埼玉本屋巡り
先週は浜松。今日は埼玉の大宮周辺の本屋さんを巡る。先週本屋さんを3軒巡って結構満足したはずだったけれど、せっかく埼玉に行くんだからと予定がある15時頃までぶらぶらと5軒の本屋さんを巡るという贅沢な時間を過ごした。
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最初に行ってみようと思っていた本屋さんの最寄り駅「北与野」で降りたら目の前のビルに本屋さんがあることを知り、せっかくだからと中に入ってみた。内装としては1階が雑誌だったり文庫だったり、2階はコミックだったり店員さんのおすすめのコーナーだったりと駅近くにあったら便利!な本屋さんだった。個人的には最近雑誌をよく買うので、雑誌のラインナップも良さげだったのが好印象。最寄り駅の近くにこんな本屋さんがあったらうれしいのに、と思いながら目的の本屋さんを目指してお店を出た。…出たら目に飛び込んできたのはネギだった。
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道端に落ちるネギ。近くのスーパーで買って買い物カゴに入れて自転車を漕いでたら落としてしまったのか、それとも買い物袋に入れて帰る途中にとしてしまったのか…。なんにせよ、自分には救うことが出来ないのでネギに謝りつつ、目的地を目指して歩き始めた。そして歩き始めてしばらくして目に飛び込んできたのはガードレールにかけられたスーツのズボンだった。
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恐るべし北与野。もとい面白すぎるぞ北与野。たぶんこのガードレールの目の前の民家にかけてあったものが風で飛ばされてしまったのを親切な人がガードレールにかけてくれたのだと思う。とりあえず今日は風も強くなくて天気もまあまあ良かったので不幸中の幸いなのか…?と思いつつ、これも自分には救えないので風に飛ばされないことを祈りつつ目的地を目指してまた歩き出した。
そして流石に二度あることは三度ある…なんてことはなく、目的値の「でこぼこ書店」に到着。
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入った瞬間に「わたしたちのさいたま国際芸術祭2003」というZINEが目に飛び込んできて、即座に手にとって、中身もろくに確認しないまま買うことを決意。というのも今日の一番の目的が「さいたま国際芸術祭2003」でディレクターを務めた「目[mé]」のイベントが「さいたま芸術劇場」で行われているので、それを一目観ることだったのでまさに運命的な出会い。その時点で「あ、この本屋さん好きかも…」と思ったのだけれど、その予想通り内装もめちゃくちゃ好み。2階建ての家がそのまま本屋になったような感じでまさに、実家のような居心地。1階は新刊で2階が古本コーナー。1階の新刊コーナーにはおそらく店主さんおすすめの本たちに加えてZINEが置いてある棚があって嬉しい。浜松の本屋巡りの時にも思ったけど、この本屋さんいいなーって思う独立系書店に自分が持っている本が置いてあるとなんだか嬉しいし、誇らしげに気持ちになる。2階の古本コーナーもラインナップが素敵。2階に登る階段には「どなたもどうかお入り下さい。決して遠慮は要りません。」と注文の多い料理店の入り口に書かれていたものと同じ文句が書いてあってそれもやっぱり素敵。古本も沢山あるのに加えて部屋の真ん中には大きめの机と椅子が置いてあるのも嬉しいポイント。椅子に腰掛けながら棚を見渡してどれを買うか迷う。今回もバッグは小さめなので買う本は選ばないといけない。というわけで今回はお店に入って即座に購入を決めた「わたしたちのさいたま国際芸術祭2003」というZINEと、職場でも使えそうだし、自分の勉強にもなりそうな「百人一首 今昔散歩」を購入。お店に入ってすぐ手に取ったので「これを買いに来たんですか?」と店主さんに優しく話しかけられる。持ち前のコミュ障スキルが発動してどもってしまって申し訳ない…。なんとかここに来た経緯とその本を買おうと思った理由を伝えて退店。店構えを写真に撮ることも快く了承してくださり、雰囲気がとても良いお店だった。
「でこぼこ書店」を出た時点で11時頃だったのでとりあえず大宮駅まで歩いて3軒目のお店を目指そうと思い立ちずんずん歩く。2キロ弱だったし余裕でしょ。と思ったけど中々疲れた。そんなこんなで大宮駅に着いたら駅ビルにジュンク堂を発見。そういえば一昨年部活の大会で関東大会に進出した時の宿泊場所が大宮だったことを思い出す。その時、夜は自由行動にして朝改めて集合しようと生徒と話して、夜がフリーになったのでこれ幸いにとジュンク堂に行ったんだった。エレベーターに乗って扉が開いて見えた景色が2年前と同じで懐かしい気持ちになる。売り場をぐるりと回って2年前のことを懐かしみつつ、大宮ともなると駅ビルにこんな大きい本屋さんがあって流石だな…うちの近くの本屋さんはビルごと潰れたしな…と寂しくなる。大型書店は流石に品揃えがいいな、と思いつつも最近はやっぱり個人経営の独立系書店のあの感じが好きだなーと思いつつ退店。
そろそろお腹も空いてきたので駅周辺を散策。「伝説のすた丼屋」と「焼き肉ライク」の誘惑。一瞬負けかけたけど、せっかくここまで来たんだし、地元にはないところで食べたいなと思いつつ、とりあえず本屋さん目指してみるか、と大宮駅周辺から脱出。
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そして辿り着いた4軒目「夢中飛行」。ここは一棚一棚にオーナーがいて、自分のおすすめの本を置かせてもらい、それを売っているシステム。最近だと神保町の「PASSAGE」が有名かも。棚1つ1つに個性が滲み出てて眺めているだけで面白い。特に自分の好みと似ている棚を見つけると、そのオーナーにあってみたい!という気持ちが湧き上がってくる喫茶店も兼ねているのでコーヒーのいい香りもしていて落ち着いた雰囲気。こういう時自分のビビリなところが嫌なんだけれどこういうお店で紅茶とかコーヒーを飲みながらまったりと読書をする勇気が欲しい。ここではしおり3つがランダムに封入されているというセットを購入。お値段なんと110円。今帰りの特急の中なので家に帰って中を開けるのが今から楽しみ。
流石に空腹だったので店を後にして、次はせっかく大宮に来たんだからと氷川神社を目指しつつお昼のお店を探す。「夢中飛行」を出てすぐのところに町中華「珍楽」を発見。ここから先お店もあんまり無さそうだし、何より町中華は当たりが多いのでここに決定。結論から言えば大当たり。炒飯と餃子を頼んだけど、リーズナブルだし美味しい。心残りがあるとするなら炒飯を大盛りにしなかったこと。後から来たカップルの彼氏さんが炒飯を大盛りにしてて、大盛りに出来たのか失敗した!と心の中で叫んだ。調理担当のおじちゃんも接客担当のおばちゃんもイイ味出していて面白いお店だった。
その後は氷川神社を散策。縁結びの神社らしいのでしっかりお参りをした後、おみくじを引いてみる。
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なんともパッとしない。というか心に苦労が絶えない兆とな…?なんとなく不吉な気配がする。縁談は良しとのことだけど、待ち人は来るのが遅いらしい。でも旅行と仕事が「よし」なのは嬉しい。ガンガン出かけて楽しい経験を積んでいこうと心に決める。このおみくじを引いたものは「天津神社」と「宗像神社」を信じるべしとのことなので、2つの神社にもお参り。氷川神社よりもお賽銭を多くしたので何卒救ってください。ここにも2年前生徒と一緒に参拝してたので当時のことを思い出し、みんな元気だといいなあとしみじみしながら次の目的地へ。
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ラストは「蔦屋書店 浦和」。氷川神社に参拝した後まだ時間があったのと、そういえば2年前にも行って楽しかった記憶があったので浦和へと向かい蔦屋書店へ。浦和の蔦屋書店は改札直結なのが嬉しいポイント。駅直結の本屋さんがあるなら喜んで電車通勤にする。相変わらず蔦屋書店はお洒落。以前有名どころで言えば、代官山や二子玉川、中目黒の蔦屋書店に行ったことがあるけど蔦屋書店はどこもお洒落。本棚の配置やそこに並べられている本が素敵。大型チェーンの書店の中には品揃えはいいけどなんかつまらないってお店もあるけど蔦屋書店は基本ハズレがない気がする。多分そういうコンセプトでお店作りしているんだろうけど、そういう商業的ないやらしさはあんまり感じないし、個人的には好み。個人経営の本屋さんに比べて蔵書量はやっぱり多いし、ブックカバーや雑貨なんかも揃ってるし時間が無限に溶ける空間。スタバが大体併設されている気がするのは偏見なのだろうか。でもそのスタバにしたって利用しているお客さんのほとんどが読書に勤しんでいる、というのもポイントが高い。本好きが沢山いる空間はやっぱり安心する。ぶらぶらと本棚を眺めて今回はパリュスあや子さんの「パリと本屋さん」と吉田篤弘さんの「夜に身をひそめるところ」を購入。「パリと本屋さん」は装丁が好みだったのと中身をチラッと読んだらビビッと来たので買うことを決意。「夜に身をひそめるところ」も同じような理由なんだけれど、作者の吉田篤弘さんは推している作家さん。吉田篤弘さん…というより「クラフト・エヴィング商會」を推していると言った方が正しいかもしれない。「クラフト・エヴィング商會」は吉田篤弘さんとその奥さんからなるユニットで、実在しない書物や雑貨などを手作りで作成し、その写真に短い物語風の文章を添える、という形式が多く、一時期どハマりして本屋さんに行くたびに探してた。昔出版されたものはなかなかレア度が高くて書店に並ぶことが少なかったのでAmazonでなくなく中古で何冊か買った思い出。ここで見かけたのも何かの縁と思って新刊を購入。家に帰ったら「クラフト・エヴィング商會」の棚に並べるのが楽しみ。
前に東京で途中下車して本屋さんを巡った時同様、今回も本を沢山買う予定は無かったので小さめのバッグだったことを最初は後悔してたけど案外これはこれで正解かもしれない。やみくもに何冊も買い漁るのではなくて、精査した数冊を買うのも楽しい。移動中の電車で今日買った「パリと本屋さん」を読んでいたけれどこれは大当たり。先週浜松で買った本も残っているけど、少しずつ積読を消化していこうと思う。
なんてことを思って電車を降りたらまさかの教え子と遭遇。良い休日の終わり。