【あらたま流きもの雑記】継続すること。愛し続けること。纏うことも、同じ。【火曜日連載:2022年2月1日版】
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
二月になりました。昨日のドタバタ気分を引きずりつつも、月が改まったのですから、パリッと背筋を伸ばして歩んでいきたいなあと。そんな風に、今朝は考えていました。
暢気なものです。ぬるま湯を張った小さなプールの中で、ボケーっとしているうちは……。
月初めですので、朔日参りに行ってきました。昨年秋から新たに習慣として取り入れています。朔日と十五日。月に二回、大きな御社にお詣りに。
書き物に対し腰を据えて、早いもので数年が経ちました。
正直な話、それほど信心深くはないのです。
けれど、書いているモノがモノ――実話をそのままお出しはしませんが、稀に「基づく」場合がありますから――ですし、思うところあって定期的に神社に行ってご挨拶をします。
決意表明、といった方が正しいかな。
頭の中がこざっぱり、整理整頓され、さあ気合いを入れて今日からまた書いていこうじゃないか!――という矢先、かなり嫌な目にあいました。もう何度も絡めとられて、その度に逃げて、今も袖の振り逢いを装っては時間と労力を吸い取りに来るヒト・モノ・コト。そういう種類の件に。
最近では私もちょっとはオバサンになりましたので、振り払うことも出来るようになりましたが、それでもやっぱり都度疲れて(憑かれて?)しまいます。
あらたま流きもの雑記は、とにもかくにも楽しく書く!のを信条にしています。
なるべくそのようにと、心を尽くして書きますが、どこか調子っぱずれなところがあったらごめんなさい。
それでは始めますね。
いつもの拙著宣伝のあと、目次が続きます
本日ご紹介の一式
いつもは紬や木綿などの「かたもの」のきものを好んで着ています。着慣れたものに袖を通すと、短時間で着られますので。
普段の生活はとかく時間勝負なことが多いですね。たいむ・いず・まねー。
こんな事情もあります。
書き物作業の時に着るとなると、書き物に対しての脳味噌のスイッチがonになる、そんな儀式というかトリガーが欲しい――のです。
おはしょりの線がピシッと決まる「かたもの」のきものは、その点ちょうどよく背筋が伸びるといいますか、適度な気合いが入るのです。
とはいえ、たまには「やわらかもの」も着とかないとねと思うのです。
袖を通すのが最高の風通しというポリシーもありますが、帯結び同様定期的に着てないと着こなし方を忘れてしまいます。
以前は週末ごとにお友達と示し合わせて、自分なりのスウィートだったりエレガンスだったりを工夫して「やわらかもの」を着ていたもんですが、今の御時世ではなかなかそれも叶いません。
なので一計を案じました。
おうちの中で――書き物の時に「やわらかもの」も着てみよう。
書き物スイッチをonにする工夫は都度、考えて行きゃあいいじゃないの。
とにかく着る。背筋を伸ばすのは私。きものはそんな私に寄り添ってくれる。
この小紋、実は衣紋と衿に猫の足跡、裾に赤い首輪で洒落た黒猫ちゃんの刺繍が入っています。だから付け下げ「風」なの。
※わかりやすい写真撮ればいいのですよね💦後日改めて!
万筋というのはたくさんの細い縞模様が染められて、遠くから見ると無地のように見える柄。この小紋は黒に限りなく近い鼠色で染めているので、かなりカッコよく見えてしまうんですね。
そこでユーモラスな刺繍が入れて、親近感を出し、御洒落着・遊び着としてデザインしたということでした。
実際、背縫いを跨ぐ足跡は、遊び心を通り越して猫好きの悪戯みたいに見えることも多いみたいで、吃驚(からの大笑い)される方も結構いらっしゃいます(;^ω^)
私が初めて「御仕立て」をしたのが、この小紋。
なのでもう二十年近くのお付き合いになります。
身幅がパツパツになってしまったこともあったけど、今はちょっと余るくらい。しっとりと体に寄り添ってくれる、良きお友達です。
作業用ということで、半幅帯をいつものように合わせました。
この日は……ちょっと可愛く、カルタ結びにしたんだっけなあ。
ところが、結び目を後ろに回すとミンサーの色味と相俟って上半身はやけにカッコよくなってしまいました。蟄居中のお侍さんって感じでして、蟄居中なのは確かにそうなんですけどね、いやしかし、狙っていたのと違う仕上がりでした💦
きものの「かたい」と「やわらかい」って何?
さてさて。
本日ご紹介した一式の中に出てきた「かたもの」と「やわらかもの」。
聞いたことないなあと仰る方も居られると思うので、今回の小話テーマはコレにしましょうね。
かたもの
主に紬や木綿といった普段着で着るきものを指します……と説明されることも多いですが、私の中では少々ピンと来ないです。
私が独自に(あくまでも独自ですよ!)密かに「かたもの」と定義しているのは、着るときに折り紙みたいに折り目がピシッと決まるきもののこと。
おはしょりがぺったんこに作る事が出来、体にビシーッと貼り付くような出来上がりになるきものを「かたもの」と呼んでいます。
やわらかもの
かたものとは対照的に、おはしょりの折り目に厚みというかふわりとした印象があり、体のラインに充てて沿わせるというよりも巻き付かせるように着ていくきものを私は「やわらかもの」と捉えています。
※あくまでも独自論ですよ!大事なので二度目。
素材感(生地の手触り)がとろんとしていて、体の動きに合わせて緩やかなドレープが現れるのがなんともエレガンス。「かたもの」みたいにピシっと着ればカッコよく、その自然な落ち感を活かして着るときにフワっと空気も一緒に纏うようになれれば、エレガントなだけでなく、粋で上品な艶のあるお姐さんになれちゃう……おっと、これは上級テクニック。
きものの着方をラッピングに喩えると、かたものは一般的なプリント包装紙で、折り目を包むものに合わせてきちっと折っていくことでこざっぱりとした仕上がりになる……というイメージかな。
一方のやわらかものは、不織布やチュールなどが近いかも。包むものによってはぐんと難易度が上がるので扱いにコツが要りますけれど、素材の特性を生かして包めば一気に華やかでオシャレに見えたりするでしょう?
着付けのお教室では先生によってどんなきものから練習をスタートするのか?様々お考えが御有りのことと思います。
私個人の見解としましては、きものを着る「型」がわかりやすいのは、ラッピングしやすい「かたもの」かなあ。おうちで、独自にきものを着る練習をする場合、私が浴衣からおススメするのはそのためもあります。
浴衣は大抵木綿=かたものです。生地も比較的薄手で(今は夏向けのきものってことになってますからね💦)扱いやすく、故に着やすいからです。
今回は私の独自路線をひた走る小話になりましたが、なんとなーくでも「かたもの」と「やわらかもの」の違いがイメージとして伝わっていたら嬉しいです。
そして、それぞれの持ち味を生かしたお洒落に挑戦したい!と思ってくださったなら、そりゃもう!この旧正月に盆踊りを踊っちゃうくらい、嬉しいです。
いかがでしたか
ほんとうはもうちょっとハジけたお話を書くべく、話題もご用意していたのですが。
スミマセン。
駄目ですね、少しは図太くなったと思っていても、昔ながらの強敵(友とは読みません)にかち合うとまだまだ弱い。
来週は元気を取り戻して書きますね。
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