【仮説】適正なフルマラソンのペース設定
フルマラソンシーズンも佳境を迎えており、適正なペース設定に悩んでいる方(もちろん私もその一人です)は多いと思います。
あくまで私見レベルのアバウトな仮説になりますが、いくつかのファクターを組み合わせて設定する方法を考察してみました。
① VDOTからの算出
VDOTからの算出は最もスタンダードな方法だと思います。5000mや10000mの自己ベストから、あるいはハーフマラソンの結果からVDOT、そしてMペースを求めて本命レースのペースとして設定する方法です。
ですがランナー個々人によって距離によって適性が異なるため、多くの方はVDOTから算出されたペースに対して、
・自分はスピードタイプ(orスタミナタイプ)だからフルのペースは少し落とそう(or上げてみよう)
・これが目標のサブ◯だからVDOTを信じて押していこう!
といった形で補正をしていると思います。この補正は結局は自分自身のざっくりした感覚に頼るところが大きく、出し切れなかった/撃沈したといった結果に繋がりやすいという問題点があると思います。
② トラック練習の結果からの設定
トラックでの例えばTペースやIペースのポイント練習をした時、この設定をクリアできたからサブ◯レベルまで到達できてる!と判断してレース本番でも果敢に挑戦するパターンもあると思います。
それはそれで一つのやり方にはなりますが、その際に「これが本当にTペースだと言えるのか?」「単独でもクリアできるペースなのか?」を問い直してみるのも重要でしょう。そこのレビューをきちんとしないままだと大会本番ではオーバーペースとなり、終盤の撃沈につながってしまう可能性が高くなりそうです。
また、トラックとロードの反発やアップダウンの差も考慮する必要があります。
③ 直前のロング走の結果からの設定
これまたよくある方法ですが、大会3週間前のレースペースでの30km走をクリアできたからそのペースで大会本番も走るというやり方です。
②と同じで「その感覚が本当にMペースだったのか?」「そのペースでは30km走るのが精一杯(30kmTT)ではなかったか?」の振り返りが必要になります。後者の問いの答えが「テーパリングで疲労が抜ければフルも走り切れると思う…」だとしたら、終盤で撃沈する可能性がやはり高いと思われます。
④ 自分なりのペース補正のルールを固めていく
①〜③の方法も決して間違いではないと思いますが、そこに自分なりのペース補正のルールを固めた上で本番ペースを設定する方法が個人的には一つの解だと考えています。
あくまで私の場合ですが、下記のような補正ルールを設定してみています。
・ハーフマラソンのタイムから算出したVDOT→フルマラソンに適用可能
・トラック練習のTペース→ロード補正で+2.5秒&フルマラソン適正がまだ高くないので+2.5秒→トラックの体感+合計5秒したVDOTから本番ペースを設定
・上記が単独走の結果なら-2秒(集団補正)⇆練習は集団でやっていて本番で集団を捕まえられなければ+2秒
・体感気温補正 VDOT CALCULATORで計算
・その他テーパリング補正、コース難易度補正、爆風補正…
ケーススタディ
2022年10月の金沢マラソンの際は、
と計算して本番ペースを4’01”/kmに設定していました。
結果は2:52:33(4’05”/km)で設定ペースをクリアできませんでした。ですが直射日光で体感は20℃程度まで上がっていた気温補正を入れるとVDOT57.3相当→VDOT56.4相当(2:52:19)となり、実力相応のタイムだったことが見えてきます。
同じように3/5に開催される東京マラソンのペースを設定しようとすると、
といった計算になります。
最終的にはテーパリング含めたコンディション状況、天気予報チェック含めた体感気温補正なども組み合わせてペースを決める予定です。
このままTペースを引き上げられないままですとサブ45は結構難しそうです。(が残り6週間なのでできる範囲で積み上げます)
結論
結局は自分の感覚に頼ることになりますが、これまでのレース結果や経験に基づいてペース補正する際のルールを具体的な数値で固めていくのが重要ではないか?というお話でした。
もちろん、撃沈上等!目標タイムを出すために行けるところまで押していくぜ!という精神論アタックも有りだとは思いますが、そこで得られた経験を次のレースのペース設定時の客観的な材料にできればよりベターだと思います。