Park(ing) Day in Berlin - 車から人に都市の公共空間を取り戻す
2005年にサンフランシスコから始まった路上の駐車空間を人のための公園的空間につくりかえる運動は世界に広がり、毎年9月の第3金曜日には各国の都市でさまざまな取り組みがお祭り的に実践されています。
日本でもソトノバさんが全国の都市で展開されています。
2024年9月20日、ベルリンでPark(ing) Dayを体験してきました。ベルリンでは2009年にハッケシャーマルクトで最初に実施されたそうです。
※詳しくは:Berlin Park(ing) Day
ベルリンでは市中心部のオラニエン通りをメイン会場として、普段はたくさん車が駐車しており車の往来もあるようなところが、綺麗にクリアランスされて人やテーブル、遊びの装置、ステージなどに様変わり。14時から22時までの束の間の変化のひとときを存分に楽しむ人たちでにぎわいました。
ステージでは音楽が奏でられたり、区や議会の関係者へのインタビューや座談会などが行われたりしていた一方、路上ではテーブルをいつもよりはみださせたお店があったり、地域の団体や自転車関係の団体などが遊びの空間をつくりだしたりもされていました。
その他、ベルリンの各地でも主にお昼過ぎから夕方にPark(ing) Dayの取り組みが実行されました。
たとえば35箇所の生活道路では少しだけの区間で、車の往来をブロックされ、「遊びの通り」(Spielstraße)になりました。
クラインガルテンや貸農園の近くでは、路上に長いテーブルを置いて食事を楽しむ人々も。
あとは都市計画計系の事務所や団体、そして議員が今後の公共空間のあり方を議論しているところも数か所あったようです。
ほかにも自分でマグカップデザインをしたり、踊ったり音楽を奏でたり、さまざまなアクティビティが道路空間に同時に展開された日となりました。
当然、通りに入ってきてしまって困った車や、周辺で起きる渋滞も見られ、大変なこともあったと思いますが、年に一度こういった機会を設け都市空間を人間の体で楽しむというのもよいなと体感で感じられました。
ただ、一か所移動するのに最低30分程度かかることが多く、到底時間が足りず、その現場を見る事はできなかったのが残念でした。
こうした体験が、住民一人ひとりがこの先の都市のあり方の再考するきっかけにもつながっていくのだろう。まさに短期的なアクションから長期的変化を促す「タクティカル・アーバニズム」(こちらも詳しくはソトノバさんの説明をご参照ください)の片鱗を感じたスペシャルな1日でした。