ケーキ ケーキ ケーキ
いつか作ろうと思いながら何十年もたってしまったお菓子が、萩尾望都のマンガ「ケーキケーキケーキ」に出てくる「夢の中で聞いた歌」と「ロムウール」と、大島弓子の「バナナブレッドのプティング」。
人生を変えてしまったような特別なマンガすぎてなかなか手が出せない。
「ケーキケーキケーキ」は「押しかけ秘書」などコミカルなものを書いていた一ノ木アヤが原作。
そのせいもあってか萩尾望都本人は不本意だったらしく、いつもは丁寧で繊細な萩尾望都の線が走っていて、個人的にそれがすごく好き。
原作をどこまでなぞっているのかわからないけれど、この一作で自分の中の少女漫画のイメージを変えてしまった。
ネタバレになるけれど、主人公が恋してた人があっけなく死んでしまって、その人と同じ仕事を目指すなんて、当時の少女漫画では考えられなかった。
ラスト近くで主人公が夜中に目が覚めて、「どうしていつも誰かがどこかで泣かなければならないんだろう」
何故生きている私が何もしないでいるんだろうと涙を流す。
その夢からつけられたのが夢の中で聞いた歌というお菓子。
夢が現実よりリアルなことがある。
死んでしまった人たちが出てきては、普通に生活して、途中で、この人は死んだはずと気がついて目が覚める。
生きている自分が何してるんだろうと思ってしまう。
オーブンを買い換えたらケーキを作らないと。