多言語ダッシュボードランキング #1
いつもブログを読んで頂きありがとうございます。今回はアクセス数を見て、一体私のブログを読んでくれている方々はどんな言語に興味をお持ちなのかランキングしてみようと思います。
ありがたいことに現在のところ、記事としては11本。黒田龍之介先生の『世界の言語入門』にリストアップされている言語は約90種類程度だと思いますので、1割進んだと言えます。今回の対象は#1〜#10までが対象です。さて貴方のお気に入りの言語は一体何位にランキングされているのか?
10位
10位は位アイヌ語です。もう少し人気になるかなと思いましたが、10位になるのは流石に考えていませんでした。最初に「好き」を5回つけられた記事でもありましたので、この結果は完全に予想を裏切る形です。
恐らく『ゴールデンカムイ』による影響と先住民族言語復興運動がうまくコミットし、アイヌ語の知名度はこの数年間で抜群に上がったと思います。その一方で、生きたアイヌ語を聞くことは絶望的で、アーカイブなどで言い回しや発音を研究することが上達の近道になってしまっていることは残念です。ウタリ同士で出会える環境がある北海道が羨ましい。文法も中国語と日本語を折衷したかのような構造をしており、とても興味深いです。ぜひこの機会に学んで見てください。
9位
9位はイタリア語です。ただイタリア語は10本の記事の中で投稿が一番遅いから閲覧数が少ないからではないかと考える人がいるかもしれません。でも、実はそうではなさそうです。というのも、今日の時点でイタリア語の後に書いた「イデイッシュ語」があと3名の方が閲覧すると、イタリア語を追い越してしまうからです。この結果から、ここに足を運ばれている方々は大言語にあまり興味がないのでは、と推察することができます。
イタリア語は大学の副専攻にも最近は名前が上がらなくなっており、教育の中では勉強できる機会がそんなにないのではと思います。しかし、イタリア語は国内にある豊富な地方言語の入り口であり、アルバレシュなどの非イタリア系言語へアクセスするショートカットでもあります。イタリア国内の面白言語に触れるためにもイタリア語は必要不可欠です。
8位
8位はアルメニア語です。マニアックな言語が好きな人は気にいる言語だと思うのですが、9位は予想外でもっと高い順位だと思っていました。
今思えば、アルメニア語のコロンの使い方はギリシャ文字と類似していますね。説によればギリシャ文字も参考にしてアルメニア語が作られたという話も聞いたことがありますが、こういうところをみると100%でないにしろ、ギリシャ語ベース説はあり得る話だと思います。何もないところからコロンやセミコロンをピリオドや句点のように使おうとは考えないでしょう。クセノポンの『アナバシス』で伝えられているようにバビロニア地方からギリシャまでギリシャ軍が遠征もしていますので、ギリシャの文化が影響を与えなかったということを否定できる要素は考古学的にも少なさそうです。
7位
7位はアラビア語です。最近ではNHKでどうもモロッコ方言のアラビア語の講座を放映しています。狂気の沙汰(褒め言葉)です。
改めて見ると語学教材の評価の話が一割ほどあり、少し例外的な記事であっただろうかとも考えます。しかしながら、アラビア語は記事にも書いたように中東の偉大な文明の言葉であり、世界に大きな影響を与える国々の情報ソースでありながら、どういうわけか不動のマイナー言語の地位を占めています。この地域の情報は何の情報源を使うかが非常に大切です。というのも、日本語に翻訳された記事の情報がどこから出たのかで偏向報道が日本では標準的な報道になることもあるからです。メディアリテラシーを養う意味でも、この言語はどんどん大切になるでしょう。
6位
6位はアルバニア語です。日本は語学教材が非常に限られている環境です。しかも、母体民族がいる国家自体も日本ではアルバニアのような旧社会主義通やコソボのユーゴスラビア好き、バックパッカーのような人しか着目することがない国ばかりです。
大使館が国への観光や投資の魅了を日本国内にアピールしているはずなんだけれども、結果がうまく見えないのが気になります。従って、実施が結果にコミットしていない国の言葉なので、学習意欲が一般に高まりにくいのが残念です。あただ、イタリアやギリシャにもアルバニア系の少数民族がいるので、そのような人たちにももう少し国内でスポットライトが当たればいいなぁと思っております。
5位
5位はアイスランド語です。ネームバリューとしてはイタリアに次ぐくらい国名と言語名が一致していますし、ある程度の人気は出るのではないかと思っていました。ブルーラグーンやギャオのような自然が育んだ観光名所がふんだんに存在し、教育も進んでおり、治安も良い国と聞いています。個人的になかなか行けず終いになっているのが残念です。
その上、言語も古い。ヨーロッパでも現在使われている言語の中でも指折りの古い形を止めており、エッダと呼ばれる古い写本に書かれているアイスランド語も、現在のアイスランド人はそこまで苦労せず読めると聞いています。文法や言い回し、活用などはそれなりに変わるのでしょうが、日本人が義務教育で必死に漢文や古語を学んでいるのとは大違いです。もう一度勉強しようかなぁ。
4位
4位はアイルランド語です。ちょうど、昨日英国がEUを脱退しましたので、もしかするとアイルランド国内での英語の立ち位置が変わり、もっとアイルランド語が輝く時代が来るかもしれませんね。
最近私の周りでアイルランド語の勉強熱をたぎらせるポリグロット仲間が少しづつ増えてきています。アイルランド語からの日本国内への供給というのは印象として、アラビア語のような大言語と比べても非常に少ないと思います。恐らくは大部分の情報は英語にも訳されており、あえてアイルランド語を学習する必要がないからだと思います。今後は少し、ゲールタハト(アイルランドのアイルランド・ゲール語圏)の情報にも少し目を光らせつつ、ブログを豊かにして行ければいいなと思います。
3位
3位はアゼルバイジャン語です。実はアゼルバイジャンに関する情報掲示板のようなところがある場所に存在しており、私もしばしばアゼルバイジャン語と日本語の併用で書込み等していたのですが、管理者の方が突然更新不可にしてしまい、どうしたものかと考えているところです。自分でアゼルバイジャンの情報プラットフォームを立ち上げるか?
ネームバリューとしてはお隣の海を挟んだトルコ語にお株を奪われがちで、その上アゼルバイジャン人も「トルコ語とほとんど同じ」というような噂に相槌してしまうため、トルコ語で間に合う説が流れがちです。でも、トルコ語とは違う部分や特徴も持ちます。そのため、日本語の学習書は限られているけれど、一度はトルコ語と比べながら一読学習をお勧めします。
2位
2位はアフリカーンス語です。アフリカにありながらオランダ語の一方言を起源に持つ珍しい出自を持つ言語です。堂々の2位にランクインしました。
動詞の変化も英語並みに簡略化されており、馴染みがない点は別として、あたかも別の文化圏の英語のような印象を受けます。また、英語と同様にいわゆるアングロ・サクソン系の人たちだけでなくマレー系や現地のアフリカ人にも使われるという点で英語とも大きな共通点があります。ある意味では英語の使用者の多彩さもアフリカーンス語の多彩さも歴史的に起きてきたグローバル化の影響の結果とも言えるでしょう。そういう意味でも、22世紀に向けて研究して行くべき側面を持つ言語とも言えるかもしれません。
1位
堂々のチャンピオンはエチオピアのアムハラ語です!一ヶ月で軽く百を超える閲覧履歴を誇りました。
独自の文字と南セム語に属する、アラビア語やヘブライ語を彷彿とさせるような語形変化重視の不思議な言語です。また、本文では言及しませんでしたが、南アフリカで話されるコサ語のように、セム語なのに放出音という珍しい音声的特徴も持ちます。文法は日本人に馴染みもないし、世界でも珍しいアフリカ的な音素も持つ。加えて、文字も唯一無二の者を使用するとなれば、言語マニアがよだれを垂らすのも頷けると言えるでしょう。白水社からアムハラ語の教科書も出たことから、一度CDを聞いたり、文字を勉強してみるのもいいでしょう。手軽にカルチャーショックが体感できます。
今後ともよろしくお願い致します。
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