ン十年ぶりにコピー本を作ってみたくなりました。お手伝いではなく、自分の本を!
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
約一年前にTwitterで呟いて、ざっくりした仕様書とメモ書きを、noteに下書きとして書いてました。
いきなり仕様書の通りとはいきませんでしたが、作っちゃったんですよ……おうちコピーで中綴じ8ページ!扉写真にチラッと見えてるのがそれなんですけど、先日の文学フリマ東京でフリーペーパー第一号として配布したものです。
noteに書いておけば叶う――これがまた一つ立証されました。
なので、またまた調子に乗って、書いてみます。
書けば最初の仕様書通りの本を仕上げる日が近くなるかも、しれませんので。
熟成に熟成を重ねた下書きに、大幅な加筆修正をして、ひとくさり。
よろしければ、お付き合いくださいませ。
🌼 🌼 🌼 🌼 🌼
その昔。
コンビニのコピー機がまだ珍しい時代じゃなかったでしたっけね?
都内某所、同人誌の印刷をじゃんじゃん引き受けてくださる印刷屋さんがずらーっと軒を連ねる街に、面付した原稿と表紙用の色画用紙を持って行きました。
お友達が描いた漫画と短編小説を、通称:薄い本に仕上げるためです。
お金を印刷屋の社長さんにお支払いして、コピー機の使い方を教わって。
両面コピーなんてやったことないですからね。当然、表と裏で天地がひっくり返っちゃって、わやにした分は失敗した子が自腹でお支払いしないとならなくて。
主に製本のお手伝いで参加していましたけれど、ドキドキ(冷や汗方面で)体験でした。
どうにかこうにか、本の体裁をしたモノが出来た時は嬉しかったなあ(∩´∀`)∩
――とまあ、こんな感じに。
文房堂さんのつぶやきを読んだ時、そんなような思い出がブワワアアアアっと脳内を駆け巡って、思わず引用リツイートしたのでした。
めでたし、めでたし( *´艸`)……で、終われば良かったのですけども!
歳降りて、私もちょこっとだけ刷ったり綴じたりする業界で働いたこともあるのでね、作ってみたいなー!と。今なら「昔取った杵柄」的にひとりでできるもん🎵なのではないか、と。
そんな気持ちがムクムクとね……ハイ、沸き起こりましたのです。
本気を出したオトナの妄想って凄いですね、あらゆる困難を飛び越えるために、知恵と財力(大きめのブタちゃん貯金箱程度の財力ですが💦)を惜しまんのですよ。
いったん走り出すと、自分でもびっくりするほどアイデアと必要なモノどもがぽんぽん思いつきます。
とりあえず一冊目を作ってみたんです
さあ、仕様書に合わせて作ってみようか!……となったかと言いますと、事はそううまくは運びませんでした。
全行程を手作業で進めるコピー本では、製本技術が最大の山場だったりします。どんなに面白い内容で表紙デザインが素敵でも、紙の質感や印刷スペックは職人さんが製本したのとは比べ物にならないチープさです。そこはどうしても、否めません。
なので、そもそもが、購買意欲をそそる本にならなかったりします。これでバッチリ素敵な本になるに決まってる!と資材を揃えてみても、いざ刷ってみるとそうでもないことってあるのです。
「え、これ?この質で300円なの……よっぽどオモシロければいいけどさ」
読んでくださればわかります!オモシロいんですよ!!
いや……ジャンルが一応『怖い話』だし、オモシロい・どちらさまにもオススメですよと大騒ぎして売るのはどうなんだろう?
諸々鑑みると、お客様が仰るのもごもっとも……様々な状況を想定すると、いきなりぶっつけで「売るための本」それも怪談系(創作ですけど)をコピー本で作るって大冒険なんだなあ。思わず視線が遠くの白い雲を追いかけてしまいましたよ……。
そして程なく、もう一つどでかい課題が現れます。
ただでさえ材料費・制作費が馬鹿にならんと来た上に、素人製本という最難関の問題が待ち構えていました。
不肖ワタクシ、不器用ですから。折り鶴折るのにも手が震えるタイプ。
印刷した本文紙を正しい折順で折って「折丁」てのを作るのも手で一枚ずつ折りますので、角をきっちり揃えて折り目が拠れないように折るための技術ってのが必要です。
表紙に厚手の、ちょっとお高い紙を使うとなると、これまた折るためにもうちょいハイレベルな技術が必要になって来る……お高い紙に限って綺麗に折るって難しいんですよ。
そうやってどんなに持てる技術をつぎ込んでも、やはり製品には向かないねって本が出てくる……技術が拙いうちはその数も多い……諸々を詰めていくと、
「この仕様書書いたヤツ誰だ、出てこい!……私か(´;ω;`)ウゥゥ」
とまあ、これまたコント見たいな結論に。
そういえば、前述の「昔々にお小遣い出し合って作ったコピー本」も最終的にそろえることができたのは8冊でしたからね💦
ともあれ。
あーだこーだ、試算と試作を重ねた結果、私のブタちゃん貯金箱規模の財力では、今回、上記仕様は見送った方がよろしいということになりました(ぎゃふん)。
最終的な落としどころは、まず叩き台になるフリーペーパーを作ってみてはどうか?てことでした。
仕様は「おうちのインクジェットプリンターで一番安価な紙に印刷。ページ数は折丁一つ分で8ページ」と決まりました。
そうしてできたのが、第三十四回文学フリマ東京で頒布したフリーペーパー第一号です。
見た目は驚くほどチープですけども、フリーペーパーなのでご容赦願うとして……一応、作業員(=私と家族)の技術向上が見込めるような仕組みを随所に盛り込み、スキルアップを目標の上の方に設定して取り組みました。
張り切り過ぎて100部も刷っちゃって。
とはいえ、約二割を受け取っていただいたのは、嬉しかったなあ。
紆余曲折ありましたけども、実際にここまでの道のりは大いに楽しみながら乗り越えてきました。ホチキスで一冊目を中綴じした時、袋になってるところをカットして本文を捲ってみた時……やったあああ!と拍手して大喜びしちゃいましたもの。
そう、コピー本を作るってのはとても楽しいコトなのです。
楽しいことを一つやり遂げると、自信が付きます。スキルを覚えて、ちょっとレベルアップしています。だから、次はもっといいものを作るぞと欲が出てきます。
いずれは最初に上げた仕様書にそう形のコピー本を作りたい!その野望だって捨ててはいません。
第二号、第三号とフリーペーパーを作り、技術を上げて……必ずや、じっくりと読むためのコピー本をどこかで待っててくれる誰かに(たった一人でもいい!)にお届けしたいと思っています。
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