長距離列車で起きた珍事|Switzerland
ベルンへ向かう最終列車、の一つ前の便に滑り込み、空いている席を見つけてようやく一息つくと、列車が緩やかに動き出した。
僕の右隣、窓側の席に背を預けたのは旅の道連れ、その名をポロという。
チューリッヒから日帰りのつもりでツェルマットに出かけてきて、僕たちは今まさに帰路に着いた。
踊るラム肉ベルンで乗り換え、チューリッヒに着いたらトラムとバスを乗り継いで、郊外の宿へ直行する手筈だ。すでに夕食は済ませたし、シャワーを浴びて後は寝るだけ。
思えばずいぶん遠くまで来た。天気に恵ま