特性を見ますと、運営は阿佐海岸鉄道(株)であり、代表取締役社長は海陽町長、いわゆる三セク 第三セクターです。

普通車両の時代は、線路がJRと繋がっており、JR車両も乗り入れ可能でしたが、現在は阿波海南駅までがJR、阿波海南駅から甲浦駅までが阿佐海岸鉄道の管轄です。

DMVの導入の為、線路規格が変わり、DMVの運行区間にはJR車の乗り入れは不可能だと思われます。

公共交通機関ですから、基本的な役割は
①地元住民の移動手段
②観光客の移動手段
であり、
世界初の運用をメインスロットに入れている為、
③客寄せパンダ
の、3つとなります。

①に関しては、日常生活の話ですから、利用客が増える事は考えづらく、利便性も変わりはないでしょう。

②は、マイカーやバイクで訪れる方がほとんどですが、一部の公共交通機関を乗り継いでこられた方や、歩きのお遍路さんの利用が見込めます。
ただ、DMVである必要はと言われると、答えに詰まります。

③の役割が、行政側としてはメインになるかと思います。
鉄道マニアの方や乗り物マニアの方の利用は見込めますが、リピートとなると難しいと思われます。
運用初年度〜3年目くらいまでは、一時的に利用者が増えるとは思いますが、中長期で見た場合は…

なんにせよ、やり方次第ではありますが、1台の価格が1億2000万、3台で3億6千万です。
それを含めた事業費は、16億超。

《平時》であれば、多少のコストをかけたとしても、なんとかなりそうですが、《有事》の今、抱えるべきコストなのかなと疑問は残ります。

移動手段だけで見ると、ランニングコストは高くつくかもしれませんが、普通列車と路線バスで対応可能ですから、ポイントになるのは、客寄せパンダ、つまり《観光資源》の部分。

路線バスをトゥクトゥクにするとか、いっそ阿波海南駅〜甲浦は廃線にして、サイクリングロードにするとか、人口が減る事が確定しているのであれば、もっと他の方法を…と、やっぱり考えてしまいます。

ここまでは私の意見ですので、DMVの未来がどうなるかは、また別のお話なのですが、《南海トラフ》を考えると、少し心配になります。

実際の津波の被害は、その時になるまで分かりませんが、海が目の前の地域ですから、海岸線を走る国道は、まず間違いなく寸断されます。

陸海空の救援ルートのうち、陸は難しい。
海に関しても、津波によって各港は崩壊か、瓦礫などによって着岸が困難だと思われます。
空は、極端に平地が少ない土地柄ですから、着陸は簡単ではなく、現在のヘリポートも山の中腹等にありますので、無事かどうか。
無事だとしても、ヘリの輸送キャパは小さい。

そう考えた時に、やはり《線路》はライフラインの一つです。
構造上、比較的高い位置に建設されていますから、一部が山崩れなどで塞がれても、海岸線の国道より復旧が早い可能性もあります。

確実性は高くはないでしょうが、選択肢の一つとしては、重要な訳です。

しかしながら、徳島市方面から列車での運搬が行われたとしても、DMV導入によって、JR車両は阿波海南駅でストップせざるを得ません。
線路が繋がっていませんので。

阿波海南駅から甲浦方面は、海岸線に国道が走りますから、ほぼ確実に陸の孤島となります。
他のルートは、ありません。

線路は頼みの綱となり得るのですが、阿波海南駅で物資は止まり、怪我人 病人 妊婦さんや子供達の移動が出来なくなる可能性が高くなります。

当然、DMVが無事であれば良いのですが、地震時3台とも線路ではなく道路を走っていたなんて事も、あるかもしれません。
私が知らないだけで、常に1台は線路上に居るのかもしれませんので、そうであってほしいですね。

そして、地震後にDMVが津波に巻き込まれていた場合は、DMVの為に復興予算が付くかと言われると、付かないでしょう。

線路がJR規格であった場合は、全国どこかの廃線地域から列車を融通して貰えるやもしれませんが、それは無理です。
そのまま、阿佐海岸鉄道は廃線でしょう。

当然、今言った事は旧来の列車路線バスでも起こり得ます。
起こり得ますが、どのみち同じ(JR車両が乗り入れ出来ないのは別)なら、今変えなくても…とは考えてしまいます。

少し批判っぽくなってしまいましたが、今挙げたリスクを抱える価値をDMVは持ち得ていないというのが、昔からの私の意見です。

そして、このDMV導入という決断の根底に、《日本の経済状態は保たれる》と《南海トラフ地震は、まだこない》という、《平時の維持》が可能であるという《幻想》が大きく影響している様に感じるのです。

DMVは、あくまでその一例に過ぎません。
今それをやるべきかどうか、《地方は既に有事状態である》を念頭に、課題を見つめ直す目を。切に願います。

他SNS文字制限の為、乱文ご容赦。

今回もお読みいただき、ありがとうございました😊
次回も、よろしくお願いいたします。

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