「俺と言えばこのベース!あいつと言えばあのベース!」があるとやっぱり印象に残る。
【音楽学校を卒業する時に言われた今でも記憶に残ってる言葉】
「お前もなぁ~『これ!』ってベース使ってるともっと面白くなりそうなんだけどな~。」
自分の中で結構~、心に刻まれたこの言葉。
5弦、6弦、フレットレス、パッシブのプレベ、アクティブの4弦、とっかえひっかえ弾いてたり、それを自慢にしていた部分もあったと思う。
「俺は何でも弾けるぜ!」
「ベースが大好きだ!」
「ベースの新しい可能性を見つけるんだ!」
なんて夢や野心も抱いてたし、とにかく「ベース!ベース!ベース!」で人生を埋め尽くそうとしていた。
一方で「やっぱパッシブよ!」って感じにこだわってた仲間達に憧れやコンプレックスを抱いたり、「あいつと言えばあのベース!」みたいなのを持ってるやつに対する胸中など、穏やかじゃなかったのも本音。
【器用貧乏】ってやつになってないか自問自答もしてたし、「コレクターみたいには絶対なりたくない!」なんて意地を張って万遍なく使ったり、どれもちゃんと弾けるようにしたり、なかな微妙な姿を思い出してしまう。
実際、努力もしてたと思うし、学校のイベントでは優勝準優勝の常連だったり、必死こいて練習してたのは自他共に認めるところなんじゃないかなと。
だからこそ、
「お前もなぁ~『これ!』ってベース使ってるともっと面白くなりそうなんだけどな~。」
ズド~ンと響いた。
自信の無い部分、弱いところをズバッ!と指摘されてしまった、濃いキャラも何も持ってない、ルックスから何から人の印象に残らないだろう、そんな自分の情けなさをブッ叩かれたと言うべきか、未だにこうして記憶に残っている。
先生からすれば世間話的な感じだったり「おー頑張ってけよ~」ぐらいなノリだったと思うし、こちらとしてもその場でそんな思い悩んだりとか、ヘコんで寝込んだとかそういう話ではない。
ただ、ダメージのそれではないからこそ、今でも凄く大事にしたい言葉、意識すべき感覚として記憶に残している。
あれがあったから今こうして、12年以上も同じベースを弾き込んでいるのかもしれないし、ベース選びにずっとフラフラしてきた反動や劣等感もエネルギーになった気がする。
あの言葉を貰えて本当に良かった。
【初めてのジャズセッションでのショックと意識の変化】
とにかくミスしないように無難に、退屈極まりない事をやってしまった初めてのジャズセッション。
全然グルーブしない、スイングしない、サウンドしない、そんな違和感、かっこ悪さに死にたくなった嫌な思い出。
セッションホストの方と後からやってきた人はアップライトベースを使い、実にジャズなサウンドを叩き出す。
それだけではなく「そのベース弾いてみていいですか?」と、後から来たその人に自分のベースを貸してみたら、全く別のサウンドが飛び出てきて激烈ヘコんだ。
「エレベじゃやっぱ駄目なんかなぁ….」なんて逃避も許されない、目の前でバリバリジャズやってる様を見せつけられ、ショックで泣きたくなった。
さらに「これぞ変態!」って感じのギタリストが現れ、その圧倒的な存在感と意味不明なサウンドに脳ミソを持っていかれた。
その場を後にし、強烈に湧いてきたのは、
「あの人達、明日になったら俺のこと忘れてるんだろうな….」
そんな悔しさと実感だった。
あの惨めな経験で本当、自分の主張の無さ、無個性さに本気で嫌気が差し、「ほんの僅かだろうと人の印象に残らないと駄目なんだ!」って意識するようになった。
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