私の不思議な糠床
私の糠床は少し変わっています。
初めて作る糠床のレシピを調べている時に、乳酸発酵が進むには時間がかかることを知りました。
早く糠床が食べたかった私は短時間で糠床が出来ないものかと考え、日本酒が好きだったこともあり、すぐに乳酸を添加する方法を思いつきました。
日本酒風に言うのではあれば、速醸糠床です。
一応、日本酒の造りについて少し説明すると、日本酒の造りにも乳酸を必要としています。
あらかじめ生成された乳酸を使って仕込む方法(速醸)と、乳酸菌で乳酸発酵させて乳酸を生成して仕込む方法(生酛)があります。
私はこの速醸の方法で、糠床を仕込んでみることにしました。
ただ、このアプローチには1つ欠点がありました。
日本酒の造りで乳酸を必要としているのは、雑菌の繁殖を抑え、酵母による発酵を健全を行うためであることに対し、糠床はメインの発酵が乳酸発酵となっています。
そもそも発酵していないので、深みのある味わいにはなりませんでした。
そんなわけで、糠床に漬け込むのをやめ、糠床を半年ほど常温で放置していました。
半年後、糠床を処分しようと思い、糠床の容器の中を除いてみると、なんとカビが一切生えていませんでした。
乳酸は雑菌の繁殖を抑えるとは言え、流石に夏場も放置していたので、カビがたくさん生えていると思っていたので、これには驚きました。
せっかくなので、糠床に野菜を漬け込んで食べてみましたが、深みのある味わいになっていました。
おそらく半年の間に乳酸発酵が進んだのでしょう。
そして、何よりこの糠床の変わっている点が、いくら常温で放置してもカビが生えないことです。
私は週に1度くらいしか手入れをしないのですが、1度もカビが生えたことがありません。
おそらく、最初に乳酸を添加したことにより、かなり雑菌が繁殖しにくい環境になったからでしょう。
以上、私の不思議な糠床の紹介でした。
トップの写真は、実際の私の糠床です。
私が実践している糠床を美味しくするテクニックもいくつかあるので、また今度、紹介出来たらと思います。
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